Keep Swingin'/Julian Priester
(Riverside RLP12-316, jp.reissue)
トロンボーンはJJの登場以来,モダンジャズでは重要なインストルーメントですが、白人プレイヤーと異なり,黒人ではとってもアーシーで泥臭いブルースフィーリングむき出しでプレイするトロンボニストが多いですよね。白人のプレイに近いJJとは全く異なった雰囲気はむしろ黒人プレイヤーの主流とも言えるのではないでしょうか?ジュリアン・プリースターもそんなスタイルで登場して来たトロンボニストで、このリバーサイド盤では特にアーシーなプレイに終始しており、個人的には後のドルフィやリトルなどとの共演盤よりずっと聴き易くていいですね。
メンバーはJimmy Heath(ts), Tommy Flanagan(p), Sam Jones(b), Elvin Jones(ds)がクレジットされており,ヒースを含む五重奏団もしくは抜きの四重奏団の演奏が収録されています。このブルースフィーリングが如実に現れたのが各面冒頭の2曲のブルースナンバーです。サムのウォーキングに始まるA-1"24 Hour Leave"とカルテットのB-1”Bob T's Blues"のプレイが実にアーシーでいいですね。いつもより粘っこいブルースピアノを聴かせるトミフラもいい感じです。また,B面ラストの”Julian's Tune"のエルビンとの2小節交換もアルバム最後を飾る聴きものとなっています。
所有盤は国内盤再発です。オリジナルはえらく高価だった記憶があります。白人拳闘家の前で力強くtbを構えるプリースターの姿が印象的なジャケットですね。