The Swingin'st/Vido Musso
(Crown CLP5007)
(Crown CLP5007)
こんなthick-toned tenor saxophonistもいいですよね。Vido Mussoはその名前のとおり,1913年イタリア,カリーニの生まれです。1920年代に家族がアメリカに移住しデトロイトに住みついたようですね。Mussoは最初,クラリネットを吹いたようですが後にテナーに転向します。ベニー・グッドマン,ジーン・クルーパ、ハリー・ジェームス、ウディー・ハーマン、トミー・ドーシー楽団、スタン・ケントン楽団と有名ビッグバンドでプレイし名を挙げていったようです。とくに,ケントン楽団での“帰れソレント”へのプレイ, そしてここでも演奏されているベニー・グッドマン楽団での"Sing, Sing, Sing"のプレイが広く知られているようです。彼のテナーは,一言で言うとR&Bテイストの強いスイング系ブローテナーと言えるのではないでしょうか。ダイナミックでフルトーンでならすスタイルはホンカー的ともいえますね。
本日アップのVidoのアルバムは楽器をのせたコンバーティブルを運転する女性を捉えた印象的なカバーです。Vidoの名前よりも有名なカバーかもしれません。1956年の録音でメンバーには、若き日のメイナード・ファーガソンの参加がありますよね。他のメンバーはChico Alvaraz(tp), Milt Bernhart(tb), Willard McDaniel(p), Jackie Mills, Bobby White(ds)がクレジットされてます。ベースもギターも入ってますがなんにも記載されていないいい加減さがR&Bっぽいですね。演奏曲も前述の"Sing, Sing, Sing"をA-1に持って来ています。ドラムを相手にブローするVidoのプレイにニンマリしますよ。続く曲もブギウギなどR&B色の強い演奏がつづきます。B面の"Vido's Boogie", "Rock House Blues", "Russian Lullaby"でのブローも聴きモノです。
さて,このアルバム,ModernというR&B系のレーベルがオリジナルのようです。所有盤はCrownからでた再発じゃないかと思うのですが,このモノ盤も分厚いビニル,両面溝付きのラベルです。でも,なんといってもこのカバーでしょうね!