朝日新聞は菅首相の年頭の会見の内容について「本気ならば応援しよう」との社説を掲げた(1月5日)。
会見内容は大きく3点。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加に向けた「平成の開国」、消費税引き上げを含む税制と社会保障の一体的改革、そして政治とカネの問題のケジメである。
朝日の昨今の主張からすれば「応援」の社説も当然予想されるが、ちょっと待った!といいたくもなる社説である。
そんな気分の中、1月8日付け朝日新聞の「オピニオン」は興味深い内容だった。
フランスの人類学者エマニュエル・トッド氏のインタビュー記事である。
社会の問題を解決するのが政治なのに、政治自体が深刻な問題になっている。日本だけではなく世界各国で。フランスも米国も日本も、なぜ政権交代があっても不平等社会は拡大し、競争は激化の一途を辿り、社会問題の解決に繋がらないのか。
トッド氏は表層的な原因として「自由貿易こそが問題の解決策だとするイデオロギー」を指摘する。リーマンショック後、世界各国が景気刺激策が必要との見解で一致し、各種指標は上向き、企業の利益も伸びたが、雇用と賃金は伸びない。新興国の景気を刺激するばかりだったではないかと言う。
さらに深層的な原因として、ハイパー個人主義とでもいうべき深い精神面での変化があるという。社会が個人に分解され、共同体を否定する考えが広がり、民主主義が蝕まれていると指摘する。
この危機からの脱出は難しいと認めつつ、民主主義が生き残る道として、政治の規模と経済の規模を一致させる必要性を説き、欧州ではEUという単位での保護主義を唱えている。
朝日新聞が年末年始にかけて連載した「孤族の国」でもあきらかにされたように、急激に共同体や地域のコミュニティが崩壊している。そんな中、政府に求められているのは自由貿易拡大による成長戦略ではなく、成長なしでも暮らしていける戦略である。
そのステージとなるのは自治体である。人と人、人と自然の関係を再構築し、地域社会を再生していくことがこれからの最重要政策となるのではないか。
地域社会を崩壊の危機にさらすTPP参加はまさに逆方向の政策展開である。
会見内容は大きく3点。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加に向けた「平成の開国」、消費税引き上げを含む税制と社会保障の一体的改革、そして政治とカネの問題のケジメである。
朝日の昨今の主張からすれば「応援」の社説も当然予想されるが、ちょっと待った!といいたくもなる社説である。
そんな気分の中、1月8日付け朝日新聞の「オピニオン」は興味深い内容だった。
フランスの人類学者エマニュエル・トッド氏のインタビュー記事である。
社会の問題を解決するのが政治なのに、政治自体が深刻な問題になっている。日本だけではなく世界各国で。フランスも米国も日本も、なぜ政権交代があっても不平等社会は拡大し、競争は激化の一途を辿り、社会問題の解決に繋がらないのか。
トッド氏は表層的な原因として「自由貿易こそが問題の解決策だとするイデオロギー」を指摘する。リーマンショック後、世界各国が景気刺激策が必要との見解で一致し、各種指標は上向き、企業の利益も伸びたが、雇用と賃金は伸びない。新興国の景気を刺激するばかりだったではないかと言う。
さらに深層的な原因として、ハイパー個人主義とでもいうべき深い精神面での変化があるという。社会が個人に分解され、共同体を否定する考えが広がり、民主主義が蝕まれていると指摘する。
この危機からの脱出は難しいと認めつつ、民主主義が生き残る道として、政治の規模と経済の規模を一致させる必要性を説き、欧州ではEUという単位での保護主義を唱えている。
朝日新聞が年末年始にかけて連載した「孤族の国」でもあきらかにされたように、急激に共同体や地域のコミュニティが崩壊している。そんな中、政府に求められているのは自由貿易拡大による成長戦略ではなく、成長なしでも暮らしていける戦略である。
そのステージとなるのは自治体である。人と人、人と自然の関係を再構築し、地域社会を再生していくことがこれからの最重要政策となるのではないか。
地域社会を崩壊の危機にさらすTPP参加はまさに逆方向の政策展開である。
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