じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

南風の便り 15

2020-02-24 10:29:03 | 南風の便り



2月から3月にかけてMDSに沢山の人が来てくれました。
3月には久しぶりにオープンウォーターダイバーの講習もあったりして、人手の少ない当サービスにあって、ガイドは唯一の常勤スタッフのジェフリーが活躍しました。
ジェフリーはセブの大手の日系のダイビングサービスに勤めた経験もあり、地元ではそこそこ使えると言う評判の男であります。
片言以下の怪しい日本語と、私よりは少しましかなと言う程度の英語を話します。
そして飲ん兵衛で助平で、カラオケが大好きな良い男でして私とは公私共に気が合います

ダイビングのお客さんが有る日の私の4時起床です。
夜明け前に起き出して、まず飯を炊きます。
人数によっては電気釜一杯では足りずに、でかい寸胴なべを使う事もあります。
兎に角、飯を炊きます。
そして次に野菜いためやらビーフン炒めやら、魚の空揚げや豚肉の炭焼きや鳥の炭焼きと、その日によって変わる弁当のおかずを作ります。
これでだいたい6時になって、冬でも外は明るくなっています。

6時になったら充填所にタンクを取りに行きます。
軽トラに中腰でタンクを積み降ろしするのはけっこう腰に来ます。
一人で30本も積んだ日には軽トラも重さでへコへコですが、私の腰もガクガクであります。

戻って来て6時30分。
御飯だけを弁当箱に詰めてあったのが冷めているので、おかずを入れて弁当の出来上がり。
バスケットにスプーンと水のボトルと、マンゴーと包丁と・・・2度点検しても忘れる時も有るのは南国ボケでしょうか?

これで間もなく7時です。
今日チェックアウトのお客さんが居ると早めに戻らなければならないのでダイビングの出発は7時です。
時間に追われ急いで軽トラに器材とランチを積み込みます。
ホテルの前ではダイビングに行くためにチャーターしたバス(便宜上バスと呼びますが・・・)が待っています。
バスに荷物を移し替えてお客さんを待ちます。
あぁ、今日も朝飯を食う暇が無かったしトイレに行く時間も無かった、と・・・トイレは飯より一大事なのですが。

普段は9時出発なので7時30分頃に朝飯を食べ、一息入れてホテルに向かう余裕があります。
どーですか? こんな仕事に憧れませんか? 楽しいですよ?

ダイビングから戻って来るのは意外と早くて、チェックアウトの人がいる日は12時~1時です。
普段でも3時にはホテルに戻ってお客さまはすぐホテルのプールで塩抜き・・・ビールタイム?。
私は器材と軽トラとタンクを洗います。
タンク洗いが終わったらタンクを充填所に運びます。
チェックアウトのお客さんは3時にホテルを出ますのでその日は大忙しです。
自分もサラッとシャワーを浴びて着替えなければなりませんが、この場合のシャワーは器材洗いの水道水をかぶるだけです。

普段は器材を洗いながらのんびりムードに戻って行きます。
弁当の洗い物だけを残して片付いたら、充填所へ。
充填所にタンクを降ろしたらすぐ近所のサリサリストアーへ。
そこで5ペソのハッピーピーナッツをつまみに、ジェフリーとビールを2本づつ飲みます。
店の前の道ばたに日除けのテントがかかっているので快適です。
少しすると他のショップやサービスのガイドもやって来て人数が増えるのが常です。

ここで一息入れたらチャンゲ(市場)へ明日の弁当の買い出しに行きます。
お客さんを晩飯へ案内するのが6時か6時30分なので急いで戻ります。

晩飯で夜の街を案内するときはほとんど割り勘ですが、これが貧乏BOMBEEには痛いのです。
家で食れば100円で充分足りるのに毎日レストランでの食事代はきついのです。
ジェフリーが一緒だと彼の分は私持ちですが・・まあ、楽しいんだから仕方なしですが。

食事が終わって街で唯一のコンビニに寄ってホテルに戻るのが9時頃です。
4時起きの私はもう眠さ絶頂の時間であります。
この後もう一杯・・・などと言われてもけっして断らないのが私であり、ジェフリーであります。
カラオケ? レッツゴー・!!!プールバー?・ オバンカァー(いっしよに)と行ってしまうのであります。
当然翌朝は地獄であります。
翌朝、ボートが動きだしてからすぐに僅かのスペースを見つけて横になります。

