黒鉄重工

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北米project 5 ~How do you like Canada? その34【2016/6/15~22】

2023-08-30 06:11:00 | 海外旅行記
2016年6月18日(土)12時53分
オンタリオ州トロント トロント鉄道博物館
ユニオン駅から歩いてやってきたのは「トロント鉄道博物館 (Toronto Railway Museum)」です。
鉄道博物館は広大な敷地が必要なので郊外や田舎に立地することが多いのですが、当館はダウンタウン内にあります。アクセス性が高いのです。


なんでわざわざダウンタウンに鉄道博物館があるかというと、ここはカナディアンパシフィック鉄道 (CP) の扇形車庫と転車台が残っているからです。扇形車庫と鉄道博物館の組み合わせは鉄板ですからね。
このジョンストリート扇形車庫 (The John Street Roundhouse) は1931年に建築されました。車庫は32番まであり、車庫の外周は180度を超えています。扇形車庫の中心にある転車台は37mあり、CP史上最大です。
蒸気機関車がディーゼル機関車に置き換えられて無煙化されると扇形車庫は役目を終えて1986年に閉鎖、トロント市に寄贈されました。1990年にはカナダ国定史跡に指定され、1997年にトロント市の公園「ラウンドハウスパーク」として整備されました。今は鉄道博物館の他にレストランやビール醸造所が入っているようです。
トロント市内に現存する扇形車庫は最盛期はいくつもありましたが、現存するのはここだけです。ここもよく再開発から生き残ったと思います。都会に残された鉄道のオアシスです。


あれは給水塔ですね。大型の水槽が2つもあります。32機分収容できるとなると水槽も大きいのですかね。


扇形車庫の17番線 (Stall 17) は博物館の一般公開区画になっています。他に15・16番線も博物館が使っていて、車両の復元修繕の作業に使っているらしいっす。
車両や物品が所狭しと並べられているので、意外と窮屈な印象でした。


時刻表というか列車の運行時刻表です。CPの大陸横断列車「カナディアン」2号(トロント発)と337号(ウィンザー発)のバンクーバー行の運行時刻です。2号と337号はサドバリーで併合してバンクーバーへ向かうはずです。


鉄道会社の制服です。たぶんCPの制服だと思います。


軌道自転車です。日本ではレールスターとも呼びますかね。カナダではもっぱら3輪車が用いられてきました。


そして、実物の客車です。狭いので全体を撮影するのは難しいのですよ。ダブルルーフとニス塗り木造車体が古風です。
これは「ノバスコシア号 (Nova Scotia)」。1896年プルマン製で、元々は「サンパレイル号 (Sanpareil)」という名前のドミニオンアトランティック鉄道の食堂車でした。サンパレイユというのは「比類なきもの」を意味するフランス語だとかで。また同社はノバスコシア州を地盤とする地方鉄道でした。
1912年に同車のGM専用ビジネス車「ノバスコシア号」に改造されました。1958年にCPに転属して7号車というそっけない番号に変えられて、1963年に廃車になりました。廃車後はトロントの鉄道愛好会が購入して1970年まで蒸気機関車に連結される団体列車に使われてたみたいです。それからはここで静態保存されているんだと思います。


このマルーンの鋼製車はCPのビジネス車「ケープレース号 (Cape Race)」です。1926年ナショナルスチール車輌製。元々は15台製造されたリバー形のうちの1台「リバーレアード号 (River Liard)」でした。艤装は自社のアンガス工場で行われ、男女別のシャワー室、革張りの喫煙室、展望パーラー、女性用ラウンジ、小さなビュッフェが備えられた豪華な客車でした。
1929年から全車寝台車の大陸横断列車「トランスカナダリミテッド」(モントリオール/トロント~バンクーバー)で乗客サービスのために連結されていました。しかし1931年の世界恐慌により不景気となると利益を生まないこの客車を連結する余裕もなくなり、わずか2年で撤退します。
しかし1941年に第二次世界大戦が始まると需要が高まり、リバーレアード号にも招集がかかります。復帰に際して冷房装置追加と内装改造(コンパートメント1室、ダブルベッドルーム4室)名前も「ケープレアード号」に改名されます。シャワー室などは撤去されてしまい単なる寝台車に変わり果ててしまった感もあります。
1947年、戦後のナショナリズムの高まりからカナダらしさを出すために車名を「ケープレース号」に再度改名します。この改名はCPの大半の客車に及んだと言われています。ケープレースというのは地名でして、1912年タイタニック沈没時の救難信号を最初に受信し、各地に中継した場所として知られています。
戦後は大陸横断列車「ドミニオン」で運用され、バッドステンレス客車に置き換えられる形で1954年に運用を離脱しました。その後1963年に名無しのビジネス車13号車になって1969年に鉄道愛好会に売却されました。これもノバスコシア号同様団体列車に連結されていましたが1970年代に運行されなくなりました。その後は当地に保存されて今に至ります。


金床です。鉄道工場から見つかったものだとかで。蒸気機関車などの部品はこれを使って修理や自作をしていたのかも知れませんねー。


鉄道博物館あるある、壁に貼られた各種標識。
駅名標から速度制限から線路標識から色々。


ロードスイッチャーの運転台の中に入れるかと思ったら、中には運転シュミレーターがありました。


ロードスイッチャー、つまり入換作業もできる本線用ディーゼル機関車の運転台です。実はこの目でちゃんと見るのは初めてのことですよ。
まずハンドルや計器盤が斜めに取り付けられていることですね。本線走行と入換作業を両立させようとするとこういう配置になるんですなー。
左のハンドルはブレーキハンドルです。2種類あるのは日本と同じです。しかし上側が自動空気ブレーキ(列車全体用)で下側が単独空気ブレーキ(機関車用)で配置が逆だったはずです、たしか。
右側の黒いハンドルは、上側が発電ブレーキで下側がスロットルです。ブレーキとスロットルではハンドルを回す向きが違います。


館内はそこそこに外の展示車両を見てみましょう。
これはカナディアンナショナル鉄道 (CN) の炭水車です。水槽はもうタンク車みたいな風貌ですが、この方がコスト低いんだろうなーと。


