3月29日、土曜日は雨が降りつづいたが、これは序の口だったことを後々に知る。窪川小学校で翌日の「四万十川桜マラソン」のエントリーを済ませたF氏を須崎市のホテルに送った我等三人は、高知市を挟んで反対の位置に在る安田町の拙宅に向かった。
U老は「温泉、温泉と」願望が消えない、高知市から東に在る温泉を思い浮かべれば、ビジネスホテルの「黒潮ホテル」の温泉か、我が安田町の上流にある馬路温泉が最適だが・・・・。黒潮ホテルでは風情がない、馬路温泉は浴場が小さいので土曜日の今日は混雑しているかも・・・。
そんな話をしている内に、老もとうとう温泉を諦めた。そこで、我が家に電話を入れて風呂を沸かしておくように頼んだ。温泉には負けるが、内の風呂は広いので我慢をしてもらおう・・・。
安田川沿いに5㎞ほどの上流が我が故郷、途中には家も少なく山に挟まれて川が流れる。田舎に来たなと、誰しもが実感する処だ。空気は綺麗、津波の心配もない、それが取り柄だ。
家には、従姉と妹が手伝いに来てくれていた。今夜の酒肴は「皿鉢」と「軍鶏鍋」それに採れたての「筍煮」に「刺身」が少々である。こんな物しかないが、ビールだけは前週に帰省してタップリと準備をしておいた。皿鉢料理は、柚子が軽めで上品だと評判の中村仕出し店からだが、U老もT氏も柚子嫌いときた、困ったもんさ・・・。
二人とも軍鶏鍋と筍には大いに舌づつみを打った。途中でT氏が、鮎は喰えると言うので冷凍してあった鮎を焼いて貰った。老は、鮎の開きは喰えるが、丸焼きは好まない。中々難しい人たちだぜ・・。
蒲団に入る前に、くれぐれも伝えたのは『朝の5時にサイレンが鳴るよ、6時には音楽が流れるから』であったが・・・。深夜から雨風が強くなった、台風並みの風が吹く、雨音が強くなる。散々の天候となった。この風雨は、夜明けまでつづいた。サイレンも音楽も聴こえないぐらいの悪天候であった。
日曜日の翌日は室戸岬を見たいと、Tが強く望んでいた。これじゃ駄目かと思っていたが、出発時間の9時ごろになって雨足が弱くなった。山裾から海へと開ける空を見やると、明るい。私が作った朝食の後、室戸岬へと向かった。
F氏は、この日の朝九時がマラソンのスタート時間であった。西の方は明るいが、前途42.195kmの無事を祈る。
室戸岬に着いた頃には陽が射し始めた。岬の空海さんが籠ったと伝えられる彌勒祠、最近建った大師像、岬の風景と、Tは熱心に撮影している。それから、スカイウェイで岬の上にある燈台へと周った。
不思議なことに、燈台のすぐ手前にある札所「最御崎寺」に、Tは何の関心も示さず燈台の写真を熱心に撮り続けたのである。一方のU老と云えば「前回に見てるからいいや」と、車から降りようともしなかった。不信心な方々である。
岬の山頂から、麓に広がる室戸の町。太平洋のパノラマを堪能し、次は愈々私が一押しにする「日曜市」に向かった。
日本一の光達距離を誇る 向こうの岬は「羽根岬」
高知市内・大手筋に毎週日曜日に繰り広がる「日曜市」は見ものである。全国多々な市を見てきたが、ここの日曜市が規模・出展物とナンバー1である。これを見せたかったのだ・・・・。