北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

今日の一般質問の原稿です。ご覧ください。

2013-09-09 | 珠洲市議会
 今日おこなわれた珠洲市議会9月定例会の質問原稿です。
 かなり長いですが(発言時間29分30秒?)、ご笑覧を。

 答弁については近日中にアップできるよう頑張ります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

東日本大震災の後、絆が日本中に溢れ、ある方は絆ファシズムだと表現しました。今回、東電福島原発事故被害者の思いが首相演説で踏みにじられる中、東京オリンピック招致が決まりました。お祝いムードの一色の中、オリンピックファシズムの風潮が生まれやしないかと心配しつつ、以下、質問に入らせていただきます。
まず財政見通しについてです。珠洲市の財政、平成18年度から24年度まで7年連続黒字決算とのこと。財政指標も概ね改善されてきました。もっとも、自治体財政の改善は行革による人件費の大幅削減と民主党政権時代の財政政策の転換が大きな要因であり、他の多くの自治体でも見られる基本的な傾向であることを忘れてはなりません。
いままた安倍政権は自治体財政に関わる大きな政策転換に踏み込もうとしています。今年5月に財務大臣の諮問機関である財政制度審議会が「財政健全化に向けた基本的考え方」なる報告書をまとめ、これを踏まえ政府は6月、「経済財政運営の基本方針と改革の方針」いわゆる「骨太の方針」を発表しました。わかりやすく要約しますと、リーマンショックで地方の景気の落ち込みがひどいというから歳出特別枠や別枠加算といった仕組みを考え、自治体にお金をまわしてきたが、おかげで国は赤字続きで借金も増えて大変だ。いつまでも特別扱いを続けていると地方は怠け者になってしまうから元の形に戻そう。おおよそこんなことかなと思います。
その認識は違うんじゃないかと思います。何より注意しなければならないのは、リーマンショック前の小泉、安倍、福田、麻生政権下で続けられた地方行財政制度は地方にとって最悪だったということです。行政需要を反映しない交付税カットが復活するならば、多くの自治体の財政は再び窮地に追い込まれるでしょう。
地方6団体を先頭にこのような政府方針はあらゆる機会をとらえて反論していかなければなりませんが、来年度予算からさっそく厳しい局面が予想されます。来年度予算概算要求が99兆円を上回る過去最大規模となる中、総務省の地方交付税要求額はひときわ目立つ減額、しかも5年ぶりの低水準となっています。今後の予算査定では、さらに減額されることはあっても増額はまずありえません。アベノミクス効果で税収増が期待できるごく一部の自治体は例外として、珠洲はじめ多くの自治体には税収増は期待できません。この政府方針が続く限り、今後の財政見通しは極めて厳しいと見ておかなければならない、私はそう思いますが市長の所見をお聞きます。

関連して決算状況の認識と予算編成方針についてお聞きします。言葉尻を捉えるような質問はあまりしたくありませんが、日銀短観の景気判断の表現を例に挙げますと、下げ止まりと持ち直し、回復基調では投資家にとってとてつもない違いであることは元証券マンの市長が誰よりもご存じかと思います。
さて、昨年9月議会に提出された平成23年度決算の概要では、6年連続の黒字決算で一時期の危機的状況から改善が進んでいるとしつつも「地方交付税の大幅な減額も考えられるため、一気に危機的状況に陥ることも想定でき、予断を許さない状況である」としていました。ところが今年度当初予算編成の基本的な考え方では、財政運営について「余裕も少しずつではありますが生まれつつあります」との表現も入り、基金を取り崩しての積極予算に転じました。ところが一転、今議会に提出された平成24年度決算の概要をみますと、地方交付税の動向も不透明であるため「予断を許さない状況」と危機感が繰り返されています。その一方で補正予算は経済対策として投資的経費は増額となっています。
決算の認識と予算編成方針に整合性がとれていないのではないでしょうか。背景にはもちろん振り子のように左右に揺れる政府の財政政策があることは理解しますが、それにつられてぶれ過ぎているような感じもします。珠洲市は株式会社ではありませんから株価の乱高下はありませんが、財布の紐を締めているのか緩めているのか、ぜひ一本、筋の通った説明をお願いしたいと思います。

