黒鉄重工

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北米project 4 ~Is the order a warbird? その66【2016/03/04~10】

2018-11-08 22:38:42 | 海外旅行記
マクドネル・ダグラスF-4EファントムII(1日ぶり4機目・278機目)
なんかもう毎日見ている気がするF-4クン。
アメリカ空軍の曲技飛行隊サンダーバーズの塗装がされています。この手の塗装はだいたい縁もゆかりもない機体に塗られていることが多いのですが、この機体は実際にサンダーバーズで使われていたものでした。
ていうかこの時のワイ、なんで横からの写真撮ってなかったんだろう。たぶんF-4に飽きてたんだろうけど。


ロッキードT-33Aシューティングスター(1日ぶり5機目・279機目)
またお前か。いい加減にしろよ。
御存知ジェット練習機ですが、これは映画の小道具として使用された時の塗装で展示されています。1957年公開「ジェット・パイロット」という映画で使用されたそうな。ただしT-33ではなくYak-12というソ連の戦闘機として描かれました。映画自体はビミョーなものだったそうで・・・。
当時のソ連のジェット戦闘機がホイホイと入手できるはずもなく自国の機体で代用した格好で、後の「トップガン」におけるF-5演じるMiG-28みたいなもんでしょう。

しかしMiG-28がミグの命名規則上存在しない数字を当てたことで架空の機体になったのに対してYak-12は実在する機体と被っています。
架空のYak-12は写真のようなジェット戦闘機ですが実在のYak-12は単発レシプロエンジンの多用途機であり、その性格は正反対なのが面白いところ。実在の方は公開の10年前の1947年に初飛行しているんですが、鉄のカーテンで知り得なかったんですかね。

あとは、当時既にソ連製ジェット戦闘機の主流はミグだったんですが、映画ではヤクを使ったんですね。
WWII時の主流だったヤク戦闘機の名前を使ったのも時代なのかなぁと感じる次第。


ベルUH-1Mイロコイ(1日ぶり4機目・280機目)
あなたもよく見ますねぇ・・・。
御存知ベトナムで馬車馬のように働いた汎用ヘリコプターです。その汎用ぶりは連絡、偵察、輸送に留まらず、武装して対地攻撃や近接航空支援といった攻撃にも使えるものでした。こういうヘリコプター(除く攻撃ヘリ)や輸送機を改造して武装した機体をガンシップと呼ぶのです。
M型はそのガンシップ型で、C型の改良型になります。


武装の一例としてロケット弾とガトリング砲です。あとは機内にM60機関銃くらいはあるでしょう。
UH-1のガンシップは現地改修的に生まれたものですが、攻撃性を更に尖らせたものが生まれた時から攻撃に特化した攻撃ヘリのAH-1に繋がるのです。


ヒューズOH-6Aカイユース(1日ぶり2機目・281機目)
アメリカ陸軍の観測ヘリです。小型ゆえに低速で高度も低くしか飛べなかったため、対空能力のある敵陣地ではカモにしかならなかった模様・・・。


フラッグラー スカイスクーター(1967年・282機目)
変な形状をした軽飛行機です。これもお家で造ることのできるホームビルド機です。簡単に作れることを念頭に置いているので、機体の材質は合板と羽布で出来ています。エンジンはフォルクスワーゲンの1600ccエンジン、つまり自動車用エンジンの改造です。


ビーチクラフト モデルN35ボナンザ(1945年・283機目)
ビーチクラフトといえばこれ(個人差があります)という感じの軽飛行機です。ボナンザというのはアメリカの地名のようです。元はインディアンの言葉だったのかしらね?
初飛行は1945年12月と終戦直後であり、いくら当時の飛行機といえども終戦してから開発を始めていては間に合わんと思います。なので「この戦争勝ったな、飛行機設計してくる」と思って戦時中から開発してたんでしょう。さすが余裕っすね。なおその頃日本は。
なんと言っても水平尾翼と垂直尾翼を統合したV字尾翼が特徴の機体です。狙いはよく分からないのですが、(軽量化とか斬新さとか辺り?)こんな設計やるなんてずいぶん余裕だったんだなと。なおその頃日本は。

N35はサブタイプ付きで、系列名はモデル35です。ビーチクラフトはほぼ毎年のように改良を加えてその度に「ビーチがお好き? 結構。ではますます好きになりますよ。さあさどうぞ。ビーチのニューモデルです」と言って発表していたのでサブタイプがやたら多いです。
A型から始まってV型まで開発しています。いくつかの文字は飛ばされているんですけどもね(IとかOとか数字と混同しそうな文字が多い)
N型は1961年式で、エンジンの換装、後部窓の大型化などの改良がされました。

