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人道支援

2019年03月13日 | 読書・歴史
愛知医科大学の休憩コーナーには図書室がある。

そこで、この本と出合った。

一口に人道支援といっても、さまざまな場面がある。

被災地、難民キャンプ、戦争地域・・など。

しかし理念と原則は、世界共通の認識があるようだ。

この本では人道支援とは何か?さらに我々はどうかかわるべきか?
ということを具体的に書いている。

人道支援とは”人”に対するもので、
特定の国や人種、宗教だけを救うものではない。

人は、傷つき苦しんでいる人があれば誰であれ助けようとする。
博愛の精神「アガぺ」を潜在的に持っている。

「西部戦線異状なし」(1929年)という小説より。

主人公のドイツ兵士は、塹壕(ざんごう)にいる自分を襲ってきたフランス兵を倒したが、
次の瞬間、生き絶え絶えになったこの敵兵を引き寄せ水筒から水を与える場面がある。

「アガぺ」の例としてよく引用される話だそうだ。

戦争という、生きるか死ぬか究極の場面で、
どういう行動をとるかは想像もできないが、
国や人種、敵味方を超えて”人”となった瞬間である。

「善きサマリア人」の説話(新約聖書より)

あるユダヤ人の旅人が、強盗に襲われて身ぐるみはがれ半死半生で道端に倒れていた。
最初にそこを通りかかった二人は、それぞれ素知らぬふりで道の反対側を通り過ぎて行った。

三人目にサマリア人が来た。当時、サマリア人とユダヤ人は憎しみ合う敵同士であったが、
このサマリア人は、旅人の傷口をオリーブ油とぶどう酒で手当てし包帯を巻いたあと、
自分のロバに乗せ近くの宿屋まで連れて行って介抱した。

翌朝、このサマリア人は宿屋の主人にお金を渡し「この人の面倒を見てやってくれ。
余計にお金がかかったら、帰りに私が払うから」と言って立ち去った。


現実の社会で、どこまでこのような精神を保ち、行動できるかわからない。

しかし、人は一人では生き行けないという原点に立ち戻れば、
困ったときはお互い様という精神は大切だ。

人道支援は特別なものではない。

人が社会で生きていくうえで、忘れてはいけない精神だ。

決して簡単ではないが、学ぶべき精神だと思った。

人道支援 ―ボランティアの心得 (集英社新書)
クリエーター情報なし
集英社
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