北陸中日新聞(8月4日)
あいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展・その後」の中止決定に端を発し、言論や表現の自由に関わる深刻な事態が各地で続いている。
北陸中日新聞(8月10日)
神戸市は今月18日に予定していた現代アートのシンポジウムの中止を決定した。あいちトリエンナーレの芸術監督を務める津田大介さんの参加を問題視し、抗議や問い合わせが相次いだからとのこと。
愛知県豊田市でも津田氏が登壇予定だったイベントが延期された。
言うまでもなくこれはあいちトリエンナーレや津田氏に限定された問題ではなく、日本国憲法が重大な危機にさらされていることを示しているが、現代アートの芸術祭を開催する珠洲市にとってもまさに我がこととして考えなければいけない問題だろう。
北國新聞(8月8日)
来年9月から10月にかけて開催される奥能登国際芸術祭の準備が進んでいる。
7日には参加―アーティスト11人が公表された。
引き続き選考が続けられ、最終的には前回並みの40組のアーティストの参加が予定されている。
この奥能登国際芸術祭の開催目的について実行委員会は、
①珠洲の魅力(伝統、文化、自然、食等)を広く伝える
②市民が珠洲の潜在力を再認識し自信と誇りを持つ
③全国から集まった鑑賞者、サポーター、市民が交流し、新たなつながりが生まれる
⇒それにより、珠洲の魅力を高め、若い人を惹きつけ、UIターン、移住・定住につなげる
(奥能登国際芸術祭2017総括報告書より)
という3本の柱を掲げている。
2回目の開催目的について、活字になったものを私はまだ見ていないが、概ね似たような目的だと思われる。
当初から気になっていたことだが、開催はあくまで珠洲市のためであり、芸術や文化の発展に貢献するという視点は全く含まれてい合い。
ちなみに愛知県があいちトリエンナーレ実行委員会に示した開催の意義はこのようになっている。
(実行委員会HPより)
奥能登国際芸術祭は基本的には「地方創生」のためのイベントであり、作品の公開に対して外部からの圧力があったときにしっかり踏ん張ることができるのか、なんとも心許ないと感じるのは私だけか。
河村たかし名古屋市長の「(展示の)即刻中止」発言や、菅義偉内閣官房長官らの同展への補助金交付差し止めを示唆するコメントなど論外だが、圧力云々の前に、そもそも政治的なメッセージを込めた作品企画に対して自己規制や自己検閲はないのか(なかったか)も気になるところだ。
1か月後の9月議会では表現の自由、芸術の自由を守る市長の明確な意思が表明されることを期待したい。
議会としてもこのような脅迫や妨害行為に対する抗議の決議などを上げるなど、芸術祭開催自治体として毅然とした意志を示してほしいところだ。
日本ペンクラブの声明
日本文化政策学会の声明
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます