今、出発の刻(たびだちのとき)

車中泊によるきままな旅
<名所旧跡を訪ねる>

聖寿山 崇福寺 その2(長崎県長崎市鍛冶屋町)

2023年08月14日 | 神社・仏閣
訪問日 令和5年5月25日

聖寿山 崇福寺 その2

大雄宝殿(国宝)
護法堂の前に位置するのが崇福寺の本堂「大雄宝殿」
正保3年(1646年)1月に唐商 何高材(がこうざい)の寄進によって創建された
長崎市に現存する最古の建物



もともとは1階建てだったが、35〜6年後に日本人の棟梁によって2階が付け加えられた
1階は中国様式、2階が和風様式になっている



扁額には「大雄寶殿」



本尊:釈迦如来坐像(長崎県指定文化財)
大雄とは釈尊の別称の一つ(世尊とも)
本尊である「釈迦如来坐像」が安置されているので大雄宝殿という



昭和10年頃の仏像修理の際、本尊の「釈迦如来坐像」の胎内から、銀製の五臓、布製の六腑等が発見された



金属の五臓があるのはこの釈迦如来が唯一のもの



十八羅漢(長崎県指定文化財)









媽祖門(重要文化財)
媽祖門(まそもん)は媽祖堂の門であり、さらに大雄宝殿と方丈を結ぶ渡り廊下の役割も兼ねている

天井の造りも特徴がある
媽祖堂側(左)は和式の舟底天井



鐘鼓楼側(右)は中国式の黄檗天井となっている
この門の中心を支点として媽祖堂側が山、鐘鼓楼側は埋立地だということが、平成元年(1989年)の保存修理工事の際判明した



この媽祖門の奥が「媽祖堂」
媽祖門を伴う媽祖堂があるのは全国で唯一崇福寺だけ



門や室内に掲げた額が扁額であり、あわせて聯額(れんがく)といい、黄檗寺院には特に多い



崇福寺の聯額では、隠元禅師、即非禅師、千獃禅師が書いたものが長崎県指定文化財となっている



媽祖堂(長崎県指定文化財)
「媽姐堂」に祀られている“媽祖(まそ)”とは、主に華南地方で尊崇されている海の守護神のこと
各唐船ごとにまつられていた媽祖像は、長崎に入港すると媽祖堂に奉安していた









「媽祖」は女神で、10世紀に福建省に実在した天候予測能力を持った女性を神性化したもの



「媽祖」像を挟み、左が「千里眼(赤鬼)像」、右が「順風耳(青鬼)像」
この2神は、元々は金精(千里眼)、水精(順風耳)と呼ばれる妖怪だったが、媽祖によって祓い清められて改心し、以降媽祖の随神となった
順風耳(青鬼)像
千里先の物音や災いを聞き分ける力を持ち、悪巧みを瞬時に聞きつけて媽祖に報告する役目を担う



千里眼(赤鬼)像
千里先のものを見分ける力を持ち、災害から媽祖を護る



開山堂
奥にある建物が媽祖堂









柱の礎盤も中国製
現地では気付かなかったが、鹿、唐獅子、麒麟等の霊獣や梅花、蓮などが浮彫されている



魚板
「かいばん」とも呼ばれ、木魚の原型とされている
食事の時を告げるために叩いたもの






崇福寺は退職時に同僚と訪れた寺院であり今回は再訪となる
あれから10数年経ったがその時の記憶ははっきりと残っている



特にこの帰り側に目線の同じ高さから観る三門(重要文化財)の姿は格別だ



撮影 令和5年5月25日
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