北野進の活動日記

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トマ・ピケティ まだ、ひとかじりもできませんが・・・

2015-02-07 | 選挙情報
フランスの経済学者トマ・ピケティの大著「21世紀の資本論」が世界的ベストセラーとなり、来日を契機に国内でも様々なメディアでピケティ論議が沸騰している。

私も一読してコメントしたいところだが、5500円の金額もさることながら本文だけでも600ページ以上というボリュームの専門書は買っても枕にしかならないこと間違いなしと観念し、買う前から白旗である。

だけど書店では解説本が何冊も並び、雑誌や新聞などでも論評が続き、国会でもピケティの著書を基にした質疑が展開されている。
世界的な格差の拡大がベストセラーの背景だろうし、特にアメリカで大反響を呼んだのは機会均等の国だったはずなのにアメリカンドリームはもう無理と建国の理念を揺るがしかねない指摘をしているからでだろう。

日本での大ヒットの最大の要因はアベノミクスだ。
ますます広がる格差。
トりクルダウンを期待しててもダメだってことがこの本を読めば確信をもって語れるようになるのだと思う。

私も原著はあきらめていくつかの評論は読みようにしている。



週刊金曜日は昨年12月19日号ですでに特集を組んでいる。
竹信三恵子さんの「ピケティ入門」は読みたいと思いつつ、まだ手が出ていない。



赤旗日曜版は1月18日号で経済研究者・友寄秀隆史氏の書評を掲載している。
格差拡大に突き進む資本主義の実態を暴露したことを評価しつつ、マルクス経済学の立場からマルクス「資本論」への誤解や資本の概念があいまいで「21世紀の資本論」と評価できるものではないと指摘する。なるほど、赤旗はそうだよなと納得。



そんな中、昨日も紹介した岩波の「世界」3月号も「不平等の拡大は防げるのか」というテーマでピケティの特集を組んでいる。
冒頭の伊藤光晴氏の「誤読・誤謬・エトセトラ」はピケティ入門としてとてもわかりやすい(理解が及ばない箇所もあるが・・・)。

まず第一にピケティがいうcapitalは「資本」ではなくって「資産」だという指摘。
なるほど、そう読めば赤旗日曜版の指摘も納得。
「21世紀の資本」というタイトルはマルクスの資本論に対抗しているようで対抗していないということを踏まえれば誤読は減少する。

次に理論の本ではなく歴史統計の本だということ。
伊藤氏は経済理論の発展がこの本によって起こるというものではないと断言する。

資本主義の第一法則についての記述はパスして、第3にアメリカでなぜ大きな反響を呼んだかを明らかにしている。
上位1%の人に50%近い冨(2914年)が集中していて、冨の集中がさらに続くという主張はアメリカ人が信じる平等神話に抵触するからだという。

そして最後に「資本主義の矛盾」という名の「世襲財産制」批判である。
ピケティが膨大な統計から明らかにしたのはマルクスがいう「資本主義の矛盾」ではなく、世襲財産が増大し続けることを明らかにしたに過ぎない。

こうした点を指摘し社会的な公正の推進こそ私たちが引き出すべき課題だと提起する。

格差拡大社会に対して累進課税の強化を強調するピケティの主張は、租税法律主義なんだから政治がしっかり責任を果たせ、格差是正は政治家の責任だということに行き着くのかなと思う。
経済の専門書というより政治家に突きつけた書ということかとお粗末ながら理解する。

※今日はピケティの膨大な著作を1行も読まずにコメントするという全く不謹慎なブログになったことをお詫びします<(_ _)>

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