Historic Jazz Concert at Music Inn/Various Artists
(Atlantic 1298)
(Atlantic 1298)
Music Innの「inn」とは英和辞典を紐解くと「階下で飲食店・居酒屋を兼ねた旧式の二階建ての小旅館,小ホテル」と記載されています。Music Innのイベントはマサチューセッツ州の山間部の避暑地レノックスでホテル(inn)を経営するBarber夫妻が1950年代の後半にこの地にジャズメンを招き,ジャズに関するパネルディスカッション,レクチャー、コンサートを開いたモノです。このイベントに主役的な役割を果たしたのがMJQとジミー・ジュフリーであります。ジャズファンには1958年のMJQとソニー・ロリンズのセッション(atlantic1299)が知られていますよね。本日アップのアルバムはこのロリンズ参加盤とは一番違いの1298、ジュフリーを中心とするセッションを収録したモノです。
メンバーはこの美しいカバーからも読み取れますが,Jimmy Giuffre(cl, ts), Pee Wee Russell(cl), Rex Stewrat(tp), Herbie Mann(fl), Teddy Charles(vib), Dick Katz, George Wein(p), Percy Heath, Ray Brown(b), Oscar Pettiford(cello, b), Connie Kay(ds)と言う新旧入り交じった名手からのピックアップメンバーです。演奏はイベントに集ったメンバーのblowing sessionであることから,いずれも長尺の演奏で各面2曲ずつです。A-1はGiuffreとPee Weeのクラリネットの競演が目玉の"Blues In E Flat"で幕を開けます。A-2がエリントニアンのRexのトランペットとGiuffreのテナーが活躍するエリントン曲"In A Mellotone"です。リズムセクションはストーリービルのオーナー, George Weinのピアノ,Pettifordのベース,Connie Kayのドラムです。B面に入って、Giuffreのリリシズムを強く感じるオリジナル"The Quiet Time"が聴かれますが、Charlesの美しいヴァイブソロがいいですね。このアルバムの目玉と思います。ピアノを廃したカルテットの演奏でGiuffreはクラリネット,ベースはPercy Heath, ドラムはConnie Kayです。この曲は有名なTeddy Charles Tentet(1229)でも取り上げられていますね。トリはHerbie MannのフルートとPettifordのcelloが聴きモノの"Body And Soul"です。Dick Katz, Ray Brown, Connie Kayのリズムも手堅いですよね。
所有盤はアトランティックのモノラル,オリジナルの黒レーベル,シルバーロゴです。コーティングカバーが美しいです。Music Innの貴重な記録を残した渋いメンバーの競演ですね!