CNのEMD F7A形(GFA-17a形)9159号機のカットモデルです。本当は9038号機らしい。1951年カナダのGMD製で、1991年廃車です。
廃車後個人が所有して地道に復元をしたあと2007年に当館に寄贈されて運転シュミレーター筐体として使われている模様。


CPのアルコS-2形7020号機です。初期のディーゼル入換機で、1944年アルコ製。1985年に廃車されましたが、その現役時代の殆どをトロント市内で過ごし、入換や専用線での列車牽引等に活躍しました。廃車後にトロント市へ寄贈されています。
S-2形はアルコが車体部分を、ゼネラルエレクトリックが動力部分をそれぞれ担当して製造される共同開発機でした。


台車です。見たところでよく分からないのですが。
ディーゼル機関車といっても、動力部をGEが担当したことからも察せるとおりエンジンで発電した電気で台車のモーターを動かす電気式ディーゼル機関車です。なのでこれも電動台車なわけです。
7020号機のエンジンは稼働状態にあるとのことですが、走行もできるかはよくわからんです。


当館では最も独特な車両だと思います。ラインハートビネガーズ社RVLX101号タンク貨車です。
酢を輸送するために造られた木造のタンク体の貨車なのです。お酢と言っても工業用の酢酸が主だったそうですよ。
製造年は1938年で、当時だったら普通に金属製のタンク体は製造可能です。なのでわざわざ木製タンク体を造ったのは、酢酸がもたらす金属の腐食対策でしょう。アルミニウムなど腐食しない金属もあるんすが、まだ実用段階じゃなかったか、費用面で折り合いがつかなかったんかしらん。


台車の外側に謎の小車輪が付いていますが、用途は謎です。謎ですが一応ここにも書いておきます。

というところで今日はここまで。


その35へ→




北米project 5 ~How do you like Canada? その33【2016/6/15~22】

2023-08-23 07:01:00 | 海外旅行記
2016年6月18日(土)11時34分
オンタリオ州トロント トロント・ユニオン駅
ユニオン駅での列車撮影を終えて、駅を出ます。なかなかに広い構内を持っているようで、お上りさんは普通に迷います。
日々通勤客を捌く現役の巨大駅ながら建物は鉄道黄金期の名残があちこちに感じられます。列車のりばへと続く石造りの通路もなんともまあおしゃれじゃないですか。よく見ると防火扉や消火ホースが追加設置されて改変されているんですが、それでもパッと見は当時物のように見えます。
ちなみに壁の上の方に彫られているレリーフは、トロント市の昔のスローガン「Industry, Intelligence, Integrity」(産業、知性、誠実)です。


大ホールの壁です。見事な石壁ですなあ。なおめちゃくちゃ高い天井は写真撮りそこなている模様。なんてことを。壁に刻まれている都市は、この駅から行くことのできる都市なのです。中には今ではいけなくなった都市もあるでしょうけど、そういうことは考え至らなかったのかしら。
建物の保全のためでしょう、案内看板は天井から吊るしたり壁に貼り付けたりするんではなくて、床置きのものが多かったです。



これがユニオン駅の駅舎です。開業は1927年8月26日。やけに新しいなと思いましたが、この駅舎は3代目なのです。初代はグランドトランク鉄道(GTR;後のカナディアンナショナル鉄道;CN)により1858年開業、2代目はGTRにより1873年開業。建て替えまでの期間が短いですが、初代は木造建築で2代目は石造りなのです。なおユニオン駅(共同駅)と名乗るだけあって、GTRの他にノーザン鉄道とグレートウェスタン鉄道とカナディアンパシフィック鉄道(CP)が乗り入れていました。今の3代目駅舎はCPとCNが50%ずつ出資して建てたそうな。
建物はルネサンス様式、正確にはボザール様式で設計されているそうな。列柱は22本有りにけり。まあカナダ人もアメリカ人も本当にこの様式の建築が好きですわね。
余談ですが、ユニオン駅とその周辺の地上設備の保有、運営、経営等はCPとCNが共同出資して作った子会社、トロント・ターミナル鉄道(TTR)が担っていました。神戸高速鉄道みたいなものに近いでしょうかねぇ。2015年にはユニオン駅の所有者はトロント市に移管されましたので、今は線路の管理や列車の運行制御等を業務としているようです。


列柱の上には建設主体のCP(左)とGTR(右)の彫刻があります。3代目駅舎が開業するよりも前にGTRは経営難から国有化されてCNになったはずですが、なんでかGTRのままです。
駅の玄関口の彫刻が過去のままというのも大胆に映ります。歴史的建築物として残されているもう使われていない駅舎ではなくて、カナダで最も利用者の多い現役の駅舎にも拘わらずです。この駅舎の歴史への敬意が感じられます。


駅の対面の建築物もおそらくは歴史的建造物のまま活用されているようです。駅前なのにそれほど再開発されていませんね。奥の方はタワマンらしき建物がいくつも生えているのに。


駅舎から線路を挟んで反対側のQueens Quay Wayに来ました。線路をくぐる時にGOトランジットのめちゃくちゃ大きいバスターミナルが見えましたが、まだ時間を使ってしまいそうなので、パスしました。
この通りには路面電車のトロント市電 (Toronto Streetcar System) が通っていて、ユニオン駅から近いところにあるからですね。
トロント市電はトロント中心部に全長83kmの路線網を有する広範な路面電車です。北米最大級の路線網を持つとかで。
通りを見渡してみると、ちょうど路面電車が地下トンネルから飛び出てくるところに遭遇しました!トロント市電はユニオン駅に乗り入れていますが、トロント駅周辺では地下トンネルを通るのです。地下を走る路面電車という珍しい取り合わせなのです。
地下といえば、トロントには地下鉄も通っています。路面電車と地下鉄が共存している都市は珍しいんじゃないでしょうか。
ちなみにこの電車はCLRV形という旧型車です(#4074)。下でもうちょい詳しく書きます。