忙しい日と暇な日の比率は圧倒的に暇な日の勝ちでありますから、たまに地獄の忙しさも楽しいのが本音です。
大手ダイビングサービスの日本人スタッフはタンク運びや器材洗いなどはほとんどしません。
現地スタッフが全部やってくれます。
うちのスタッフのジェフリ-は給料が安いので重労働は嫌います。
ですから普通は現地スタッフがするような仕事こそが私の仕事です。
時にボスはジェフリーかと聞かれる事さえ有ります。
それも仕方の無いことでして、彼の方が顔が広いからすぐ仕切ってしまうし、態度でかいんですから。

どーですか?
こんな楽しい南の島のダイビングサービスで貴方もガイドをしてみたくなりませんか?

えっ? 遠慮しとく、ですか? 
ホントのことを言うと、最近は自分も少し考えるところがあります。

そこで提案なんですが・・・ダイビング屋の人脈とノウハウと少ない財産(軽トラ・テレビ・冷蔵庫含む)の統べて一式を無料でお貸ししますので、誰か私の代わりをやってみませんか?

お客さんがいれば飯は食べていけますし、毎日ビールも飲めます。
イントラでなくてもダイブマスターでやれますから・・・どーですか?

    ・・・では また

         ではまた


(2003年 3月15日 書きました)



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テレビに見入ってしまった

2020-02-24 09:30:26 | 日記
今日は薄曇りですが福寿草は開きました


今日はバイトが午後からなので朝飯の後ものんびりしていました。

で、朝ドラから惰性でテレビを見続けていたんですが・・・NHKってドキュメンタリーとか自然を撮った番組はマジですごいですね。

今朝見ていたのはホテル・ニューオータニでの晩餐会の裏側なんですが・・・一言で言って只々驚きでありました。
自分なら尻をまくって逃げそうな無理難題に対処するホテルマンたちの仕事に唖然、でありましたが、それを長期取材で描いたNHKも凄い、であります。

いや、ホテルってのはとんでもないところなんですね。
私ゃ安宿しか泊っていないので高級ホテルの凄さなんて知りませんし、多分今後も縁は無いと思うんですが、一流の仕事ってのは厳しいもんなんだなと、しみじみ思わされた映像でありました。

でも、高級ホテルに対する正直な感想を言えば、分相応を弁えると貧乏人の自分が宿泊しても肩身が狭く、食事の席でも緊張しまくって味なんぞろくにわからずに終わるんでしょうね。

やっぱし自分には大江戸温泉物語や伊東園ホテルズの蟹食べ放題バイキングがお似合いで、あの手の席は仮に誘われてもお断り、というのが本音でありました。

で、驚いたのが招待客の我儘といいますか、料理に対する好き勝手な注文であります。

自分なんぞは思考が浅はかなのでメンドクセェ〜と呆れたんですが、宗教上の理由やアレルギーはまだしも、個人的と思われる趣向で肉は食えないとか魚はダメという招待客の声でありました。

驚いたのはグルタミン酸アレルギーとの声に、完璧と称した和風の出汁から昆布を抜いて一人前を作り直したところでありました・・・ホテルの料理人って頭が良くて臨機応変に対処でき無いと務まらないなとつくづく思った次第であります。

しかし、私ならメンドクセェ〜と投げ出したくなる個人の好みでも、食べて頂いてこそのおもてなしであれば、好まない料理を出すのは失礼なわけでして、出席者の些細な好みにまで対応するのは当然なんでありましょう。

住む世界が違う・・・それは確かにあるのでしょう。

で、その高さに登らないと見えない景色ってあると思うわけです。
政治・経済・暮らしむき・・・どれも自分の足元しか見えないのが当たり前でして、上の方は覗き見しようにも伺い知れず、結局は想像するしか無いのだな、と本日の晩餐会をみて思ったわけであります。

あのような席に招待され、繊細なもてなしを受けるべき人と、テレビの画面を眺め溜息をつく私は住む世界が違うのは明白。

さて・・・国を代表して招かれた人の晩餐を見て、やはり、あのような世界に属さないと世界は見えないんだろうな、なんてことを思いつつ、翻って自分は、ネットのガセネタを元に駄法螺を吹いているのが少し恥ずかしく思えてしまったのでありました。




コメント (2)
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