黒鉄重工

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【1/24】キャデラック・ドゥビル 1966年式 ローライダー【ギャラリー】

2024-02-26 21:38:54 | 模型ギャラリー
キット:1966 アメリカン ローライダー タイプC (ハセガワ)
製作記は下記から。

アメリカンマッスルカーの代表的車種のひとつ、キャデラック・ドゥビルを作りました!全長も全幅も何しろ大きいですね!
ハセガワのカーモデルとしては古参の物ですが、そのかわり手軽にアメ車を楽しめるようなキットになっています。


側面に描かれたド派手なファイアパターンです。初めはこのデカールを貼るか迷いました。結局、シャコタンな外観によく似合うだろうと思い貼り付けました。魅力が増したと思います。


ボンネットもトランクも広いですよね。コンパウンドで磨きやすかったです・・・。





ヘッドライトからテールまでの縦長のサーフラインが美しいです。こういう文字通り尖ったボディを作れたのがこの時代の良いところです。


何もかも長いという印象。日本車なら半分くらいで収めてしまうでしょう。
少し尻下がりなのがローライダーらしいといいますか。


フロントは押し出しが強くて好き。製作記でも書きましたが縦二連ヘッドライトがアメ車のアイコンの中でも一番好きです。デカい車でなければこういう意匠は採れないでしょう、たぶん。デカいは正義なのです。


エンブレムのV字マークはハセガワのミラーフィニッシュを貼りましたが、結構会心の出来だと鼻が高いです。


それでも、一時期のキャデラックのアイコンだったテールフィンは先代と比べて大人しめなんですよね。


シャーシは全く手を抜いております。えっへん。


というわけでキャデラック・ドゥビルでした。



 
 
  

【ハセガワ】1/24 1966アメリカン・ローライダー・タイプC【プラモデル製作】

2024-02-24 22:46:10 | スケール模型製作記
今回はハセガワのアメリカン・ローライダーを作ります。アメ車ですね!日本メーカーのアメ車は珍しいですな。
ノーマル車じゃなくてローライダーという車高を下げた形態です。あとはファイアパターンも入れた改造車スタイルです。
近年のハセガワは新型の自動車プラモデルを精力的に送り出していますが、これは昔から存在する製品のリパッケージ品です。成形品の作りはそれなりに古いです。いつものように、あまり気張らずに楽しもうと思います。

  


自動車プラモデルには珍しいことに、製品では車種名がぼかされてタイプCという書き方をされています。ここらへんは大人の事情というところでしょう。
でも、ボディの裏側に彫られている彫刻を読んでみると、モロにCADILLACと書かれていました。お察しの通り、これは1966年式のキャデラック・ドゥビルのプラモデルです。


シャーシにもキャデラックの彫刻があります。他にワイルドキャットとボンネビルの文字もあり、この3車種共通のシャーシとして使われているのですね。


いつも通り内装から塗っていきます。私は天井もちゃんと塗りたい性分なので、ボディの内側をマルーンで塗りました。ボンネットやトランクの部分まで塗ったのは、ボディ外側の透け対策です。一応ね、くらいのものですが。
ちなみにカーモデルの組み立てでは、シャーシの前後両端がボディに挟み込まれる形で組み上がるのが通常ですが、これはボンネットとトランクの裏側から長い穴がドカンと伸びており、それをシャーシと接着して固定する方式でした。この方式は初めて見ました。


グリルとバンパーは一体化されていて、そこにバッチリメッキが施されています。グリルの穴部分は黒く塗っておきました。


内装もマルーンで塗っておきました。


ホイールはリム部分をシルバーで塗るような指示でしたので、そのように。


内装完成。ステアリングホイールが極太。


ボディの塗装をしました。クレオスのクラッシーアンドドレッシーというシリーズのミモザで塗っています。これは、基本的なMr.カラーでは出しにくいパステル調の色が揃ったシリーズです。
個人的には、もうちょっと黄色が強いイメージでいましたが、まあいいかとそのまま塗り切りました。

 


クリアコートをしてコンパウンドで磨いた後です。このキャデラックはプレスラインが少なく形状が比較的平面的でとても磨きやすかったです。


窓枠やサイドモールなどにはハセガワのメッキフィルムを貼っています。
ボディの仕上げが済んだら、シャーシと内装を合わせて完成です。

 


