外浦に行く用事があり、大谷の池上宝蔵さん宅ののとキリシマを見に立ち寄る。
満開時期に伺ったのは初めてだったかと思う。
例年より開花時期が遅く、ちょうど私が行くのを待っていたかのように今日が一番の見ごろになったそうな。
と言いたいところだが、実は私のために!ではなかった。
今日の午後、のとキリシマの「本家」鹿児島県霧島市から能登を訪れている「霧島連山希少植物保全調査会」の一行15人が池上宅のキリシマを見に来ることになっているそうで、遠方からの一行のために満開となったと解釈したほうがやはりよさそうだ。
池上さんによれば、日程を聞いたとき、散り始めているのではと心配したという。ところが春先の低温で開花が遅れ、見ごろはもっと遅くなるのではと、今度は開花の遅れを心配したという。幸いにもここ2~3日の好天で一気に開花が進み、満開を迎えたそうだ。
珠洲広報の今年の5月号によれば、池上さん宅のキリシマは1864年、舟で宇出津からやってきて、大谷の奥深くに6人の作業員によって運ばれたそうな。樹齢は350年とも言われ、5年前の2006年には「大谷ののとキリシマツツジ」として石川県の天然記念物にも指定されている。
見れば見るほど深紅の花が見事な池上さん宅のキリシマだが、普通のツツジと異なり成長が遅く、しかも土地を選ぶそうで、池上さんによれば、一間植える場所が違うだけでも育ち方が全然違うと言う。
奥能登2市2町が連携しておこなう「のとキリシマツツジ オープンガーデン」。自宅に残る宝を無料で公開する取り組みで、県外ナンバーの車も多く見受けられる。
珠洲市内で参加しているところは11軒あり、私の家の近くにも正院町平床の前惣四郎さん宅のキリシマがある。
近くにもかかわらず今年は寄れず、写真は去年のものだが、裏山一面に咲き誇る400本以上のキリシマはこれまた圧巻。1991年の台風19号によって被害を受けた杉の山をキリシマで見事に再生させた。
見ごろはおおよそ5月中旬だが、池上さん宅のキリシマが珠洲では一番遅いという。
見逃した方は来年こそ是非どうぞ。
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