北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

田中均 中韓に日本はどう向き合うか

2012-08-21 | 平和
 日本周辺の領土に係る問題が連日マスコミをにぎわしている。

 こんな中、今朝(8月21日)の朝日新聞のオピニオン欄は田中均元外務審議官のインタビュー記事を掲載している。

 政治家も官僚もマスコミもナショナリズム(愛国主義)やポピュリズム(大衆迎合主義)に陥りがちな中、
 「官僚は合理的な政策を提言し、政治家は判断と説明責任を果たし、ジャーナリズムは極端な議論にもっていかない。それぞれがプロに徹すべきだといいたいですね。」

 長期的なアジア外交について、
 「東アジアで『大きな絵』を描くことです。そして参加国みんなが得をする『ウィンウィン』の関係を作っていくこと。」
 「能動的に打って出ることです。東アジア地域に健全な秩序と共通の利益を生むには何をしたらいいか。それを考え実行するのが今後の日本外交のあり方です。」

 そして最後に、
 「外交は時間も手間もかかる。冷静沈着なプロフェッショナルな議論が必要です。特に領土問題や北朝鮮の問題は、一方的な感情論や印象論で国民を誘導するなんてことをやってはいけません。」
 「方針をパーンと変えれば、すべてがうまくいく、などということはありません。」


 私は基本的には、天木直人氏(元在レバノン国特命全権大使)が指摘し続けているように、外務省の劣化、日本外交の劣化は否定しようがないと思うし、そういう意味で「プロフェッショナルな議論」という枠組みを持ちだし、国民を排除するような考え方には警戒が必要だと思ってきた。その考えを撤回するつもりはないし、市民外交、自治体外交が力をつけていくべきだと今でも思ってはいるが、昨今の某自治体の動きや一部の自治体議員の動き、ネット上での盛り上がりなどをみたとき、田中氏の今回の発言の大部分については、大きな説得力をもっていると認めざるをえない。

 特に鳩山政権の東アジア共同体構想で大きくこけた民主党の「政治主導」外交からは、到底「大きな絵」を期待することはできない。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 猛暑の中、原告団、街宣行動 | トップ | 残暑の中 水色イトトンボ »

コメントを投稿

平和」カテゴリの最新記事