反対側からはCLRV形とは打って変わった今どきの路面電車、Flexity Outlook形が来ました。2014年から導入が続けられている新型車で、ゆくゆくは旧型車を全て置き換えて市電はこれに統一される予定です。というかその後2019年に統一を果たしたようです。
車両は5車体連接の低床車です。そして丸みを帯びた柔和な前面を見て、なんとなく新潟トランシスが製造している低床路面電車ブレーメン形と似ていると思ったのではないでしょうか。実際、Flexity形もブレーメン形もボンバルディアが製造している車両なのです(新潟トランシスはライセンス生産の形)。
ただFlexity形とブレーメン形は、厳密には異なる形式(ブランド)なのだそうです。ブレーメン形はすべての車体に台車が備わっていますが、Flexity形は一部に台車のない車体もあります。この違いなんですかねえ。なおトロントのFlexity形は5車体の内2つ目と4つ目の車体が浮揚車体です。


地下に潜っていきました。車体の前後で紅白の塗り分けが違うのね~。しかしこれ、トンネル入口に十分注意書きがあるとはいえ、自動車の誤進入もあるんでしょうな。


Queens Quay Wayを西へ歩きます。市内周遊型の観光バスが通り過ぎていきました。The Bus and Boat CompanyのAD Enviro 400 (#81106)です。Enviro 400はEnviro 500の短尺型です。加えてこれは二階の屋根が無いいわゆるオープントップ形ですね。
この会社はルートマスターやフリートライン等のイギリス製二階建てバスも観光用として運用している模様。


こちらはトロント市内の路線バスです。トロントの路線バス、路面電車、地下鉄は、トロント交通局 (Toronto Transit Commission; 以下TTC) により運営されています。今日の目的の一つはTTCの各交通モードを一通り見てくることです。
このバスは、Star Trans BusのSenetor SII LF (W150) です。実は弊ブログで初めて出てくる車種です。
車体の前と後ろで断面がだいぶ違っています。これは、カタウェイという商用バンのシャーシとキャブだけの車に、バスのボディを装荷した物です。装荷するボディは路線バスに限らず、スクールバス、救急車、モーターホームまで様々あります。カタウェイに関しては下記の拙著にて少し紹介しているので、よければご購入してみてください(宣伝)。
で、このバスですが、シャーシはフォードF-450の物を使っています。F-450といえば、フォードの誇るFシリーズピックアップトラックのひとつです。カタウェイは基本的にバンのシャーシを使いますが、中にはピックアップの物を使うこともあるんですな。キャブも当然Fシリーズで、バンのEシリーズと比べるとキャブ全高が低くボンネットが長いので、なんだかウナギのように見えます。
こういう小型バスはコミュニティバスのような低需要路線で使われます。2009年から200台強導入されたみたいですが、10年後くらいから廃車が始まっていて、2023年にはフリートの大半が廃車済みのようです。



スクールバスみたいなこれは、Blue Bird の All American でしょうね。本来はスクールバス用の車種ですけど、一般型もあるんですな。個人所有だと思いますがよくわからんです。
なおグリルが付いているので、こんな見た目ですがフロントエンジンです。今どきこんなバスも作っているんですよ。


CLRV形 (#4141) です。CLRVは1977年から1980年までに200台弱が導入されたかつてのトロント市電の主力車です。他の都市の路面電車と同様トロント市電も存廃が議論された時期があったんですが、1970年代に存続が決まると老朽化したPCCカーを置き換えるためにCLRVが製造されました。後年には2車体連接のALRV形も50台くらい造られました。
開発に際してPCCカーの設計を受け継いでいるため、近代化されたPCCカーの趣があります。同じPCCカーから派生したタトラカーにも似た雰囲気もありますかね。ネオ・PCCカーの立ち位置を狙っていたようですが、他都市の路面電車が大虐殺にあっていたので他に採用されることはなく、トロント市電専用車みたいになりました。既に述べたように2019年に全車退役しています。そうと知っていれば市電にもうちょい時間をかけてたな・・・。


さっき地面に潜っていったFlexity形 (#4410) がユニオン駅から戻ってきました。広島電鉄の新型車ですっていっても騙される人いるんじゃないか。そしてこんな近代的な見た目で集電装置がトロリーポールというのはなんなんですか。ギャップ萌えでも狙っているんですか。
・・・ところで、さっき見た時と塗り分けが変わっているんだけど。


その答えはこの写真に!ちょうど離合したんですよ (#4415, #4410)。並んで見れば塗り分けの違いが一目瞭然です。
そしてこの離合を見て漸く理解したんですが、トロント市電の電車は片運転台なのですよ!PCCカーからして片運転台なのでその構造を受け継いでいるんです。なのでこの長い5車体連接車で片運転台かよ!となるのです。面白いなあ、トロント市電、通りすがりに撮影するだけじゃあまりにもったいない路面電車だったぜ!
ちなみにどうやって電車の向きを変えるかというと、終端でU字状の線路を通って向きを180度変えています。プラレールのUターンレールみたいなやつですよ。


CLRV形 (#4174)。歩いているだけですがわりと頻繁にやってきます。今回は市電には乗らなかったんですよ。惜しいことをしたなあ。


Lower Spadina Ave.との分岐点。右端に水面が写っていますが、あれはオンタリオ湖です。浜大津が西洋風になるとこんな感じかもね。

ちなみに通りを歩いているとちょうどいいサンドイッチ屋を見つけたので、ここで昼ごはんとしました。サンドイッチの写真は撮っていませんでした・・・。今はもう閉店してしまったみたいで、さみしいです。



ちょっとオンタリオ湖を見てみるが目の前が島でした・・・。あれはトロント島で、実は空港が建っているちょっと大きい島です。といっても滑走路1,200mの小さい空港です。飛来する旅客機もボンQのコミューター路線が主ですし。しかしピアソン空港と比較して圧倒的に都心に近いことからビジネス需要が多いみたいですよ。ロンドンシティ空港と似ていますかね。


