何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

犬星との約束 

2016-11-15 20:01:25 | ひとりごと
グーグルさんは、去年の記事をメールで届けてくれる。
「ブログの恥は書き捨て」(笑)とばかりに、日頃はそれをチェックしないのだが、何故か今日は’’ふっ’’と気になり読んでみた。
自由 平等 博愛
「金があるときゃ暇がない 暇があるときゃ金がない」とはよく云ったものだが、私の場合は年から年中「金もなければ暇もない」そんな私なので、フランスにも行ったことがない。7月14日......
世界中を震撼させたパリの暴虐から一年、アッという間の一年だった。
イギリスのEU離脱やアメリカ大統領選という大きなニュースが多かったために慌ただしく感じたのか、それとも世間でよく云うように「年をとると一年が過ぎるのを早く感じる」という、アレなのか。

佐治晴夫氏は「14歳のための時間論」のなかで「年齢と時間の感じ方」について書いておられた。
物理に全く縁がなかった私なりの理解によると、例えば一年がもつ(絶対的な)時間の長さは普遍でも、3歳の子の一年は人生の三分の一であり、45歳の人の一年は四十五分の一なので、一年がもつ相対的な意味合い(早さの感じ方)は異なってくる、という事だったと記憶している。
「14歳のために時間論」を読んだ当時も今も、分かったような分からぬような曖昧な感じだが、確かなことは、年々一年がたつのが早いということだ。

ことに、この一年は時間がたつのが早かった。

一年前のちょうど今日の日、「星の王子様」(サン=テグジュペリ作、内藤濯・訳)を引用した。
『心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。肝心なことは、目に見えないんだよ』
『ぼくは、あの星のなかの 一つに住むんだ。
 その一つの 星のなかで 笑うんだ。
 だから、きみが夜、空をながめたら、
 星がみんな笑ってるように 見えるだろう。
 すると、きみだけが、笑い上戸の星を見るわけさ。』

9月半ばから、私の腕枕で眠るようになった ワンコ
ワンコの丑三つチッチに付き合ったおかげで、それまで見たことにないような神々しい月や煌めく星を見ることができ、夜毎ワンコとお星さまについて語り合っていたのだが、「星の王子様」を記した「自由 平等 博愛」には、犬星にかけたワンコと私の約束は書かれていない。
それはお互い決して言葉にはしなかったけれど、共通の想いだったと信じている。
「そう遠くない何時か別れの時が訪れ、ワンコに触れることができなくなっても、
 見えなくてもワンコはいるんだよ、大切なワンコをずっと心で見続けるよ。
 犬星を約束の星として、いつもワンコを心で感じるよ」

あの約束がなかったならば、この一年は、もっと辛いものだったと思う。
私の腕の中で、眠るように笑うように眠っていくワンコに、犬星の約束を語りかけていたおかげで、今オリオン座のとなりで燦然と輝く犬星に、ワンコの愛と優しさを感じることができるのは、私にとって大きな救いとなっている。

ワンコ、今日は、ワンコの名前の由来となったお山の登山口の閉山式の日だったよ。
11月15日の閉山式の後、お山は眠りにつくけれど、春には必ず変わらぬ姿で人々を迎えてくれるんだよ ワンコ
見えない時も、閉じられた時も、触れられない時も、大切なものは存在し続けるんだよ ワンコ
犬星で笑っているワンコ 時々は遊びに来ておくれ
そして、一緒にお山の話などをしようよ ワンコ