祭りの支度
昨日と一昨日は「ローカルホリデー」でした・・・(これは私が勝手にそう呼んだだけです)・・・正式には、Dumaguete city fiesta でした。
一昨日は日曜ですから異存は無いのですが、翌月曜日をローカルホリデーと称して連休にしてしまう辺りが良くわかりません。
告知も無しに役所も銀行も電話会社も水道屋も休みになってしまうのです。
私は電話会社に料金の支払いに行って会社が閉まっていることで「市民まつり」を知ったのです。
フィリピンの祭りでは豚の丸焼き・・・レチョンバボイを食べます。
とは言え丸焼きで祝えるのは一部のお金持ちで、ほとんどは業者が焼いて売っているブロックを買うのですが。
この二日間で何頭の豚が食べられたのでしょうか。
河原と言っても日本の穏やかな風景とは違いドブ川の脇の原っぱなのですが、そこで大量の豚が焼かれたのでした。
青竹に串刺しにした豚を横一列に並べ、20頭位を一度に焼いていたのです。
さらに、次に焼かれる豚の串刺しがずらりと立て掛けてあり、その様は少し異様でした。
9月の私の誕生日にレチョンをやったので今回はやる気はまったく無かったのですが、今日もやるんだろうと周りから言われて引くに引けなくなり、クリスマス用に飼っていた豚を潰してしいました。
たかが豚の丸焼きですが、ちゃんとしたレチョンの作り方と言うのはけっこう大変なようです。
まず道具一式と材料を揃える所から始めなければなりません。
例えば、鍋は大きい物が二つ必要で、一つはお湯を湧かして豚の毛を抜く下ごしらえの為の物です。
もう一つは絞めた豚の血を溜め、その後血を煮て固まらせる為の鍋です。
かまどは最低でも3つは必要ですが、メインの豚を焼く場所はかまどとは呼べない大きいものです。
豚をさばく為の道具はたいてい自作されていて、各自が使い勝手を自慢します。
そのなかでも極め付けは豚の頸動脈を切ってなおかつそこからスムーズに血を抜き取る為に使う細長いナイフでしょう。
レチョンを焼くとき、大きな豚だと前日から準備しなければ間に合いません。
下処理が終わり火に架かってしまえばあとはほぼ半日ゆっくり廻し続けるだけの退屈な作業になります。
焼き手の他に内臓の処理をする人などの裏方も必要です。
内臓の中でも大腸は中身が入っていますので上手に処理をしないと大変な事になります。
あれは腸の中に入っていれば大して臭わないのですが、処理に失敗して空気に触れると途端に臭気を発します。
下手な人が処理して破いた腸はお湯で洗ってもどこか変な匂いがするのは気のせいでしょうか?
レチョンはパリパリの皮が美味しいと言われますが、私の周りの男達が一番好んで食べるのは血を煮たもので、次が内臓の煮物です。
レチョンの皮が美味しいと言われ私も最初はそう思って食べていましたが、今では旨い場所が他に有る事を知ったので、あせって皮を食べる事はしなくなりました。
肉で一番旨いのは後足の前の腹の肉です。
そこはハーブの匂いがしみて最高に旨いのです。
私は今回のフェスタのためにビールを3ケースとスプライトを2ケースとロングネックを3本用意しました。
またスパゲッティーやラザニアやケーキも準備しました。
フェスタの日には大勢のお客さんが来てくれたのですが顔を知っている人は少なく、どんな関係なのか皆目分かりませんでした。
いちいち挨拶するでもなく、にこにこと笑顔でやって来てはさっさと食事をし、顔見知り同士が少し話して帰っていくのです。
先日の誕生日も今回のフェスタも私の役割はお金を出すことだけのようですが、たぶんそれが大切なんだろうと思います。
勝手な思惑ですが、こうして多くの人に顔を知ってもらう事が私の暮らしやすや安全につながるのだと・・・そうでも思わないとやっていられない心境なのです。
・・・では また。
ではまた。
(2002年 11月に書きました)