分岐点で離合するFlexity形。うねうねうねと。


鉄道の幅の広い高架下をくぐる路面電車という図。うーんこれは大都会ですよ。まるで東京みたい。


前回もう出てこないよと書いたけど、CNタワーです。コンクリ打ちっぱなしですか。近くで見るとあんまし・・・です。


ユニオン駅を出て1時間ちょっと。目的地の一つ、トロント鉄道博物館へ着きました。

というところで今日はここまで。



【1/72】ユンカースJu87B-1スツーカ ドイツ空軍【ギャラリー】

2023-08-20 19:34:00 | 模型ギャラリー
キット:1/72 ユンカース Ju87 B-1 スツーカ(エアフィックス)
仕 様:ドイツ空軍第51急降下戦闘飛行隊

製作記は下記から。


ドイツの有名な急降下爆撃機Ju87B-1スツーカのプラモデルを作りました。
Ju87のプラモデルは何種類も発売されていますが、今回のものはエアフィックスが10年くらい前に発売したものです。しっかりした形状と組み味が特徴の良いキットです。


急降下爆撃機の見せ場といえば爆弾投下なので、その瞬間を切り取ったシーンを作りました。つまり急降下爆撃する瞬間を再現できるように飛行姿勢で作ったのです。
近年のエアフィックスのキットは、飛行姿勢でも作れるような部品構成になっていて、敷居が低いです。Ju87は固定脚なので地上でも飛行でもほとんど形態は変わらないんですが、タイヤの接地した形状の有無で細かく再現されています。



下からの煽りで見るとかっこいいですよ。





Ju87は全金製単葉機の黎明期に開発された飛行機で、そのせいか形状にまだ洗練さが感じられないですが、そこがまた良いと言いますか。





色々な角度から見れるのは飛行姿勢の良いところです。





以上、ユンカースJu87B-1スツーカでした。



【エアフィックス】1/72 ユンカースJu-87B-1スツーカ【プラモデル製作】

2023-08-18 06:12:27 | 航空機模型製作記
今回はナチスドイツの急降下爆撃機Ju-87スツーカを作ります。ドイツ軍の電撃戦を支えた飛行機です。有名機なので色々なメーカーがプラモデルを出していますが、エアフィックスのキットを作ります。


スツーカの名シーンである急降下しながらの爆弾投下を再現するために飛行状態で完成させます。機体を宙に浮かせるための台座が必要になるので、台座と機体を固定するための穴を開けます。
エアフィックスの近年のキットは、地上状態と飛行状態を選択できるようになっていて、飛行状態を作りたい人に優しいです。


機内を説明書通りに塗っていきます。


これも近年のエアフィックスキットの特徴ですが、操縦士の人形が必ず付属します。飛行状態だと操縦士がいないと様にならないですが、エアフィックスなら人形付きなので飛行状態作成への敷居がすごく下がるのです。


士の字にしました。風防枠は先に機内色に塗っておきます。


機体に塗装します。スツーカの迷彩は直線基調です。マスクするのが楽ですねえ。


機体塗装を終えてデカールを貼りました。ここから仕上げにエナメル塗料でフィルタリングを掛けます。
薄めたエナメル塗料を全体に塗って乾燥させたあとに、溶剤を含ませた綿棒やキムワイプで拭い取ります。完全にエナメルを拭き取るのは無理なので、多少は残るわけですがそれが味になっていいらしいのだ。


腹側にもフィルタリングです。塗るだけだとなんだか嘘っぽいスツーカですな。


エナメル塗料を拭き取るとこうなります。ちょっと青いのが残っていてなんとなくいい感じでしょ?


 
 


エンジンまわりにはオイル汚れを付けます。これもエナメルですね。


こんなもんじゃろー、と納得できたら次へ進みます。


台座と固定しました。ネジ止めです。


爆弾は機体の腕が伸びて今まさに離れんとする瞬間を切り取りました。
ちなみに、なんで腕を使って爆弾を投下するかというと、腕を使わないで投下すると爆弾がプロペラと接触して自爆してしまうからです。腕を伸ばすことで爆弾をプロペラの直径の外から放り投げるのです。


台座を据え付けて完成です。急降下気味の角度にするのがミソです。


飛行状態で作るのも素敵なものですね。
完成写真はギャラリーにて。

<使用塗料>
機体上面1:H64RLM71ダークグリーン
機体上面2:H65RLM70ブラックグリーン
機体下面:H67RLM65ライトブルー
機体上面フィルタリング:WC12フィルタリキッド・フェイスグリーン
機体下面:フィルタリング:WC09フィルタリキッド・シェードブルー
機内:H70RLM02グレー
プロペラ黄色:C113RLM04イエロー
計器盤・プロペラ:C11つや消しブラック
人形顔:N44薄茶色
人形服:H79サンドイエロー
人形手袋:H47レッドブラウン
人形靴:N2ブラック



 
 
 

C102お疲れ様でした! & 通販告知

2023-08-15 22:29:17 | 日常記
コミックマーケット102お疲れ様でした!

従前の告知通り、C102にサークル参加してきました。
サークルへ立ち寄ってくださった皆様、頒布物をご購入いただいた皆様、それにお声がけしてくださったフォロワーの皆様、暑い中どうもありがとうございました。
今回はまた暑さがしんどかったなあと思いました。暑さというよりも湿度ですね。すっかり湿気てしまい、翌日まで疲れで参っていました。

黒鉄重工本体がサークル参加するのは2019年12月のC97以来3年半ぶり6度目となりました。
前回の参加から今回までの間に他のイベントでコピー本を出してきましたが、コミケ向けに出すオフセット本へ掛ける情熱はコミケだからこそ向けられるものです。
そしてやっぱりコミケで同人誌を頒布するのは楽しかったです。久しぶりにこの感覚を味わいました。次回の冬コミは休みますが、また新刊を引っ提げて戻ってきますよ。