60年代アメ車らしい押し出しの強いフロントがとてもよく表現されています。縦ニ連のヘッドライトは個人的に好きなアイコンです。


手軽に往年のアメ車プラモデルが作れるので助かるキットでした。今もフィギュア付きなど手を変え品を変え発売・再販されているようなので、手にとってみてください。
完成品はギャラリーにて。

<使用塗料>
ボディ:HCD5ミモザ
内装:C100マルーン
ハンドル:H9ゴールド
シフトレバー:N2ブラック
テールレンズ:N90クリアレッド
ホイールリム:C8シルバー



 
 
 
 

九州project 2 ~Phantom in Kyushu. その14【2018/9/19~23】

2024-02-18 23:21:10 | 旅行・イベント記
2018年9月21日。
九州旅行の3日目です。昨日と同じホテルで迎える朝です。昨日も言ったけどこのホテルは朝食おいしいと分かったので、今後も覚えておきます。


2018年9月21日(金)8時48分
熊本県熊本市中央区 JR熊本駅
今日はざっと言うと熊本市から鹿児島市へ移動するだけです。移動の道中ではおもしろ乗り物が3種類待ち構えていて、それをひとつずつ攻略していきます。
ちなみに今日も雨模様でテンションは初めから半分しかありません。熊本市に来る時は雨ばかりなんですよ。


第26走者:産交バス西11系統玉名駅(エアロミディ)河原町8:36→熊本駅前8:45
ホテルから熊本駅までは少し離れているので、路線バスで移動します。路面電車も並行していますが、バスのほうが先に来そうだったので、それで。
乗ったのは産交バスのふそう・エアロミディMK (#1096) 西11玉名駅。


ついでに熊本駅に入る前の朝練です。産交バスのいすゞ・キュービック+西工96MC B-I (#3160) 県18県庁・本山。


九州産交バスの日野・セレガHD (#1127) ひのくに号福岡・天神。


熊本市交通局(熊本市電)のレトロ電車101号。


熊本駅構内に入りました。まだおもしろ乗り物が来るまで時間があるので珍しそうな電車が来ないか待ち構えておきます。
三角線のキハ147形(182+1044)が止まっていたのでとりあえず撮影。キハ147形はキハ47のエンジン換装型です。九州南部だとあんまり珍しくないっぽいです。


817系(V012)と415系(FO105)です。415系は4両編成でロングシートで詰め込みが効くからか、朝と夕方に見かけますね。九州の415系も減る一方なので記録するに越したことはありません。


ED76形1018号機の貨物列車が通過。ありゃりゃ、知っていれば反対側のホームに行っていたのに・・・。


三角線のキハ31形(22+6)がやってきました。これは2019(令和元)年にすべていなくなってしまいました。車両にトイレがないので運用に制約が多い(駅にもトイレがない区間もあるので催しても救いようがない)、廃車発生品の台車が老朽化、などが理由っぽいです。


黒いディーゼル機関車と黒い客車の列車が来ました。あ、あれは・・・!


これから乗る、おもしろ乗り物一号こと「SL人吉」号です!


人吉号と言えば、蒸気機関車の8620形58654号機です。JR線を走る蒸気機関車としては最古の機体です。ただ実態はテセウスの船状態で、実はJRで一番新しい蒸気機関車なのかもしれませんけど。
8620形は1914(大正3)年に登場したわが国初の国産蒸気機関車です。設計から含めて国産です(外国機をコピーした国産機はこれよりも前にありにけり)。
58654号機は1922(大正11)年製造です。この時点で96歳。御長寿すぎるんですな。客車3両だけですがこれを補機無しで牽引しているのでなおすごい。


415系(FO-122)が来ました。


SL人吉の止まっているホームに移りました。客車は50系という九州や東北で使われていた一般型客車です。でもこれは観光用に徹底的に改造されていて、車体に原型という文字はありません。編成の両端は展望用の大型窓が据えられています。後で見ますが結構眺めが良いですよ。




58654号機。テセウスの船なので基本的にきれいですが、使い込まれたことによる汚れもあり、とても趣のある見た目です。九州独特の除煙板、門鉄デフも実にかっこいいです。
8620形は旅客用蒸気機関車で、ほぼ同時に貨物用の9600形も登場しています。

生きている蒸気機関車の足回りはとても見とれてしまうのです。


ランボードの色差しがいいアクセントになっています。金のライニングも珍しいです。おそらく現役時代には存在しなかった、SL人吉専用の装飾でしょうけど、列車全体のイメージと合っていて似合っています。


