2015年7月13日(月)11時18分
アルバータ州ジャスパー国立公園 エンジェル氷河
アサバスカ滝を後にした我々は、93A号線を北上してそこから横道に入って山道を登りエンジェルグレイシャーに到着したのでした。
ここまでの山道は普段のカナダとは思えないほど幅狭でカーブが急でアップダウンが多い道路でした。日本の山道に似た感覚でした。カナダにもこんな道があるんだ(*^○^*)
ここにあります。といっても地図上ではなんだか表示されてないっぽいんでアレですが。
どんな道だったのかはストリートビューを見てもらうことにします。
氷河は駐車場を降りてすぐそこというわけではなく、そこからだいたい1km弱の登山道を歩きます。
道の脇には背の低い松の木がたくさん生えていました。森林限界なんでしょうけど何だか若い木に見えたような気もしました。でもたぶん気のせいです。
小川も流れています。当然この先にある氷河から溶け出した水です。流量が少ないのでアサバスカ川と違って澄んでいて綺麗です。
急に景色が変わって瓦礫の山になりましたよ。坂道ばっか続くので辛いです。
でかくて黒い松ぼっくり。まだこんな低い木なのに松ぼっくりを作るんですねぇ。
そして最奥部にやってくるとそれはありました!これが天使氷河ことエンジェルグレイシャーです。
イデス・キャベル山 Mt. Edith Cavell(標高3363m)の山肌にへばりつくようにある氷河で、名前通り天使が羽を広げたかのような形が特徴。
なんですが、それはこれが最初に発見された19世紀の時の話で、21世紀の現在では氷河の後退が進んでいるため天使も弱々しい印象になってしまいました。特に下に向かって伸びている部分は20年前の写真と比べてもだいぶ短くなってきているように感じます。
ちなみにイデス・キャベルというのは第一次世界大戦時のイギリスの看護婦の名前です。ドイツ軍占領下のベルギーでドイツに捕らえられた連合軍の捕虜を解放したとのこと。解放というかこれは捕虜の脱走を手助けしたというわけで、大変危険な行為だったのです。案の定、その後ドイツ軍に捕まり1915年銃殺刑にされてしまったといいます。
その行為に敬意を評して翌年の1916年に山の名前にされました。まだ戦争の真っ只中の中での命名であり、ちょっと対応が早くない?って思ったんですが、当時の英国は彼女の死を戦争のプロパガンダに使っていたようです。となると山の名前にしたのもそれの一環だったんかな?とも考えてしまいます。うーん、きな臭いぞ。
エンジェルグレイシャーの下からは
今この瞬間も氷河が後退しているのですな。
なお昔は氷河の目の前まで近づくことが出来ました。
2012年8月にエンジェル氷河の左側にあるゴースト氷河が崩落しました。ゴースト氷河の約半分、重さにして数トンの氷河が地面に落下しました。
これにより付近一帯はしばらく立入禁止になっていたんだそうな。
Avalanche/Ice Fall off the Ghost Glacier on Mount Edith Cavell August 9, 2012
ちょうどいいことに崩落時の動画が撮影されていたそうなんで載せときます。あららららと言う感じだ。
崩落後は下にある池に津波を起こし、あふれた水がちょっとした洪水も起こしました。その時の写真はFacebookのここ。
結構すごいことになってましたね。
氷河の下にある池にも近づくことは出来ません。見ての通り氷河が溶けてできた池で、氷河と接しています。
氷河の断面は水色になっているんですねぇ。ソーダアイスみたいな色をしています。
駐車場に戻ります。
カナディアンロッキー内で氷河に間近まで迫れるのは、こことこの後行くアサバスカ氷河くらいなものなので、比較的珍しい観光地だと思います。
ただこっちは眺めるだけなのに対してアサバスカ氷河は上を歩けるので、色々と敵わない部分はありますが。実際アサバスカ氷河はカナディアンロッキー随一の名所ですしね。
景色の境界というか分かれ目というのは中々くる物がありますな。
今日のシマリスニキ(21時間振り2匹目)。指が長いんだなぁと。
次の場所へと移動します。今日はここまで。
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