2点目の質問はプレミアム商品券についてです。
今議会初日の市長の提案説明の中で、本市の景気・経済状況について「プレミアム商品券発行事業により下支えし」との表現がありました。
昨年暮れから商工会議所と連携して取り組まれたプレミアム商品券発行事業については、この事業の仕組みからして経済波及効果が必ずしもあるとはいえないこと、それどころか税金を投入した1割のプレミアム分ですら地元経済の上乗せにつながるとは限らないことを私は一般質問で指摘してきました。しかもそれ以前の2回のプレミアム商品券発行事業について、その効果が検証されていないという問題を指摘する中で、今回は商工会議所でその効果を検証するということが昨年の12月議会で市長から表明されたわけです。
いずれきちんと議会に報告があるのかと思っていましたが、今回「下支え」という表現でさらりと事業効果についての評価が盛り込まれました。若干戸惑いを覚えるわけですが、景気の下支えをしたという判断の根拠となる商工会議所の調査はどのような方法で行われ、どのような事業効果が確認できたのか、この際できるだけ具体的にお示しいただきたいと思います。

3点目の質問は珠洲焼の振興についてです。
1978年、現在の珠洲ビーチホテルが建つ場所に陶芸実習センターが建設されました。その後、順次施設整備が進められ、今年度はじめて珠洲焼資料館、珠洲焼館、珠洲市陶芸センターの3施設が揃って市の直接の管理・運営の下に置かれることになりました。一体的に管理・運営することにより、さらなる珠洲焼の振興と陶工の育成を図ってまいりたいと市長は3月議会で表明されたわけですが、まさに新たな発展を期すべき段階だと思います。そこでまず珠洲にとっての珠洲焼の存在、そして市政の中での珠洲焼振興の位置づけについて、市長の基本的な認識をお聞きしたいと思います。

 珠洲焼の展示、販売を担う珠洲焼館についてお聞きします。1989年以降、経営を担ってきたのが財団法人鉢ヶ崎リゾートです。近年の売り上げが下降傾向の中、ついに昨年、今後の施設の在り方について市との協議に入りました。無償譲渡か更地にしての返還、あるいは補助金による事業の継続など交渉上の選択肢がいくつかある中、市長はあえて262万円で購入する道を選びました。思い描く珠洲焼館の将来像があったのかと推察します。
一方、陶工と購入者をつなぐ販売ルートは、すずなりなど市内外のショップでの販売や工房への直接の注文、陶工によってはギャラリーや大都市の大手デパートでの個展の開催など多様化しています。こうした中で珠洲焼館が果たすべき役割をどのように考えておられるのでしょうか。そこが曖昧なままでは陶工からも珠洲焼ファンからも見放されることになるでしょう。
珠洲焼館の運営についてもお聞きします。珠洲焼館設置条例は指定管理を原則としています。現在の市直営の委託販売方式は、商品管理の基本の徹底という意味では意義はあったと思いますが、行政では直接商売はできず、様々な制約が伴います。一日も早い指定管理への移行が望まれますが、見通しについてお聞きします。