客車へ入りましょうか。
列車の牽引機は基本的に58654号機に限定されているので、客車にも蒸気機関車の機番が大きく描かれているっていう。
ちなみに、58654号機だからって5万機も造られているわけではないです。8620形は製造番号の数え方が独特かつ分かりにくく、こんな型番にした設計者はどういう思考をしていたのかわかりませぬ。
まず、1号機は8620号機です。8699号機の次は、下2桁の数字はまた20に戻ります。なので、下2桁は80しか使えないことになります。00~19は使えんのです。なんだこれ。
下2桁が20に戻ると、86xxの前に1が付きます。なので8699号機の次は18620号機です。そこからまた80機作ると、今度は28620号機となります。5桁目の数字が1つずつ増えていくわけです。インフレが激しいやつなんです。
以上から導かれる製造番号を割り出す公式は、「万の位の数字×80+(下二桁の数字-20)+1=製造順」となります。
58654号機にこの公式を当てはめると「5x80+(54-20)+1=435」なので、435機目の機関車なのです。
以上。

閑話休題。


第27走者:JR肥薩線快速「SL人吉」人吉行(8620形+50系)熊本9:45→人吉12:09
車内は観光列車チックに改造されています。50系の原型がうかがえるのは窓枠くらいじゃないでしょうか。

SL人吉号が熊本駅を発車するところで、今日はここまで。


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九州project 2 ~Phantom in Kyushu. その13【2018/9/19~23】

2024-02-15 06:54:30 | 旅行・イベント記
熊本市電の水前寺公園電停で下車しました。
電停の名前通り、ここの近くには水前寺成趣園という庭園があります。今日は一日中雨だったんですが、ここにきてちょっと小康状態になったのと、ホテルに帰るにはやや時間が早かったので、立ち寄ることに・・・。


とはいえ雨天日に日本庭園に行っても景色が微妙だという感想しか出てきませんわね。軽く散策して終わりにしましょう。


水前寺成趣園は江戸時代に熊本藩主の細川氏により造園された日本庭園です。


出水神社です。歴代細川家当主が祀られているんだそうな。


日本庭園については何も知らないので、あまり書けることもなく。


これは稲荷神社の鳥居。





庭園の見どころ、富士山を模したと言われている築山です。宝永山がないので、宝永噴火が起きる前の造形か山梨県から見た富士山かも。そもそもそこまで考えていない、ということかもしれませんが。


案の定、雨脚が強くなってきたのでこれで急いで退散します。また来ます。


第23走者:熊本市交通局A系統健軍町行(1200形)水前寺公園17:15→健軍町17:27
それでは当初の目的だった健軍町までの乗り通しを済ませます。


終点の健軍町電停に着きました。あたりを散策してみたかったですが、雨中の散策で疲れてしまったのですぐに折り返すことにしました。来た道をただ折り返すのはあまりやりたくないんですけどね。
電停のすぐ近くにはアーケード街があるみたいでした。


第24走者:熊本市交通局B系統健軍町行(0800形)上熊本駅前17:40→辛島町18:11
それでは折り返します。折り返す電車は1本落としたのでさっきとは違う電車です。新型の0800形でした。

繁華街の辛島町で下車して、飲んでいきました。


鶏肉の炭火焼です。ここらへんの名物でしたかね。


締めにうどんです。九州のうどんにはごぼう天があるので好きなのです。


第25走者:熊本市交通局A系統健軍町行(100形)熊本駅前・田崎橋19:04→慶徳校前19:07
飲み終わったら熊本市電に乗ってホテルの最寄り電停まで行き、ホテルに帰りました。
熊本市街地の散策は雨で思うようにいかなかったので、再履修です。またいつの日か。

というところで今日はここまで。


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北米project 5 ~How do you like Canada? その44【2016/6/15~22】

2024-02-07 23:49:07 | 海外旅行記
カナダ航空宇宙博物館の続きです。
ここで大物選手の登場!アブロ・ランカスターB.X (Avro Lancaster B.X) です。初飛行1941年。
ランカスターはイギリスの代表的な重爆撃機です。機体の下面が黒いので撮影しにくいのなんのって・・・。
爆弾が10t積めるということで、これはアメリカのB-17の倍近い搭載量です。ただしそれは機体の軽量化により達成されたもので、よく撃墜されていたようです。エンジンはスピットファイアと同じマーリンを4発搭載しています。なのでランカスター1機でスピットファイア4機分です。乗員は7名なのでスピットファイア7機分です。こうボコボコと撃ち落とされていい機体じゃないわけです。
それにしても、ランカスターは3日前も別の博物館で見ているわけで、短期間に複数のランカスターを見ているわけです。日本人旅行者からしたら贅沢なことをしているのかもしれません。


