老人ホームでの事件

ゴールデンウィークをどう過ごしたか、
考えてみれば、ほとんど洗濯をしていたように思えます。
こんな時期ですから、衣替えもあるし、
仕方がないと言えば仕方がないのです。
やろうと思っていたのにできなかったこともあります。
代わりに、そんなつもりではなかったことも起こりました。

母がお世話になっている老人ホームから呼び出しがありました。
施設におけるある事件についての説明会が行われるということでした。

『虐待』

施設職員による、利用者へのそれが報告されたというのです。
穏やかではありません。
しかも、数年間にわたる行為で自主的な報告はされていませんでした。
しかし、その言葉で表現される範囲があまりにも広いのです。
私たちが通常イメージする行為はそのほんの一部です。

例を挙げれば、
数件あった事例の中で最も多かったのが「身体拘束」
これもまた物々しい四字熟語ですが、
その多くは、ベッドに４点柵を取り付けることでした。
決して、体を縄で縛り上げるような荒業ではありません。
３点までならOKだけど、逃げ場をなくす４点はNGだそうです。
ただ、耳を疑うような報告もありました。
食卓で居眠りをしている利用者を起こそうとして、
耳を洗濯ばさみで挟んだというもの。
中学生の修学旅行のいたずらじゃないんだから…
介護従事者レベルが低すぎます。

施設側の説明や質疑応答で浮き彫りになったのは「人手不足」
そう言えば、この業界、求人多いですよね。
景気が良くなると介護職に人が集まらないそうです。
少ない人数で利用者の要求に対応するのは骨の折れることです。
わかるけど、それはそれ。

行政処分も受けて、運営が難しいとは思いますが、
改善に向けての取り組みを進めているところだそうです。
今回、説明会に集まったのは利用者家族のほんの一部です。
こういった時にきちんと参加する家族は、
お世話になっている・感の強い人たちです。
自分達ができないことを代わってくれていると、
常々感謝の気持ちを持っています。
だから、無茶な詰め寄りなどしません。
来ない人が好き勝手言っているのだと思っています。
しかし、そんなお行儀の良い家族ばかりではありませんから、
つまらないことで自らの首を絞めることにならないように、
介護の質を上げて欲しいものです。