次に陶工の育成についてお聞きします。
近年、自ら窯を設けて独立する陶工が育っていないのではないでしょうか。基礎研修課程の研修生も減少しているようです。基礎研修課程のカリキュラムや指導方法について、市直営になった段階で様々な見直しもされたようですが、はたして珠洲焼の陶工として自立し活動していく基礎を身につけることができているのでしょうか。次のステップである自立支援工房の利用期間は今春の条例改正で2年間となりました。自立支援といいつつも早期の自立を求めているだけで支援の在り方が見えてきません。まだまだ再興して日も浅い珠洲焼ですが、関係者の間では現在の陶工が活動を終えたら珠洲焼は再び絶えてしまうのではないかと危惧する声すらあります。
私はこれからの珠洲焼を担う陶工を育成に向けてプログラム全体の見直しが必要だと考えますが、現状の問題点や今後の課題について、どのように認識しておられるのかお聞きします。
関連してもう一点、基礎研修課程の受講資格について今年度から「将来、市内において珠洲焼の陶工を志す者」と施行規則が変更されました。研修終了後、珠洲で活動してもらいたいのは当然ですが、研修生の受講動機は様々であり、申込み段階で受講者の活動の場を絞り込むような規定はいかがなものでしょうか。1993年に開催された珠洲焼フォーラムで、パネラーとして参加された大樋長左衛門さんは当時の珠洲市の珠洲焼の取り組みを聞き、「私ら珠洲のご当地に移籍して焼き物を造りたいですね」と発言されました。たとえ社交辞令であっても後に文化勲章を受章された大樋長左衛門さんをして珠洲に来たいと言わしめたわけです。2年間の基礎研修課程に通う中で珠洲を拠点に活動していきたいと思ってもらえるような施策を展開していくのが筋ではないでしょうか。

次に珠洲焼の産業としての振興についてお聞きします。
スポーツの世界でも芸術の世界でも発展するには頂点を極める取り組みと裾野を広げる取り組みを組み合わせていくことが重要です。珠洲焼も様々な作品展で入賞者を輩出していることは非常に頼もしくまた一市民としても誇らしく感じます。先日は金沢城兼六園大茶会で使われる新作茶道具の審査がおこなわれました。工芸王国石川の第一線で活躍する各分野の作家の作品の中から、今回新しく珠洲焼創炎会の会長に就かれた高畠和夫さんの作品が入賞し、加えて喜ばしかったのは審査にあたった大樋長左衛門さんから「今回、珠洲からは珠洲焼の出品が多くて意気込みを感じた」とのコメントがあったことです。
頂点を極めようとする陶工の意気込みを行政としてもしっかり支え、さらに地域の産業として発展するよう体制を強化し、また裾野の広がりにもつながるようにしていかなければなりません。
陶芸実習センターが建設されたのは黒瀬市長時代の1978年ですが、珠洲焼館や珠洲焼資料館、そして現在の陶芸センターの3施設の体制がつくられたのは林市長時代です。資料館の建設では議会から異論が噴出する中、珠洲焼をぜひ珠洲の産業として育てたいという意気込みを語り、説得されたとも聞きます。資料館建設に先立ち珠洲焼の陶工が窯を作るときの補助制度も設け、現在窯元として活躍されている方の多くはこの頃に独立しています。ハード面の整備だけでなく、珠洲焼のルーツと言われる韓国の新羅へも調査団を派遣し、さらに珠洲焼の歴史とその魅力を探る珠洲焼フォーラム・パートⅠ、珠洲焼の伝統と再興を議論するパートⅡと2度にわたってファーラムも開催されました。会場を埋め尽くした多くの市民が謎に包まれた珠洲焼の歴史を学び、焼き物としての魅力を感じ、さらに地域産業としての発展に期待を寄せる貴重な機会となりました。
ハード・ソフト両面にわたり珠洲焼発展の地平が切り拓かれた時代だったと思いますが、残念ながらその後の珠洲市の歩みは林市長の志や構想を超えるに至っていない、むしろ当時提起された課題さえ積み残しではないかと感じます。
珠洲焼を地域産業として確立していくため、施設整備や陶工の育成、生産体制への支援、販路の拡大、窯跡や出土品の調査研究などについて、少なくとも10年先を見据え、施策目標を明確にした珠洲焼振興計画、珠洲焼の里構想といってもいいかと思いますが、策定すべきだと思います。市長の所見をお聞きします。
あわせて、産業としての発展を考える基本はやはり売上額です。この間の珠洲焼の売上総額の推移について把握しておられるならぜひお聞かせいただきたいと思います。

