二泊三日で下北と津軽の旅をやってみました。
今回はそれの三日目で、津軽半島から十三湖と百沢温泉であります。
今回はそれの三日目で、津軽半島から十三湖と百沢温泉であります。
九月十日・・・津軽半島今別の鋳釜崎キャンプ場の朝は霧雨でありました。
昨夜の雷雨は凄まじい勢いで鉄板の薄い自分の車の屋根に雨粒が刺さるんじゃ無いかと思うほどでありました。
一昨年泊まった時には陸奥湾で操業するイカ釣り船の灯火が眩しいほど見えたんですがこの夜は静かでありました。
あれ、見たかったんだがなぁ〜と思いつつ、一昨年の夜に訪ねてきたキャンプ場の近所の爺さんのことを思い出しました。
一昨年も時折小雨の降る夜でしたが、晩飯を食べ終えイカ釣り船の漁火を眺めつつ一杯やっていると近所の爺さんが現れあれこれと話をして行ったのでした。
爺さんはここにキャンパーが泊ったら必ず顔を出すのだと言って、昔のイカ漁が盛んだった頃の話などを織り交ぜ語ってくれたのでありました。
で、今回もあの爺さんに会えることを楽しみにしていたのでしたがいつ迄経っても現れませんでした。
キャンプ場からは爺さんの家が見えて明かりが灯っていましたが訪ねて行く理由も見当たらず行くのはやめました。
小雨の朝はなんと無く気が重く動き出しても緩慢でありました。
コーヒーとソーセージパンとヨーグルトの朝食を食べました。
フライパンで温めたソーセージパンをかじりながら、またおにぎりを買いそびれた理由を考えていました。
いや、くずぐずして要る理由は天気が悪いのもアレなんですが行く先が明確に決まらないのが原因であります。
なんとなれば、コロナの影響は辺鄙な観光地ほど強く受けていて小さな観光施設や温泉は閉まっていたり営業形態が変化していたりで無駄足になる懸念があるわけです。
さて、ここから一番近くの観光地といえば竜飛岬なんですが悪天候の竜飛岬は車から降りるのが憚られる強風が吹くし、横殴りの雨を見ても楽しく無いので敬遠した次第であります。
で、行く先に決めたのが十三湖でありました。
いや、十三湖に温泉は無いのでありますがしじみ汁を味わいたいと思い行く事にしたわけであります。
Googleナビによると十三湖に行く道は二つ出たわけであります。
しかし一つは竜飛岬経由なので気乗りがしないし、別ルートとの比較で距離的には2倍は走るように見えるのであります。
で、選択したのは県道285号線で小泊に抜ける道でありました。
いや、この時点で気がつかなくてはならない失敗を犯していたわけですが、それは後の祭りであります。
なんとなれば、竜飛岬経由で2倍の距離に見える国道339号線と県道286号線での小泊までの時間に違いが無いのであります。
と、いう事は、距離が短くて時間がかかる県道286号線の道は推して知るべしなのであります。
それでは県道という名の酷道286号線を綴りたいと思います。
県道286号の起点は三厩の駅前
太宰治の津軽では海岸線にへばりつく三厩の集落を「鶏小屋」と書いていたと思うのだが、今はその面影は無い・・・と、思うが定かでは無い。
と、いう事で県道286号に入ろうとして図らずも三厩駅前を通ったのはうれしかったが、ここで見た看板も自分を間違った道へ誘った元凶だったのだ。
県道286号がしっかり記されていた
いや、国道339号と県道286号が同じ色で記され、しかも道には名前までついているのでなんの躊躇いも無く先に進んだのだったが・・・。
入り口にはゲートがあり不穏な雰囲気が
三厩駅から走って五分ほどで鉄のゲートに出交した。
あいやぁ、この手の道は大概登るほどに悪くなるのは必定と思う気持ちと戻る無駄を嫌う自分が葛藤した。
注意して走行しろだとぉ〜、何を今更と、恐らく普通の観光客は来ないであろう道と対面し、行って見たい衝動は抑え難く林道に進んだ。
踏み固められた砂利道 悪くは無い
これは林道である・・・作業に使われていれば維持されて要るだろうがそうで無ければ突然通行不可になっていたりして戻る事になるが、取り敢えず目の前の道は悪路ではなかった。
どんな山道も峠は明るい
30分も登ったところで明るくなり峠に出た。
そして外ヶ浜町から中泊町の管轄に入ったのだが、ここからが林道のハイライトだった。
今別町に入った途端道の様相が変わった
自分はバイクで林道を走破するのを趣味にしているのでこの手の道に対する読みは鋭いと自負している。
中泊の標識を見てすぐ、その勘が「この先危険」と警告を発した。
まず、雨が流れて掘った轍は下に行くほど酷くなるのが常で自分の車の車高で乗り越えられない溝が出てこない事を祈った。
そして、轍の間の草丈も車の底に当たる以上に伸びいてこの道をゆく車が少ないことを物語っていた。
青森ヒバの実験林の表示が
外ヶ浜側からの林道は比較的車が通っていたのは林業用の林道として利用されているからだと実験林の表示を見て思った。
中泊側からは仕事で登る車がないので荒れているのも宜なるかななのだ。
立ち入りはご遠慮下さいですって
山深い林道の途中で見つけた看板を見て私は笑って良いのか怒るべきか判断しか寝ていた。
これが冗談で無ければ設置した人はバカなんですか、という話になる。
