ボロ太は、昔から兄弟らのなかでひときわ小さな貝だった。
そのせいか、兄弟の背中に乗っていることが多かった。
力も弱く、身体の色素も薄いボロ太。
やがて、大きくなると、もっと大きな兄弟らから何かと構われるようになり、殻をかじられ、いつの間にかボロボロになってしまった。
たびたび殻には穴が開き、相当弱ってしまって、他所に移したりもしたが、今なお生きている。
そんなボロ太もこの春、3才になる。
人で言うと、中年あたりか。。
この頃は、こうやって一番大きな貝にくっついていることが多いようだ。
ほかの貝は恋の季節に入り、
小さなボロ太などには見向きもしない。
まったく相手にされなくなったかわりに、こうして大きな貝にくっついて居眠りしているのだ。
ただ生きている。それだけが、ボロ太なのだ。
ボロ太はこれからもこうして生きていくのだろう、、、と思う。
ボロ太のその後