<視察報告No.3>
帰宅してから気が付いたが、今回の視察の写真にはほとんど人が写っていない。
上と下の写真は今回、人物が写った貴重な写真だ。
平日3日間なので人混みがあったわけでもないし、渋滞に巻き込まれたわけでもないが、各作品展示場所には適度に来場者がいる。さすがに一人ぼっちということはなかった。
今回は来場者数について書きたい。
私が芸術祭について、斜めに構えてみなければいけないと感じたきっかけは来場者数のカウント方法だ。
瀬戸内国際芸術祭で来場者数100万人!とか大地の芸術祭で50万人!という数字はJAROに訴えたいくらいで、これまでもブログでも書き、議会でも指摘してきた。
例えばこちら「瀬戸内国際芸術祭を訪れて・・・来場者数は??」
昨日のブログで紹介したように、地域に作品が点在する「地域アート」ともいうべき芸術祭の場合、パスポート(チケット)なしで鑑賞できる作品もある。
地元の人の中にはあえてパスポートを買わず、あえて無料作品だけ見てお仕舞いという人もいるのかもしれない。
だけど、芸術祭鑑賞を目的にやってくる人でそういう人はめったにいないだろう。
まずパスポートを購入して作品会場を回るはずである。
数か所だけしか観れないという人には個別鑑賞券がある。
パスポートや個別鑑賞券などチケット購入を基本に来場者数をカウントし、発表するのが当然だと私は思う。
ちなみに瀬戸内(2016)の場合、高校生対象の無料引換券を含めても85,838枚の販売実績である。
100万人はゼロが一つ多い。
大地の芸術祭(2015)ではパスポート63,404枚、個別鑑賞券58,734枚である。
瀬戸内ほどではないが、こちらも実態とかけ離れている。
さて、北アルプス国際芸術祭のカウント方法だが、市民向けに発表している数字は受付を配置している20か所の合計数字である。
したがって
「12万人来場!」
「18万人を突破!」(7月19日時点)などの数字は実際の来場者数とはかけ離れている。
パスポートの販売数を見ると7月19日に時点で2万枚に到達。
この時点で個別の鑑賞券も1万3千枚に達しているので実際の来場者数は2万5千人前後といったところか。
終盤に向け、しり上がりに来場者は増えているので最終的にはパスポート販売だけで2万5千を超え3万に近づくのではないか。
パスポート販売の目標として市長は2万枚を掲げていたので、さぞやホッとされたことだろう。
当然ながら来場者数の捉え方によって経済波及効果の数字も大きく異なってくる。
芸術祭関連グッズの販売見通しなども違ってくる。
大町市の場合、対外的には大きな数字を公表しているが、私が訪れたときでもすでに売り切れの芸術祭関連グッズもあったくらいなので、おそらく実数の予測を踏まえて準備をしたのだろう。
ところで上の2枚の写真は意地悪でアップしたわけではない。
作品が展示されている商店街の周辺でも普通に撮れる一コマである。
芸術祭開催期間中でもこういう景色なので、まして普段は・・・といったところだろう。
飯田町の商店街と似たような景色だ。
ところが私が訪れた直前の日曜日、この商店街の景色が一変したのだという。
実行委員会の発表(つまり20か所の集計だが)で、7月16日は1万7千人が来場したとのこと。
実数として2~3千人であっても大きな数字だ。
この商店街には人が溢れ、飲食店の前には行列ができ、普段は日曜休業の店も急きょ開店し、それでも昼食難民まで出たそうだ。
お猿さんが遊び回る鷹狩山山頂付近でも渋滞が発生し、駐車場は満車で路上駐車もあちこちであったそうだ。
こういう光景は18万人来場!という数字同様、あるいはそれ以上にインパクトがある。
芸術祭に無関心だった市民も含め、芸術祭はすごい!との声が広がったという。
2億円を上回る事業費、うち大町市の一般財源からの支出約6千万円(さらにふるさと納税から4千万円)の一大イベントである(珠洲の場合はその倍以上)。
終了後、冷静な総括ができるかどうか。
大事なところである。
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