なおボナンザは21世紀に入ってからも生産されていますが(現在もG36型が生産されているらしい)、これはV字尾翼をやめて通常の垂直尾翼に設計変更したモデル33およびモデル36なので、モデル35とはやや別物です。モデル35は1982年に生産終了しています。


ロッキードL-10エレクトラ(1934年・284機目)
エレクトラってP-3哨戒機の母体となった4発機は2代目で、この戦前製の双発機の初代がいたのね。
同時期に開発されたボーイング247型およびそれに対抗して開発されたダグラスDC-2に対抗するために開発されたのがエレクトラです。エレクトラというのは星の名前ですね。

ロッキードの設計士クラレンス"ケリー"ジョンソンが最初に設計に関わったのがこのエレクトラと言われとります。
上記3機の中では後発だったので当初は有利な販売を展開できたようですが、当時最強の旅客機ダグラスDC-3が登場するとそれに市場を席巻されてしまい、軍用型のC-36輸送機を入れて150機程度の製造に終わりました。

この機体は製造後ノースウェスト航空に納入され、展示中の形態もこの時代のものです。WWII中はアメリカ陸軍に徴用されてC-36として兵役しました。終戦後は放出されましたがノースウェスト航空には戻らずに個人の手に渡ったようです。この時点でエレクトラは時代遅れになっていたのでノースウェスト航空としても別に要らなかったというところでしょうか?

どうでもいいですが風防がシールで保護されていて、少し前まで屋外に展示されてたんじゃないかなぁと思います。


ペンテコストE-IIIホッピコプター(1945年・285機目)
「♪空を自由に飛びたいな」
 「はい、ホッピコプター!」

・・・。
・・・・・・。
某タケコプターの元ネタになっているのか定かではありませんが、発想としては同じ個人用ヘリコプターです。ということはタケコプターも軍事兵器だった可能性が・・・?

酔狂ではなくちゃんと軍用で使うよう開発されたものです。真面目なんだぞ!
パラシュートに代わるものとして売り込もうとしたのが発端だそうな。パラシュートと言っても色々あるんですがそこら辺の記述はなし。でも戦闘機の脱出用パラシュートにはとても使えないんで、空挺部隊の降下用パラシュートを想定して作ったのかしら?
いやでもこんなんどうやって操縦すんの?なんか右手で棒を持ってるけどあれで動かすのかな?
まあ実際、飛ぶのはともかく飛行を制御するのは無理ゲーだったみたいで、それじゃだめじゃん。

一番の問題は降着装置が無くて自分の足を使うしか無いことだったそうな。要は離着陸時、特に着陸時だと思いますけど、躓いたりよろけたりするとヘリコプターのブレードが地面と接触してしまい、それはもう大変なことに・・・。
兵士は直立不動で離着陸せねばならないです。自衛隊のパラシュート降下の様子を見ていると案外きれいな姿勢で着陸してますが、まあパラシュートとタケコプターじゃ挙動が違うだろうし実戦ではどうなるか分からんしな。
これが危険とされてこの人間ヘリコプターは即却下されてしまいました。ちょっと登場する時代が早すぎたんですね。


これってトルクの反作用とかどうしてんの?と思って寄ってみたらブレードが二重反転式でした。よく見るとブレードの根本が上下2本になっています。それぞれを反対の向きに回転させることで反作用を打ち消すのです。
で、銀色の物体がエンジンです。どのくらいの時間飛べるのか知りませんが、パラシュート代わりだったことを考えるとそんなに飛べないでしょう。


マカロック スーパーJ-2(1962年・286機目)
またふざけた飛行機が出てきたけども、いくらなんでもこれでは揚力を稼げないのでは・・・ん?上になんか付いてませんかねぇ。ヘリコプターのブレードですねぇ。なるほどオートジャイロですねこれ。
ヘリコプターとは似て非なるもので、上の回転翼はエンジンとは繋がっていないのであれは自力で回転しません。推進力は胴体後部双胴のテールブームの間にあるエンジンのプロペラで得ています。あれで滑走路を進むと回転翼が回り始めて次第に揚力を得ますので、そうすると飛び上がるのです。
通常の飛行機よりも離陸距離が少なく済むのと飛行安定性が高いのが特徴です。