あと一点、世界農業遺産の関係でお聞きしたいと思います。GIAHSのアクションプランでは「伝統的な祭祀・祭礼や伝統産業の保存と伝承」という項目に珠洲焼が位置付けられ、担い手の育成・確保や需要の開拓などの取り組み内容が記されています。ところが塩田村や見附島、千枚田などで世界農業遺産認定直後から横断幕やのぼり旗が掲げられたのとは対照的に珠洲焼が世界農業遺産との関連で語られることは少なく、認識も深まっていないのではないかと思います。
しかし珠洲の歴史や伝統文化といったときに、塩田こそ江戸時代の前田藩とのかかわりが柱となりますが、多くの風習や自然との共生をはかる知恵や精神文化のルーツは中世に遡るのではないでしょうか。中世若山荘の地である珠洲市の大半の区域と旧内浦町は、現在でも中世的形態を見ることのできる全国的にも稀な地域だと言われています。その若山荘が成立したのは1143年、ほぼ同じ時期に生産がはじめられ、その後の若山荘の繁栄を支えたのが珠洲焼です。さらに当時も、そして再興されたいまも大量の薪を消費し、豊かな里山の存在を抜きに珠洲焼の振興はありえません。珠洲焼の次なる発展のステージを考えたとき、世界農業遺産の中での位置づけが重要な鍵になるのではないでしょうか。「世界農業遺産としての珠洲焼を考える」といったテーマでぜひ珠洲焼フォーラム・パートⅢを開催していただきたいと思いますがいかがでしょうか。

4点目の質問は平和教育についてです。
原爆や戦争の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」の閲覧制限がこの夏、大きな問題となりました。松江市教育委員会事務局が作品中の暴力描写が過激であるとして、市内各学校に対して図書室の本棚からの撤去を要請し、自由に閲覧できないようにしたのです。「はだしのゲン」は広島で被爆した漫画家中沢啓治さんの自伝的作品で、学校での平和教育の教材としても広く使われています。金沢市在住の浅妻南海江さんが中心となり海外に広める運動も進められ、今では世界20か国語に翻訳され、核廃絶に向けた国際世論を高めるうえでも大きな役割を果たしています。麻生副総理が第一次安倍内閣での外務大臣時代に核廃絶を訴える国連スピーチの中で紹介したことでも知られています。
最終的に松江市内外の多くの市民からの抗議の声を受け、松江市教育委員会は教育委員に諮らずに閉架扱いを要請した事務局の手続きに問題ありということで閲覧制限は撤回されました。しかし、今回の閲覧制限問題は単なる手続きの瑕疵ではなく、戦争や原爆の実態をどのように子どもたちに伝えていくのかという平和教育の根幹にかかわる問題を提起したと私は思います。戦争の本質である残虐な行為を隠し、テレビゲームのような戦争で、はたして平和教育ができるのでしょうか。旧柳田村出身の写真家梅佳代さんは小学一年生の時の思い出として「学校で見たはだしのゲンの映画が怖すぎて夜寝れんくて半年くらいは空襲きたらどうしようって悩み続けたこと」と新聞に書いていましたが、そういう衝撃というのはとても大切なことではないかと思います。平和教育の重要性について教育長の認識をお聞きしたいと思います。
あわせて市内小中学校での平和教育の取り組みについてもお聞かせいただきたいと思います。授業中だけでなく修学旅行や夏休みの登校日など様々な機会があります。また珠洲には忘れてはならない西海村分村恵陽開拓団をはじめとした満州開拓団の悲惨な戦争史もありますがいかがでしょうか。

