The Hard Swing/Sonny Stitt
(Verve MGV8306 Jp. reissue)
(Verve MGV8306 Jp. reissue)
常にチャーリー・パーカーの影を引きずったアルトプレイで知られるスティットはその実力にも拘らずアルトサックスでは過小評価を最も受けたパーカー派のアルトイストではないでしょうか。個人的には最もパーカーに近いアルトプレイだと思えますが、長生きで多作故、また、これまた実力以下の評価しか受けていないテナーのプレイ故に、焦点がボケてしまい今一歩ジャイアンツの仲間入りできなかった感は否めません。VERVE時代の諸作がカバーも優れたものが多く、彼のリーダー盤では個人的には最も気に入っています。本日は先日の長谷川穂積の鮮烈TKOを思わせるようなKOパンチのカバーが印象に残る"The Hard Swing"をアップいたします。
メンバーはAmos Trice(p), George Morrow(b), Lenny Mcbrowne(ds)と言う通好みのプレイヤーがサポートします。特にハロルド・ランドのジャズランド盤"Ho!"でのプレイで知られるエイモスやリバーサイドやパシフィックにリーダーアルバムがあるレニーの参加が嬉しいですよね。A面からスティットのパーカーライクなアルトが炸裂し「チャラリチャラリ、チャラリラリラリラ」のとくいフレーズが連発します。この面では冒頭の"I Got Rhythm"、”If I Had You"がいいですね。B面は一曲目のお得意のブルース"Blues for Lester"がブルージーで泣かせますが、"Street Of Dreams", "The Way You Look Tonight", "Tune Up"の3曲がテナーで演奏されています。これを聴くとボステナーことアモンズやズートなどとバトルで対等にわたり合える実力を認めざるを得ないでしょうね。
所有盤はポリドールが出した国内再発盤ですが、このジャケのインパクトの強さは一回見たら忘れられない強烈パンチですよね。