子どもをめぐる痛ましい事故や事件がニュースになるときがあります。
こないだも,小学1年生の女の子のマンション転落事故。
世間を騒がせたのは高校生男子の刺殺事件。
今日の新聞には列車にはねられ死亡した小学2年生男の子の事故。
学校の先生という仕事をしているから,いやそうでなかったとしても,とても痛ましく思います。
そういった事故事件にあってしまった子について,いろいろと思いをめぐらせます。
どんな子だったのだろうか。友だちはいたのかな…
どうしてそんな行動に出てしまったのかな…
ご家族は…
そして,こういったニュースを耳にしたときは,瞬時に自分のクラスの子たちを想像します。
何でもない日常なのですが,元気に過ごしていることを願います。
明日,クラスでみんながいつもどおり明るく顔を合わせられることを願います。
そして,そうして過ごせている当たり前に,幸せを感じます。
こんな事件事故を防ぐために,学校では安全指導を進めています。
教育委員会からの通達があった場合,職員朝会で校長先生の指導があった場合,担任の先生が思うことがあった場合。
いろんな場面で安全指導を子どもたちに進めます。
「…というニュースがありました。いいかい。道路には絶対に飛び出さない。約束ですよ。」
「先生,何回も聞いて,耳にタコができるよ!」
と言われても,
安全指導は,同じことでも繰り返し繰り返し伝える!
と努めなければなりません。
「不審者だと感じたら,『いかのおすし』絶対に忘れないで!」
「教室のベランダには絶対に出ません!窓から顔を出しません!」
「自転車に乗るときはヘルメット!スピード違反は逮捕しますよ!」
先生が子どもたちにする安全指導は,子どもたちにとっては当たり前のような,先生の口癖のようなものになってしまっていて,その都度真剣に受け止めようとできないかもしれません。
でも,大事なことなんです。
必要なことなんです。
だから,絶対に省略することは許されません。
どんな聞き飽きたことになってしまっていても,先生はやっぱり繰り返し言いましょう。
同じことを,子どもたちに聴かせましょう。
すると,先生の口癖は,自然と子どもたちの深い意識の中に定着するようになります。
それは,いざという場面で,子どもの頭によぎって,身を守ってくれるものになるかもしれません。
怪しい人に声をかけられたとき,(待てよ,先生は,「迷ったら走って逃げなさい」っていつも言ってた…)と,とっさの行動を正しい方に導いてくれるかもしれません。
人間というのは,繰り返し目にする,耳にすることには親しみを覚えます。
そのための,毎回の安全指導です。
小さいころに,お母さんに「食事中はテレビを見ない!」と教えられてきた子が,大人になっても絶対に食事中にテレビを見ないのと同じように。
言われたときはうんざりすることでもあっても,それがその子のためになることもあるのです。