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北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

産業委員会視察 一日目はイノシシ対策

2018-07-31 | 珠洲市議会


市議会産業建設常任委員会の今年度の行政視察は佐賀県。
一日目の今日は武雄市役所を訪れ、いのしし対策を学ぶ。

武雄市は9年前には市役所にいのしし課を置いて注目された。
そのいのしし課も3年前に廃止され、農林課に業務は引き継がれてるので、おそらくは前市長のパフォーマンスだったのだろうと思っていたが、さすがにいのしし課を置くだけあってその力の入れようはなかなかのもの。

基本的には捕獲、防除、棲み分けの3本柱で被害を抑え、いのしし肉の利活用も年間売上は1000万円を超えている。

捕獲の中心は猟友会だが、加えて市は2012年には4人の隊員からなる捕獲実施隊(愛称:トッテクレンジャー)を結成。
この隊員だけで300頭以上のイノシシを捕獲している。
市単独予算でいのししパトロール事業も実施し、今年度は6人体制で活動している。
被害情報があればただちに現地を確認し、素早く対策につなげている。
防除策の基本は電気柵やワイヤーメッシュ線だが、この他鳥獣被害対策犬(公務犬)も2頭導入。追い払いに効果を発揮している。

棲み分けの基本は耕作放棄地対策で、栽培が容易でイノシシが臭いを嫌うレモングラスを推奨しているとのこと(もっともこれは、イノシシが徐々に慣れてきて侵入防止効果は薄れているとのこと)。
こうした対策の結果、武雄市では12年前は1580万円あったイノシシによる農作物被害が昨年度は195万円まで削減してる。

鳥獣食肉加工処理施設は猟友会に委託しているが、赤字操業かと思ったら報奨金制度を絡ませ、赤字にならない経営を実現している。
肉の方はジビエブームもあり需要は伸びているが、捕獲したイノシシの素早い放血技術の普及が課題で、販売業者が求める肉質を確保すること態勢が追いついていないとのこと。、



市役所の大掛かりな取り組みと猟友会との連携で、被害は大きく削減したが、残された被害農地は電気柵やワイヤーメッシュ策の設置で国の補助事業の対象外のところがほとんどで、市単独事業で対策を進めてる。

捕獲頭数は毎年2000頭前後で推移している。
これだけ捕獲しても、生息数自体は減っていないとのこと。
防除で被害を抑えているのが実態。
イノシシもどんどん知恵をつけてきており、対策に終わりはない。
イタチごっこならぬイノシシごっこで、行き着くところ、共存、棲み分けをいかに図るかがポイントか。

※説明は、この5月に完成した新庁舎の議場で。


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