さて今回頒布しました拙著「安房トンネル工事の置き土産」ですが、おかげさまで想定以上の売れ行きとなりました。閉幕時の残りは数部とぎりぎりでした。
弊サークルの方針としては、初めて頒布する即売会で完売させることはご法度でして、絶対余るような数にしています。とはいえ無限に刷るわけにもいかないので、だいたい1年前後で完売できるような数を考えて部数を決めています。
それがぎりぎり完売しなかったという結果でした。まあある意味需要を読み切ったとも言えますが、年内だけでもあと数回イベント参加するつもりなのでこれじゃ全然足りません。というわけで増刷決定です。やったね。
というか今回のC102、前回までの入場制限が撤廃されたためか一般参加者の入りがよくて、売れ行きも多かった傾向だったらしいです。受給が安定するまであと数回試行する必要があるかも知れませんね。


さてここからは通販の告知です。
ビッグサイトへ行けなかった方々のために今回も通販をご用意しております。
BOOTHとメロンブックスの販路があります。ただしBOOTHは開始時期未定です。

↑メロンブックス


前述の通り、在庫が僅かなのでBOOTHの通販はまだ開始できません。増刷分が納品されてからとなります。開始したらご連絡します。
なおメロン通販の方はどうやら予約好調みたいで、枠がもうちょいで埋まるっぽいです。メロンからは「委託の数を増やして」みたいなことを言われたので、増刷分が届いたら追加委託するつもりです。そんなわけなので、早めにほしい方はすぐにご予約してね♡(煽り)


それとコピー本として頒布している「ゆるキャン謎解きタイムアタック」のBOOTHでのダウンロード販売を開始しました。「ゆるキャン△ドラマチック謎解きゲーム ふたつの宝地図とおもいでの旅」という参加体験型ゲームを公共交通機関縛りでプレイした時の最短時間を机上調査したものです。
こちらもよろしければどうぞ!


そんなわけで、C102の報告と通販告知は以上です。みんな買ってね。

【告知】コミックマーケット102にサークル参加します【8/13(日)】

2023-08-11 20:53:00 | 日常記
2023/8/1追記

コミックマーケット102にサークル参加します!
C102に当選いたしました。2019年12月のC99以来の参加(4年ぶり5度目)となります。
配置は2023年8月13日(日・2日目)東2・V35bです。



新刊の原稿を入稿できたので、頒布物の告知です。



新刊「安房トンネル工事の置き土産 奥飛騨の謎車両の正体を探る」
頒布価格800円
長野県と岐阜県に跨る安房峠の岐阜県側にある駐車場に置かれている鳶色の謎の車両(表紙に写っているやつです)をたまたま見つけた筆者は、得体の知れぬ正体を詳らかにするためにあれこれ調べたのでした。
謎の車両の正体はもちろん、その後の調査や駐車場に置かれた経緯まで調査分析をしました。また、この車両と密接な関係にある安房トンネルについても少し書いてあります。
初めは鉄道ネタとして取り組み始めた題材ですが、終わってみればドボク成分多めの内容に仕上がりました。ある意味当サークル史上最も濃い題材となっています。是非会場で手にとってお読みになってください。
B5サイズ、グレースケール印刷(口絵あり)、30ページ(表紙含む)です。


既刊「ゆるキャン謎解きタイムアタック」
頒布価格300円
2023年3月「鉄道&交通同人誌まつり」 での新刊です。コミケでは初頒布です。
2022年7月~8月に開催されたゆるキャンをモチーフにした屋外周遊型の謎解きゲームイベントがありました。自分もこのゲームをプレイしてクリアしました。
静岡県と山梨県の各地を移動してゲームを進行するんですが、移動手段は自動車が最適解となります。そこをあえて公共交通機関縛りで遂行した時の最短時間を自身のプレイ実績と机上調査で紐解いていきます。
コピー本、B5判、表紙込24頁、本文白黒印刷です。コピー本なので少数発行です。お早めにー。


既刊「北アメリカの路線バス車両 2014年~2016年」
頒布価格1,500円
北米のバス車両に焦点を当てました。大別して路線バス、高速/観光バス、スクールバスに分けることが出来ますが、今回は路線バスについてまとめました。例によって、カナダ在住時に撮りためたバスの写真を体系的にまとめたものです。
内容は、B5判、68頁(表紙含)、フルカラー印刷です。

既刊は下記のBOOTHサイトからも購入できますので、のぞいてみてくださいね。

黒鉄重工 - BOOTH

カナダの鉄道やバスの同人誌を販売しています。カナディアンパシフィック鉄道の蒸気機関車分類~初級編~(¥ 300), 荒野の大陸横断鉄道~アメリカ大陸横断鉄道開通150周年~(...



それでは「2日目 東2・V35b」でお待ちしています!

九州project 2 ~Phantom in Kyushu. その2

2023-08-11 06:24:33 | 旅行・イベント記
第3走者:JR鹿児島本線普通二日市(811系)博多9:58→10:01
では博多駅から鹿児島中央駅へむけて南下を始めます、といきたいところですが電車に乗ってひと駅目の竹下駅で降ります。JR九州の列車を撮影できる機会もあまりないものですから、ちょっと時間を取ったのです。30分くらい待てば貨物列車が通るようなので、それを待ってみるとします。
最初に来たのは811系1500番台更新車(P1512)快速荒木です。見た目はあまり変わっていないですが、実際は大掛かりな工事が行われたそうな。


車体はステンレス製だけあって帯が貼り替えられたくらいです。水戸岡鋭治っぽい単色に文字がたくさん入った意匠ですね。
一方車内は転換クロスシートだったのがロングシートに変わっています。走行機器もサイリスタ位相制御からVVVFインバータ制御に交換されて、これに伴い電動機も直流電動機から交流の誘導電動機に替えられました。結果、車体のドンガラ以外はだいたい全部いじられたことになります。あと20年くらいは使うのかな。


これは811系100番台(P103)鳥栖。これは未更新車ですな。


885系(SM7)特急「かもめ」8号博多。


787系(BM-2)特急「かもめ」15号長崎。


811系0番台(P15)二日市。


キハ71系「ゆふいんの森」3号別府。キハ71系の足回りはキハ58系由来なので随分長生きなものです。更新工事を受けてから20年くらい経っているし、いい加減乗りたいですな。