商業的には成功しませんでしたが、現在アメリカで飛行できる数少ないオートジャイロなのだそうな。


Scheibe III-B ツーボーゲル(287機目)
1950年代西ドイツで開発された競技用グライダーなんだそうな。あとはよく知らん(手抜き


ビーチクラフト モデルS18D(1日ぶり3機目・288機目)
ビーチクラフトといえばこれ(個人差があります)という感じの軽輸送機。アメリカの航空博物館では割とよく見る戦前に開発された双発軽輸送機です。モデル18は民間用のビジネス機や軍用輸送機として多く導入されたこともありこの時代の双発機としては異例の8,000機以上が生産されています。
この機体は18D型でジェイコブスL-6エンジンを搭載した仕様。さらに頭のSはフロート/スキー板を装備していた仕様なんですが、ここのは普通の車輪ですね。たぶん簡単に換装できるんでしょう。


リアジェット モデル23(1963年・289機目)
普通の小型ビジネスジェットの外観ですが、これこそビジネスジェット機の草分け的存在です。
発明家兼起業家のウィリアム・リアが構想した飛行機で、なので会社名もリアジェット。この社名、エンジンを後ろ(rear)に積んでるからリアジェットって会社なんでしょ?ってずっと思っていたんですが、本当はリアさん(Lear)が興した会社だからなのでした。綴りが違うんですよ。この機体を調べるまで知らなかった・・・。
開発費を抑えるために、開発が頓挫していたスイスの戦闘機の主翼と足回りの設計を流用したりその設計を入手するために初めはスイスに会社を設立したり、面白いことをやってます。
はじめに書いたとおりビジネスジェットの元祖ですので、当時周りのビジネス機はみんなプロペラ機という時代の中ではとても先進的に写っていたようです。


B57核爆弾
唐突に爆弾が置かれていたんで撮影。割と平気でこういう核爆弾をしれっと置いてます。見た目は普通の爆弾と同じですしね。
1960~1990年代に運用されていた航空用戦術核爆弾でして、威力は5kt~20ktまで5kt刻みで用意されていたようです。たぶん威力ごとに異なる爆弾が揃えられていて、その場で弾頭の威力調整とかは出来なかったんじゃないかなぁ・・・と思います。
ちょっと大きい爆弾くらいの大きさに収まっていて重さも230kgくらい、アメリカ軍のほとんどの戦闘用航空機に搭載可能だったそうな。

ちなみに航空核爆弾は基本的に無誘導爆弾です。攻撃範囲がクソ広いのでピンポイントで当てなくても問題ないんだそうな・・・。なおもうちょい脱線すると広島に投下されたリトルボーイの威力が15ktなので、B57一発で都市をひとつ壊滅させることが出来ます。リトルボーイは重量が5t、全長3mでして、20年でずいぶんと小型化したもんです。


ミコヤン・グレビッチMiG-15UTI (Lim-2SB)(1日ぶり5機目・290機目)
おなじみのソ連のジェット戦闘機。複座練習機のUTI型です。
MiG-15はソ連以外のポーランドや中国でもライセンス生産されていました(この頃の中国製はまだパクリではなかったはず)
これはどうもポーランド製らしいです。ポーランド製はLim-2という型番が付けられていましたが、MiG-15のほうが圧倒的に通りがいいのであんまり使われてないです。
なおLim-2SBという型番は純正の機体では与えられる番号では無いようで、通常の単座戦闘機型のMiG-15相当のLim-1を複座型に改造してLim-1SBに改番したものを、さらにエンジン換装などの改造を施してLim-2(MiG-15bis)相当に更新してLim-2SBに再改番した機体なんだそうな。中々複雑なのよ。


カナディアCL-13セイバーMk.5(1日ぶり4機目・291機目)
だいたいMiG-15とセットで置かれていることが多いですよね。
要はカナダ版F-86です。CL-13はカナディアがライセンス生産したやつで、Mk.5はF-86F相当の機体です。ただしエンジンは自国製のアブロ・カナダ オレンダを採用しています。本家J47エンジンよりも一部で性能を上回っていたようです。
こんなところでカナダ要素を出会うとは。とはいえ、下でも書きますがカナディアセイバーは退役後アメリカで無人標的機に使われていたので、運よく破壊されなかった機体が博物館入りしていることがあって、アメリカでもたまに見かけることが出来ます。

冷戦期のカナダ軍はNATO加盟国として欧州に派遣されていた時期があって、このセイバーも1954年の就役とほぼ同時期にドイツとフランスに派遣されていました。
欧州派遣機の塗装はNATO迷彩とでも言うべきか濃緑色系の迷彩が施されていました(一方カナダ本土の機体は金属地のまま)。なので銀色のイメージの強いセイバーの中でも異彩を放つ地味塗装なのです。
カナダ空軍退役後はアメリカ軍に買われて無人標的機に使われていましたが色々あって破壊されずに博物館に収蔵されました。

というところで今日はここまで。