ノートの中身は子どもによって様々です。
字がきれいな子。
字がザツな子。
まとめるのが上手な子。
まとめるのがヘタな子。
いっぱい書ける子。
あんまり書けない子。
ノートは学習を進める上で大事な道具ですので,それに関する指導をできるかぎり進めます。
「ノートは,どういうふうに使うんだよ」
「ノートに書く字は,どういうふうに書くんだよ」
これらの指導は,一回しただけで定着するものではありません。
年間をかけて,繰り返し繰り返し指導していくものです。
ときに,子どものノートを開いて,一番に目につくのは,やはり
「字の丁寧さ」
かもしれませんね。
その印象はとても大きいです。
字の丁寧さが,その子の人格までも想像させてしまうほどではないでしょうか(笑)
保護者にとっても,たまに開いてみた我が子のノートの字が,きれいであればホッとするし,ザツであればそれだけで「もううちの子は…!」なんて,頭に血が昇る思いでしょう。
だから,とにかく「ノートの字は丁寧に書く!」と一貫して指導してくなります。
確かにそれに必要だし,それに越したことはないのですが,
ノートに書く字は,丁寧に書く場面と,早く書く場面とを使い分けさせる!
ことも必要かと思います。
「えっ」と,感じるかもしれませんが,「早く書かせる」場面だってあっていいのではないでしょうか。
例えば,私たち大人が字を書く場面を思い出してみると…
やっぱり丁寧に書く場面と,丁寧さを気にせず早く書く場面があることに気付かされます。
上司に提出する出張報告書であれば,丁寧に書くでしょう。
テレビで紹介されたおいしそうなオムライスの作り方をメモするのであれば,早く書くでしょう。
自然と,「書く目的」に応じて,書き方を変えているのですね。
このことは,子どもたちの学習にだって当てはまると思います。
以前に,「ノートの役目は3つある」の記事で紹介した内容に沿って当てはめてみると…
丁寧に書く場面
→整理する場面・練習する場面(字や文の練習など)
先生の板書や説明に沿って今日の学習をノートに整理して,あとから読み返したりするものは,丁寧に書くべきですね。
字の練習をするときも当然です。
早く書く場面
→考える場面・練習する場面(計算問題など)
問題解決のために色々と自分の頭で考えるときに,ノートに書きながら考えることがありますね。そんなときは走り書きでもいいでしょう。どんどん展開される発想をダイレクトにノートに表わします。
算数の計算問題などは,量をこなす方が大事なときもあります。丁寧に3問するより,早く10問した方がいいでしょう。(もちろん必要最低限の丁寧さは残します)
このように,ノートの書き方は使い分けるということを,学年段階に応じて少しずつ指導してもいいでしょう。
「これは丁寧に書きます」
「ここは早く書きます」
始めのうちは一つ一つ先生が指示して,できるようになってきたら子どもたちが自発的に判断するようになります。
一方的に「ノートは丁寧に!」という見方だけでなく,ザツに見える字も,実はほめる点があるのかもしれないという見方をしてあげましょう。
ノートをとる子どもたちにしてみても,「常に丁寧に!」というより,この方がメリハリもついて,子どもによってはノートへの抵抗も少なくなるかもしれません。