そんな贅沢な機体を7,000機以上量産してしまうところが大英帝国の底力なわけですが。こういう戦時に大量生産された航空機は、たいてい複数の企業で生産されているんですが、ランカスターもそうでした。
ランカスターはカナダのビクトリー・エアクラフト社でライセンス生産された物もあります。このB.X型がそうです。ちなみに読み方はビー・エックスじゃなくて、ビー・テン(10)です。イギリスのこのローマ数字表記はややこしいですよね。何カッコつけてるんだと。
基本的にはイギリスで生産されたB.III型の仕様で造られていますが、戦時中の本国から遠く離れたカナダ製ということで、計器や電子機器はカナダかアメリカで製造されたものが使用されています。見た目にはあまりわからないけれども。


ランカスターのエンジンは本来ならイギリスで生産されたロールスロイス・マーリンXXを使います。でもB.X型は現地生産を旨としていますから、エンジンもアメリカでライセンス生産されたパッカード製マーリン224型を搭載しています。爆撃機で液冷エンジンという組み合わせもランカスターくらいなものでしょうか。知らんけど。


ランカスターはカナダ空軍にも配備されたわけですが、戦後しばらくも沿岸哨戒機や海上救難機などに転用されました。1965年まで運用されていたので物持ちがよく、それが現存機の多さに繋がっています。なにしろカナダだけで10機近く現存しているのです。4発爆撃機が10機残っているってすごくないですか。


縦に長い胴体。私はカバと呼んでいますが。
この個体は1945年製で、現存機の中で最も原型の割合が高いと言われています。同年5月にヨーロッパの現地部隊に納品されましたが、その頃はもうナチスドイツが終わってしまっていたので実戦には参加しなかったようです。
戦後カナダに復員して1952年に沿岸哨戒任務に従事、1964年に第二次世界大戦時の装いに復元されて博物館に収蔵されています。
復元されたのはカナダ空軍第428飛行隊の物で、これの経歴とは異なる部隊です。機首に描かれた爆弾マークは出撃回数を意味しています。実戦参加していないこの機体の経歴とは異なりますね。
どうもこの博物館には、機体の経歴とは関係のない塗装に復元される例が多いですね。でもそれは、復元された年代が1960年代という"時代"にも関係がありそうです。まだ戦後20年ですからね。機体の資料性について十分な議論がされていたとは考えにくい時期だと思います。


車輪です。タイヤはさすがに交換されているか。


プロペラです。同じエンジン載せたスピットファイアは初めは3枚ペラ(極初期は2枚でしたが)だったのが最終的には5枚ペラとか二重反転プロペラとかまで進化していきましたが、ランカスターは3枚ペラを貫いたようです。


爆弾倉が長いんですね~。胴体の大半を貫いています。余裕のある広さのお陰でグランドスラムのような大型爆弾も積めたのが、アメリカ製爆撃機には無い利点だったそうな。


尾部。意外と細いのよ。この時代の爆撃機の垂直尾翼が2枚あるのは、ステルス性の確保・・・じゃなくて、胴体にデカい1枚の尾翼を置くと格納庫の高さに引っかかって中にしまえないからです。あー、ボーイングのことは今は忘れておいてもらって・・・。


爆弾倉にも潜れちゃうよ。照明も当てられていて親切です。


こちらが闇討ちしてベルリンを破壊する爆弾です。


胴体上部の防御機銃座です。エコノミー症候群になりそう。


尾翼ですね。


胴体の国籍章と飛行隊コード。左側の2文字のアルファベットの組み合わせで各飛行隊を表しているそうな。どうやって暗記するんだこんなの。しかも、同じ記号で複数の飛行隊が割り当てられていることもよくあり。記号が枯渇したのか、重複していても同じ時期には存在していないからセーフなのか、知りませんけど。


イギリスの至宝、マーリンエンジンです。B.Xに搭載と同型のパッカード・マーリン224です。マーリンは素晴らしく、ランカスター、スピットファイア、マスタングと、これを積んだ機体は一流の機体へと押し上げられています。ハリケーン?デファイアント?はて何ですかそいつらは・・・?