さて、「はだしのゲン」閲覧制限問題が提起したもう一つの問題は、誤った要請をおこなった教育委員会に対し、結果的にほとんどの校長が追従したという事実です。平和教育を歪める危機感と教育長要請の板挟みになり悩み苦しんだ校長もおられたようですが、結果として残念と言わざるをえません。戦後教育のスタート地点には、かつて、教え子を戦場に送り出したのは物言わぬ教師だったという痛恨の反省がありました。子どもたちの利益に叶うなら教育委員会を巻き込んだ取り組みを広め、疑問があるならしっかり物申す、そんな学校であってほしいと思います。
 そこで質問の5点目は学校における管理職の役割についてです。 
かつては校長の権限と職員会議の法的性格を巡り様々な議論があったかと思いますが、最近は校長の権限を明確にし、そのリーダーシップに大きな期待を寄せる流れにあるように思います。その是非はさておき、それぞれの学校をよりよくしようと連日奮闘しておられる校長先生に敬意を表しながら、以下質問をさせていただきます。
まず教職員のメンタルヘルスについてです。精神疾患によって休職する教職員の増加は全県的な傾向であり、本市も例外ではありません。こうした中、県教委は今年8月、「管理職のためのメンタルヘルス実践ガイド」を公表しました。非常に具体的でわかりやすく、適切な内容であり、働きやすい職場環境づくりに向けてこの実践ガイドの管理職への徹底を図るべきだと感じました。市教委としての対応をお聞きしたいと思います。
次にパワーハラスメントについてです。メンタルヘルスにも大きく関係する職場の問題であり、県教委は1昨年7月、パワハラ防止指針を策定し公表しています。パワハラのない学校づくりにむけて、市教委としてのこの間の取り組みについてお聞きをしておきたいと思います。

次は教職員の多忙化問題への対応です。何回となく取り上げてきましたが改善がみられません。
多忙化の要因はいくつもありますが、その中の一つに研修を目的とした出張の増加があります。今年はいじめ問題への対応で生徒指導関係の出張がさらに増え、市内の小規模校では1日に3人の先生が出張で不在となる日が1学期に3日もあったと聞きます。これでは教職員本人の多忙化にとどまらず、自習が増加し授業時間の確保が難しくなるなど子どもたちの学習環境や学校運営にも支障をきたすことになります。
教育公務員特例法によれば、教員は授業に支障のない限り、校長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができるとされています。
研修の意義を否定するものではありませんが、本当に出張でしか対応できないのでしょうか。金沢へ向かう道路はずいぶん改良されましたが、交通の利便性をはるかに上回るスピードでネット環境は進化しています。県教委が学校管理についての見解をまとめた「石川県学校管理必携」という冊子がありますが、これによれば出張とは「電信、電話、郵便等の通信手段によって公務の円滑な遂行を図ることができない場合」に勤務場所を離れて旅行するものとされています。グループ討議や実習もあるような研修ならばいざしらず、講演を聴くだけならば録画しDVDに焼いて送ってもらってもいいし、動画をネット上にアップしてもらえば生中継で見ることすらできます。県内各地から金沢に人を集めればいいというものではありません。私はコスト感覚、時間感覚が欠如した県教委の怠慢ではないかと思います。
また仮に3つの研修要請が重なった場合、自ずと学校の実情に照らして優先順位というものがあろうと思います。仮に生徒指導の研修の場合、該当する先生は過去何年間も生徒指導を担当したベテランで、研修内容も去年とほぼ同じということならば、現場優先で今年はパスさせてもらおうという判断があっても不思議ではありません。県教委が主催する研修を欠席するなんて考えられないというのが教育現場の常識のようですが、先ほどの学校管理必携によると、その出張が公務上必要であるかの判断は校長の自由裁量行為とされています。学校運営に支障がある場合、県教委主催の研修であろうと校長は出張を命じるべきでないと考えますが教育長の所見をお聞きしたいと思います。

あと一点、地方公務員法で認められ登録された職員団体の学校施設内での活動について不当な制約を課す管理職が見受けられます。校長は学校の施設設備を統括管理する責任者ではありますが、学校運営に何ら支障がないにもかかわらず使用を許可しないのは権限を逸脱しているといえるのではないでしょうか。教育長の見解をお聞きします。
 