783系(CM14+CM24)特急「みどり」8号博多。


後ろはオレンジ色のハウステンボス塗装でした。一応撮影できたので良し。


813系200番台(R210+R211)快速荒木。


783系(CM11)特急「みどり」7号佐世保。


ED76形1021号機の貨物列車・・・なのですが、貨車なしの単機運行でした。残念です。


第4走者:JR鹿児島本線普通南福岡(811系)竹下10:43→南福岡10:48
811系1500番台(P1504)で移動を再開します。


第5走者:JR鹿児島本線区間快速二日市(813系)南福岡10:55→二日市11:10
乗り換えが続きます。二日市までは813系100番台(R107)に乗りました。


二日市駅でキハ185系特急「ゆふ」2号博多行が通過していきました。


第6走者:JR鹿児島本線区間快速羽犬塚(811系)二日市11:16→基山11:27
811系0番台(P13)に乗り換えます。


基山駅で下車します。ここで甘木鉄道に乗り換えるのです。まだ列車は着いていないようですね。


787系(BM-8)特急「かもめ」14号博多行が待っている間に通過していきました。


813系200番台(R207+Rxxx)区間快速福間。ちょっと撮影するにはいい場所ですね。

というところで今日はここまで。


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九州project 2 ~Phantom in Kyushu. その1

2023-08-10 05:52:48 | 旅行・イベント記
2018年9月19日(水)7時5分
静岡県牧之原市 富士山静岡空港
今回は夏の九州旅行5日間です。福岡県から鹿児島県まで、九州島を縦断します。
福岡県まではフジドリームエアラインズ(FDA)の飛行機でひとっ飛びで行きます。なんだかんだ行って飛行機で1時間強で博多まで行けるのは便利です。静岡空港の利用者数は長年伸び悩んでいるようですが、近くにこんな便利な交通機関があるのに利用しないのはもったいないと思います。


チェックインして保安検査場を過ぎます。地方空港は空港到着から搭乗までの動線が短く済むのが利点です。
確かこの頃から国内線出発ロビーが建て替えられたのでした。広くきれいになりました。



第1走者:フジドリームエアラインズJH141福岡(E175)静岡7:35→福岡9:30(20分早着)
これから乗る機材はエンブラエルE175 (JA07FJ) です。色はイエローです。


定刻に出発して離陸。


静岡あたりは雲が多かったです。


機内サービスの軽食です。軽食には通常お菓子が出されるのですが、朝方出発の便にはクロワッサンが提供されます。うれしいですね。


琵琶湖上空です。右下の湖が琵琶湖の端ですね。大津とか草津とかそのあたり。


もう福岡です。福岡市奈多あたりです。RWY16から着陸します。


無事着陸して誘導路を走行中。ANAのB767-300 (JA604A) とすれ違いました。スターウォーズのR2-D2特別塗装です。


駐機場に入ると隣にはまたJA604Aが。あれ、左右でデザインが違うんですか。こっちはBB-8です。
スターウォーズ飛行機はもう1機見ましたけど写真は撮れませんでした。
機材を降りて、バスに乗り換えて空港の建物まで移動します。定刻よりも20分も早く到着しました。ラッキーです。


史上最強の空港連絡鉄道、福岡市営地下鉄で博多の方へ出ます。新型車の305系がいたので一応程度に撮影。またいずれしっかりと撮影しておきたいですね。


第2走者:福岡市営地下鉄空港線筑前深江行(303系)福岡空港9:37→博多9:37
これに乗って博多駅まで移動します。希少なJR九州の303系でした。


博多駅のJR九州の券売機に直行して切符を受け取ります。すでにネット予約で手配済みでしたから、予約照会して受け取るだけです。
福岡市内から鹿児島中央までの乗車券が旅のお供です。後々乗ることになる特急列車等の切符も同時に受け取ります。


魅力的な特急列車の多いJR九州ですので、列車待ちの間に撮影をば。883系です。


こっちは787系。奥には885系もいます。


90年代前半の一部のJR特急車に見られる”肩幅”の広い車体断面が好きです。この787系もそうですね。前面は流線型ですが、真横から見ると傾斜は実はそんなに無いことが分かります。アムトラックのP42ジェネシスと似たような処理の仕方をしているのかなと思います。

というところで今日はここまで。


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北米project 5 ~How do you like Canada? その32【2016/6/15~22】

2023-08-07 22:08:23 | 海外旅行記
トロント・ユニオン駅で列車の撮影の続きです。
今度はGOトレインの列車が入ってきます。路線名や行き先は表示されないので、何線の列車なのかはよく分かりません。


MPI MP40PH-3C形 620号機(旧塗装)とバイレベル客車です。


おしりの制御客車は332号です。


あっちからはMPI MP40PH-3C形622号機(新塗装)が。新塗装機も一応撮影できました。


ホームに停まっているVIA鉄道の列車に戻ります。GOトレインのホームへは出入りが自由で改札すら無いのですが、VIAは改札があります。日本のように入場券も無さそうなので、ホームへ立ち入るには乗るしかないのです。ただし反対側のGOトレインのホームから撮影ができるのでほぼ問題ないと思います。


やはりかっこいいな、うふふ。
機関車はEMD F40PH-2D形6446号機です。客車はバッド製ステンレス客車です。骨董品コンビなのです。


F40PH-2D形はVIAが1989年から新造導入したディーゼル機関車です。これもアムトラックが運用していたものと基本的に同一の機種です。アムトラックではP42形に置き換えられて退役しましたが、VIAでは大規模延命工事を施工して現役を続けています。延命工事時にルネサンス塗装へ塗り替えられて若返りました。アイドリング音も素敵なんですよー。


客車は2両連結されています。これは8100形8117号です。この列車は「コリドー」の運用に就くと思いますが、だとしたらこの客車が連結されているのはちょっと変則的ですね。
8100形は通常「カナディアン」を始めとした長距離列車に充当されるからです。「コリドー」用の2等車とは座席数もちょっと少ないのです。何らかの理由で代走に入ったかもしれませんし、なんてことはなくこういうことは日常的なのかもしれないです。
なお8100形は元々カナディアンパシフィック鉄道が「カナディアン」用に新造した座席車です。製造年はなんと1955年です!この当時ですらすでに還暦を超えているのです。当然延命工事をしているわけですが、それを差し引いても驚異的な長寿命です。バッド・ステンレス客車の耐久試験でもやっているんでしょうか。


これは4000形4005号です。これは1等車です。2等車は4100形と呼ばれとります。また、VIAではまとめてHEP-2形と呼んでいます。
この客車群はカナディアンナショナル鉄道から引き継いだ普通鋼製客車を淘汰するためにアムトラックから中古で購入したものです。といってもアムトラックもこれらの客車は発足時に各地の鉄道会社から引き継いだ中古の寄せ集めです。なのでVIAが購入した時は中古の中古ということです。
なお製造年は8100形よりも古い物が大半で、この4005号はなんと1949年製!