というところで今日はここまで。
ランカスターだけで1回終わっちゃった。


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北米project 5 ~How do you like Canada? その43【2016/6/15~22】

2024-02-04 21:53:39 | 海外旅行記
カナダ航空宇宙博物館の続きです。ジェットエンジンの展示がありますね。
カナダのアブロ・カナダが独自開発したターボジェットエンジン、オレンダ14型です。1953年に運用開始されたオレンダ3型が最初の量産型です。
カナダ初のジェット戦闘機CF-100カナックやアメリカのF-86セイバーのライセンス生産版などに搭載されていました。同世代のゼネラル・エレクトリックJ47よりも高性能を発揮したとかで。4000基造られたということで、結構売れたほうなんじゃないでしょうか。


ジェットエンジンの構造がわかるように、カットモデルで展示されています。こういうのは日本の博物館ではよく見ますが北米の博物館ではこういうのが無いところも多く、珍しいです。
手前側がエンジンの前部、空気取入口となります。先端のコーンにはエンジン始動機が収められているとかで。


空気を圧縮する圧縮タービンです。10段あります。


燃焼室です。ここで圧縮した空気を燃料で爆発させてその時の空気の膨張で推進力を生み出すのです。燃焼器は6個あります。


排気口ですね。排気口の前部には圧縮タービンを回すためのタービンが1段あります。ターボジェットなので燃焼した空気はそのまま排気されます。


こっちはターボファンエンジンです。ロールスロイスRB211型です。1972年登場のジェット旅客機用高バイパス比ターボファンエンジンです。
ロッキードL-1011専用に開発されたエンジンで、新機軸を多く採り入れています。それが仇になって開発が順調に進まず、L-1011販売不振の一因とも言われています。


このエンジンは、エアカナダ(後にエア・トランザットへ転籍)のL-1011に搭載されていたものだそうな。


ターボジェットエンジンの前方にエンジン直径よりも大きなファンを設置して回すことで空気流量を増やし、推力を増大させます。エンジン後部ではエンジンで燃焼されたジェット噴流とエンジン外周を流れる普通の空気流が流れるわけです。この方式だと特に亜音速域での燃費に優れるので、経済性が重視される現用ジェット旅客機のエンジンは間違いなくターボファンエンジンです。


排気口はこんな感じ。


飛行機の展示に戻りましょう。ウェストランド・ライサンダーMk III (Westland Lysander Mk III) です。初飛行1936年。
見た目からして高翼配置、優れた下方視界、頑丈そうな脚と、観測機に必要な構造は一通り揃っているわけです。イギリス陸軍の作戦行動を支援するための観測機です。偵察活動や弾着観測などを上空から行うと何かと役立つのですよ。
ただし自軍に航空優勢な場面ばかりじゃないですよね。敵さんもアホじゃないので戦闘機を迎撃に向かわして阻止するわけです。ライサンダーは低速なので、敵戦闘機のいいカモでした。
設計思想が基本的に第一次世界大戦の時から進歩していなかったのです。仕方ないね。


丈夫だけが取り柄そうな主翼です。
低速性能には自信アリで、カナダの訓練基地では向かい風に向かって超低速で飛行していると、風に流されて後ろへ向かって飛んでいたという逸話が残っています。


主翼には前縁スラットが付いていて、離着陸時はこれを展開して滑走距離を短縮しています。これはこの部分だけ展開していますが本当は前縁全てにスラットが付いているはず。


頑丈だけが取り柄そうな脚です。


エンジンは、ブリストル・マーキュリーXX 870馬力星型9気筒です。
Mk IIIはもはや観測機としては使い物にならない頃に生産された機体で、敵地へスパイの送り込みと回収、レジスタンスへの資金供与、武器、物資の支援などの工作目的に使われたのだそうな。なんだかイギリスって感じですわ。


この個体はカナダに残っていた3機の部品を寄せ集めて仕上げたものです。サンコイチということです。復元後しばらくは飛行もできたみたいです。
3機の正確な経歴は不明ですが、胴体はウェストランドで、主翼はカナダのナショナル・スチール・カーで生産された模様。機体はMk IIIですが、塗装はカナダ空軍第110飛行隊のMk Iの個体を再現しています。


鋼管羽布張りの胴体です。

というところで今日はここまで。


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