67camper's Blog

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RCAのデスモンド、もっと評価されていいのでは?

2010-08-09 00:18:32 | jazz & vocal

Bossa Antigua/Paul Desmond
(RCA RCA-6216 jp. reissue)


 アルトサックスという楽器はジャズでは花形楽器ですが、どのプレイヤーも大御所チャーリー・パーカーの影響が大なり小なり感じられるのが普通です。模倣と言われてアルトを吹くのをためらったスティットや奥さんまで娶ってしまったホワイトパーカー、フィル・ウッズなんてプレイヤーもいますが、パーカーから最も遠いアルトサックス奏者はまぎれも無くこのポール・デスモンドでは無かろうか?

 ブルーベックと長年、コンビを組んで活動したが60年代前半、RCAと契約し時代の波に乗って出したアルバムはどれもメローで、時代の波ボッサをアルバム全体に取り入れた作風は個人的には好感が持てます。以前にアップしたテイクテン同様に相方にJim Hall(g)を迎え、Gene Wright(b), Connie Kay(ds)からなるピアノレスカルテットで録音した 本作も捨て難い魅力を持った好アルバムに仕上がっています。柔らかでしなやかなフレージング、独特の音色を持ったデスモンドのアルトの独壇場ですね。コードワークを中心としたバッキングに定評があるジム・ホールのプレイも光ります。後にも、アランフェスなどジムのリーダー盤にデスモンドが客演し名演を生んでおり、この組み合わせもデスモンド/ブルーベックに勝るとも劣らない共演であると言えると思います。タイトル曲"Bossa Antigua", A-4の”Samba Cantina", イパネマの娘に引っ掛けて作曲したと言う"The Girl From East 9th Street"など甘美なメロディと二人のプレイが見事で極上のイージーリスニングジャズになってますね。

 所有盤はRCAの国内盤再発です。RCAのデスモンド、もっと評価されてもいいのにって思います。