客車のおしり。貫通路は柵が立てられているだけ。これで本線走行するんでしょうか?だったらちょっと信じられないことですが。20世紀じゃないんだから。

ちなみに!
VIAのステンレス客車については拙作の同人誌がありますので、より知りたい方は下記リンクからご購入を(宣伝)


ホームを移動する時に駅のロビーへ迷い込んだようです。なんちゅー天井の高さのある広間だ。照明の少なかった時代の建築物ゆえの空間でしょうけど、空間の使い方が贅沢と言いますか。
というか、トロントの一等地と言って良い立地に建っている建築物なのにあまり商業化の匂いがしないんですよね。駅ナカの概念はカナダにも無さそうです。


GOトレインを待っていたら、VIAの列車が推進運転で入線してきました。最前部にはオレンジベストを着た係員が前方監視しています。もうホームで停車するので、無線機片手に機関車の運転士と通話しているのでしょう。
車庫からここまで推進運転でやってきたんでしょうね。ヨーロッパみたいな入換機は使わないみたいです。
列車はF40PH-2DとLRC4両。これも「コリドー」で使われる列車だと思います。


この通り機関車は片運転台なので後方の視認性は皆無なのです。


機関車はEMD F40PH-2D形6449号機です。かっこいいですなあ。


なお、ホームの端からはCNタワーという通信/展望塔が見えます。1976年建築、高さは553mあります。2007年までは世界一高い構造物でした。
CNというのはこれを建てたカナディアンナショナル鉄道の頭文字からです。やってることは東京スカイツリーを建てた東武鉄道みたいなものかと。ただしCNタワーは現在国有化されています。
登ることも考えましたけど、トロントの土地勘が無いことと昨日のスカイロンタワーの景色で満足したので、今回は見送りました。なので旅行記で登場するのはこれが最初で最後です。

ちなみにここで立っていたのはCNタワーを見るためじゃなくて「カナディアン」の到着時刻がそろそろだったからです。西の方角を向いて待っていました。バンクーバーから来るからです。
そしてなんと遅れも無く本当にほぼ定刻で到着してきたのです。すごい!・・・ただし、入線してきたのは東側から。つまり反対側です。西から来ると思いこんでいたので、走行経路の下調べもしないで待っていたのです。見当が外れたので載せられるような写真はありません。とほほ。


気を取り直して「コリドー」の観察です。5両編成の好ましく端正な列車です。すばらしい。


側面の機体番号の下には小さくGPA-30Hの文字があります。これはVIAの社内形式です。それぞれG(EMD製)P(旅客型)A(運転台付)30(3,000馬力)、H(更新機)の意味です。ただしギークの間でこの型番で呼ばれていることはあまり無いようですが・・・。
ディーゼル機関車といっても、エンジンは発電用で車輪を動かすのはモーターの電気式ディーゼル機関車なので、台車はどちらかというと電車っぽい雰囲気だと思います。


F40PHの原型機と更新工事を受けた-2D型の大きな違いは車体後端にあります。更新工事でHEP用補助エンジンを追加搭載したので、それの覆いを後端に追加したのです。原型機では後端はデッキになっています。
HEP (Head-End Power) とは、いわば客車用のサービス電源です。走行用エンジンから電力を拝借する方式と別のHEP専用補助エンジンを用意する方式が主です。これにより従来の車軸発電機が不要となり、照明や冷暖房などで電気に不自由することが減りました。
日本だとこういうサービス用電源は客車に搭載することが主でしたが、北米では機関車に載っけているというわけです。これは、ディーゼル機関車に蒸気暖房装置を搭載していた流れを汲んでいるのかと考えられますね。


LRC客車1等車の3473号。
LRCは1980年に登場した、機関車と客車のセットで運転される旅客列車です。軽量・低重心で高速性を追求した車両です。客車にはなんと制御振り子装置が搭載されていたのです。そういうわけでこの客車、他と比較して屋根が低いのです。車体断面も六角形。なんとなく381系みたいです。
この列車長くは続かず20年くらいで運転をやめました。機関車は廃車になりましたが客車は振り子装置を停止させて今も運用に入っています。骨董品のステンレス客車よりは新しいですしね。
これの話はまた追々そのうちいつかしようと思います。


2等車3331号(新塗装)。


2等車3334号(旧塗装)。

ユニオン駅ホームの撮影はこのくらいにして、場所を移そうと思います。

というところで今日はここまで。


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北米project 5 ~How do you like Canada? その31【2016/6/15~22】

2023-08-03 21:53:52 | 海外旅行記
2016年6月18日(土)7時23分
オンタリオ州ナイアガラフォールズ ナイアガラフォールズ・トランジット・ターミナル
カナダ旅行の3日目の始まりです。今日は移動日となりまして、カナダの首都オワタ・・・もといオタワまで移動します。その道中、トロントで少し寄り道をします。
朝7時には2泊世話になったホステルを出発し、すぐそこのバスターミナルで路線バスを待ちます。
乗るバスは、7:27発のGOトランジット#12系統バーリントン駅行です。終点バーリントン駅でトロント行のGOトレインと接続します。1度の乗り換えでトロントへ行けるわけです。車両は二階建てバスのAD Enviro500 Go-Anywhere (#8168)です。


嬉しいことに二階の最前列の席に座ることが出来ました。ここからの前面展望は実に眺めが良いのです。初めて通る道路の前面展望なのでうきうきです。最高のオタ席でしょう。ちなみに、カナダのバスの場合、ノンステップバスにはオタ席がありません。あしからず。