峠を越え道は下りになり外ヶ浜側よりも傾斜が急で、危惧したように雨が流れた道は掘られ走り難くなっていた。
しかし荒れた林道というほどでは無く、普通の車では軽く躊躇う程度の砂利道だったのは幸いだった。
登りが時速30キロで下りは20キロ程度だった。
ナビが示す残り距離は中々減らずこの道を選んだ事を後悔していたが、ここまで来たら戻る選択はもはや無く一刻も早く抜けたかった。
小泊ダムに出て舗装路に乗る
29Kmを1時間で走って小泊ダムで舗装路に出た。
これがバイクだったら楽しい林道走行だったが軽ワゴンのチビクロでは不安だらけの走行だった。
結果的にはなんの問題もなく走り抜け、小さくても四駆のチビクロの意外な走破性能を垣間見て少しうれしかったが二度と走りたくはない。
国道339号線に出て十三湖に向かったわけですが普通の国道ってのは走りやすいもんだとしみじみ思いました・・・まっ、これからシジミを食べに行くんでアレなんですが。
と、いう事で手に汗握りつつもなんとか抜けた国道を五所川原市の十三湖に向けて雨の国道を快調に走った次第であります。
十三湖 中の島への木製の橋
雨の平日の朝という事で十三湖のシジミ屋も閑散としていましたが、シジミ汁ありますの看板を見つけ滑り込んだ次第であります。
十三湖名物の中の島へ渡る木製の橋は非関係者は徒歩でしか渡れませんがキャンプ場の利用者は車で渡れるのだそうであります・・・が、結構怖そうでした。
いや、時折雨足も強くなり湖畔の散策なんて心境でも無いわけでして一切の観光気分を捨てしじみ汁の堪能に全力を傾けたのであります。
味噌汁では無いのであります
まっ、一杯200円でしたか? 土産のシジミの佃煮二つと合わせて1200円だったのでよく分かりませんけれども、昆布の出汁が薄っすらと感じられるしじみ汁は美味いものでありました。
十三湖のしじみは喫水域の貝い特有の臭みは無く小さくて上品であります。
さて、今日は最終日であります。
帰宅時刻を四時頃とすると残り時間はそれほど多くは無いわけであります。
そして弘前近辺から高速道路に乗る事を考えると行き先の選択肢は多く無いのであります。
しかし、最後は温泉で締めたいよな、との思いから岩木山の麓の百沢温泉を目指したのであります。
雲が切れ岩木山が現れました
百沢温泉は何度も訪れていまして、9年前のバイクの事故の二日前も百沢のキャンプ場に泊まり温泉に入っていたのであります。
まっ、ある意味縁起の悪い温泉とも言えますが、あの時は岩木山に登り神社で立小便をしたのでバチがあったという気もしますが・・・まっ、いいでしょう。
岩木山と津軽のりんご
まず始に百沢温泉に行って見ました。
ナビで百沢温泉と入れればまずここへ行く事間違いなしの定番であります。
が、やっぱしでありまして、しばらくの休業との張り紙があってガビョーンであります。
しかしこの地は多少知っているので近くの温泉宿に湯を求めて訪ねた次第であります。
温泉宿 山陽
静かな佇まいの温泉宿はやっているのかと不安になりましたが「たのもー」と声を掛けると「何奴じゃ」と返事があったので風呂に入りたいのですが、と言うと快く入れて頂きました。
そして木戸銭はなんと300円と親切価格でありました。
すごい量の源泉垂れ流し
いや、黙って入れば誰でも感じる名湯であります。
豊富な湯の量を惜しげも無くかけ流す湯船の湯は新鮮でして、これぞ温泉と言える名湯だと自分は思いました。
なんと申しましょうか、私ゃケロリンの黄色い風呂桶があるだけで気持ちが和む人でして、これぞ由緒正しい昭和の温泉宿であるなと満足したのであります。
で、ここからの帰り道は何処を見ても林檎だらけのアップルロードを弘前方面に向かい、大鰐弘前インターから東北道に乗るのであります。
いや、ちょうど昼飯時なのでインター手前の道の駅で土産を買いつつ親子丼の昼飯を食べ、給油をして1時少し前に高速に乗ったのであります。
で、帰り道は燃費が良い・・・これ不思議な事実でして、家まで320キロ走って燃料は2メモリ分も残したわけであります。
ノンストップの走行でしたがのんびり走ったのが功を奏してか大した疲労感も無くトイレ休憩も忘れて家まで走って到着は4時ちょい過ぎでありました。
これにて二泊三日の旅は完了であります。
長々の文を読んで頂きありがとうございました。
走行距離 1343キロメートル 高速代 8100円
ガソリン 117リットル 燃費11.47Km
温泉代や食料品その他の買い込み資金 12000円
今回の旅、締めて2万円ほどでありました。
お疲れさまでした。
とても65歳のおっちゃんひとりで運転とは
おばちゃんも昔々のその昔、
おばちゃんちと関東間1200キロとちょっとを
ひとり運転しましたが、顔の肌がざらざらになったことを覚えています。
Oyazi様、お肌は大丈夫ですか???
ケロリンの黄色い風呂桶が欲しいなぁ
自分の旅する東北の田舎は都市部と違って運転が楽なのだと思います。
工業地帯の多い名古屋から九州までを走った時は周りの車が殺伐とした感じで怖く疲れました。
でも九州も田舎に行くと東北と同じで呑気に走れた記憶があります。
お肌の曲がり角をとっくに過ぎて、もはや面の皮も目一杯厚い年頃になり全然平気であります!!!