質問の6点目は子どもたちのネット依存への対応についてです。
パソコンや携帯によるメールやチャット、家庭用ゲーム機によるオンラインゲームなどで、子どもたちから若者まで、ネット中毒が危惧されて久しいわけですが、ここ1年ほどで新たにスマホの無料通信通話アプリLINEの登録ユーザーが一気に拡大し、ネット依存はさらに深刻化しているやに聞きます。
従来の携帯メールよりグループ間のやりとりがしやすく、感情を表すイラスト画像も豊富で使っていて楽しく、しかも無料ということで一気にLINE漬けとなる子も少なくないようです。夜遅くまでのやり取りで体調不良、学校に来てもついつい居眠り、かといってLINEに入らないと仲間はずれ、入ったら今度は返信しなかったといじめが始まったりと、あれよあれよという間に生徒指導の難問に浮上したようです。LINEイコール悪と決めつけることはできませんが、他県では重大な事件、犯罪に使われた例もあります。一昨日は子どものスマホ利用に7割の人が不安を感じるとの内閣府調査が発表されましたが、教育長は市内の子どもたちのネット依存の実態や問題点をどのように把握しておられるでしょうか。
学力低下や生活の乱れ、さらにはいじめにもつながると、学校としても本人の問題、家庭の問題として見過ごすわけにはいきません。かといって使用するのは放課後で、しかも家庭内となると自ずと学校だけの対応には限界があります。保護者の全面的な協力はもちろんのこと、場合によってはカウンセラーや医療関係者との相談体制も含め、対策を考えていく必要があると思うわけですが、どのような対応方針を考えておられるかお聞きをしたいと思います。

質問の最後は勝東庵および「リフレッシュ村鉢ヶ崎」についてです。
午前中、濱田議員も取り上げましたが、私も基本的には同じ思いです。勝東庵につきましては、当面、光代夫人には新たな庵主として残っていただき、国内外の数多くの勝田深氷さんのファンの方々に残された作品を紹介し、あるいは足跡を語り継ぎ、引き続き珠洲の魅力を発信し続けていただきたいと期待していましたので残念の一言です。
今後の施設の在り方についてはあらためて議論するとして、今日お聞きしたいのは現在、県立美術館の美術展で展示されています「桜心」と銘打った鏡戸板絵の今後の保管方法についてです。この作品だけは珠洲市に所有権があります。勝東庵に戻すといっても主不在で、敷地も荒れてきました。今後の利用方法も未定。扱いを誤れば貴重な作品の価値を損ないかねません。県立美術館、あるいは鎌倉市の方でも深氷氏や父である伊藤深水氏の作品を収蔵した美術館が建設予定とも聞きますが、こうした施設に寄贈することも選択肢ではないかと思いますがいかがでしょうか。
関連して「リフレッシュ村鉢ヶ崎」の村長に就任していただいている女優・朝丘雪路さんのことについてもお聞きをしたいと思います。1992年8月、県、市、地元の関係者ら約800人が出席してリフレッシュ村鉢ヶ崎の開村式が盛大におこなわれ、当時の林市長から朝丘雪路さんに推戴証が渡され、村長を引き受けていただきました。いまほど関連して、と言いましたのは、朝丘さん村長就任の橋渡し役を務めたのが実の弟である勝田深氷さんだったという経緯があるからです。
当時の新聞記事には朝丘雪路さんのスピーチが真っ先に紹介されています。「この素敵な地を私の古里と思い、できる限りお役に立ちたい」と述べ、末永い協力を約束したと報じられています。
その後、貝蔵前市長の時代からだと思いますが朝丘さんとの関係が疎遠になり、現在に至っています。今般の県立美術館の作品展の初日には朝丘さんも来場されていますが、珠洲市としてなんら対応ができていないようです。市長はもちろんご存じだと思いますが、今でも鉢ヶ崎ケビンの管理棟には村長として朝丘雪路さんの写真が掲げられているわけです。珠洲市の役に立ちたいという朝丘さんの思いを生かすことができず、それどころか地域をあげておもてなしの心と言いながら、おもてなしの心のかけらも感じられないこの間の珠洲市の対応が私には気になって仕方がありません。
市長にはもちろん市長なりの言い分もあろうかと思いますが、一方で行政の継続性ということもあります。鉢ヶ崎周辺施設の見直しが図られるにあたり、この際長年の非礼をお詫びし、礼を尽くした対応をすべきだと私は思いますがいかがでしょうか。
誠意ある対応をお願いしまして質問を終わらせていただきます。
 


コメントを投稿