ハミルトン市の北、オンタリオ湖西端のバーリントン湾を短絡する橋を渡っている時に興味深い可動橋を見つけました。これは「バーリントン運河可動橋」(Burlington Canal Lift Bridge)と言います。両側に鉄塔を設けた設計なので、昇開橋に分類される可動橋です。長さ116m、上昇時の海面高さは最大36.5m、下降時は約5mです。
1826年の開通以来現役を続けている可動橋です。運河自体も通行量が多いので、頻繁に橋が可動しています。開通時から数えた運用回数は20万回を超え、年間4000回も上げ下げしているのです。
詳しくは下記リンクから。




バスはというと「バーリントン湾・ジェームズ・N・アラン・スカイウェイ (Burlington Bay James N. Allan Skyway)」という橋を走ります。片側4車線ぞ!


バーリントン湾を横切れば、バーリントンの街に着きます。


8:52。バスがバーリントン駅に着きました。鉄道とバスの結節点の駅なので規模が大きめですが、駅の看板が小さかったのが少し寂しいですかね。
前述の通りここからGOトレインに乗り換えます。


9:07発のレイクショア・ウェスト線(湖西線!)ユニオン行 (Lakeshore West to Union) に乗ります。ユニオン行とはすなわちトロント行ということです。
GOトレインは通勤路線という性格から大半の路線は土日は運休となってしまうんですが、レイクショア・ウェスト線は全日運行です。運休してしまう他の路線は路線バスが代行運転します。ただしこれは当時の話で、執筆時現在は全日運行の路線が増えてきたようです。
列車はMPI MP40PH-3C形609号機とバイレベル客車です。どちらも旧塗装のコンビでした。これに1時間弱揺られてユニオン駅まで乗り通します。到着は10:10です。ナイアガラフォールズから2時間40分の移動であり、結構時間がかかるものですね。



同日10時10分
オンタリオ州トロント トロント・ユニオン駅
ユニオン駅に着いたら、駅を発着する列車を駅撮りします!これがまず今日1つ目の目的です。ユニオン駅には、GOトレイン、VIA鉄道、UPエクスプレス(空港連絡鉄道)が乗り入れています。貨物列車はここを通らないみたいです。あとは地下になりますが、地下鉄と路面電車も乗り入れてきています。
事前の下調べで、VIA鉄道が何本か撮影できそうなことは把握していたので、それを待ち構えることにします。
何と言っても今日はバンクーバーから遠路はるばる走り通してきた大陸横断列車「カナディアン」がユニオン駅へ終着する日です。これが撮影できたら花丸満点です。といっても大陸横断列車だと時間単位の遅延が当たり前なので、見かけたらラッキーくらいの心構えでいます。
まずは到着迫るVIAの「コリドー」を迎撃します。ユニオン駅はこんなに必要なのかというくらいホームが乱立していますが、VIAの発着番線は見たところ決まっているようなので、その中から撮影に適した位置を見つけて待ち構えます。
それが上写真のところなわけです。場所を見つけるというか、列車を降りたところが好適そうだったからっていう。ホームが線路の両側にありますし、高さも低いので簡単に線路を横切れそうですが、やっちゃだめですよ~。


構図を決めかねているうちに早速VIAの列車がやってきました!はいはい、これですよこれ!これを見たかった!
列車はVIA鉄道の稼ぎ頭、都市間特急「コリドー」です。これはウィンザー発のコリドー70号だと思います。
ディーゼル機関車に客車数台を連結した列車です。二階建て客車とか制御客車とかがない、正統派の客車列車なのが魅力の列車なのです。


先頭の機関車はGE P42DC形913号機。ジェネシスの愛称のあるディーゼル機関車です。車体を見れば気づくかも知れませんが、アムトラックの主力機関車と同一形式です。基本性能も同じです。細かい点は違うようですが。塗装は独自のルネサンス色で、これがおしゃれで秀逸なんですよね。


「コリドー」の客車は主に2種類で構成されています。ひとつは骨董品のバッド・オールステンレス客車。もうひとつはこのLRC客車です。
LRC客車はもともとその名も「LRC」という専用の列車に連結されていました。高速性を追求した列車で、専用の機関車と客車で構成されていました。後にLRC機関車は廃車されてしまいましたが客車は続投が決まり、現在まで運行されています。機関車の屋根高さとの違いが凸凹っぷりを出していて客車列車っぽいですよね~。
写真の客車は3472号で、1等車(ビジネスクラス)です。1等車は専用のルネサンス塗装に塗られています。左右非対称の躍動感ある塗り分けと機関車と合わせられた黄帯の高さが美しいです。


これはLRCの2等車3307号です。LRC原色塗装と塗り分けは同じですが、裾部分がルネサンスの青緑色に塗り替えられています。


最後は2等車3325号。これはLRC原色の旧塗装車です。ルネサンス塗装が出てきてから日が浅いわけじゃないんですが、塗替えそんなに熱心じゃないんすね・・・。


「コリドー」を見送ったら陣地転換して、GOトレインの撮影に移ります。
GOトレインの乗り場は両側ホームなので停車中の編成写真を撮るには向いていませんわね。26番線ってなんやねん。
写真の制御客車は305号。


ホームを変えてGOトレインの後追い撮影。機関車はMPI MP40PH-3C形653号機(旧塗装)。


望遠でうねうね~。2階建て客車が10両編成くらいになっているので、215系みたいな感じなんですよね。


奥の留置線にはバッド車2両と機関車がいました。あれがまだ現役やってるんだよなあ。


UPエクスプレスの1000形(仮称)1008号がユニオン駅に到着しました。ここからだとよく見えますね。以前も書きましたが1000形は日本車両製です。


貫通型車両が先頭に出ているけど、向きが逆だ~。


VIAの見えるGOトレインの番線に行くと、F40PH-2D形6446号機と骨董品がいました。ちなみに、VIAのホームへは改札を通らないと入場できませぬ。

というところで今日はここまで。


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