67camper's Blog

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渡辺香津美の職人を思わせる太く短い指

2012-03-29 07:21:13 | jazz & vocal

Monday Blues/Kazumi Watanabe
(RCA PG1505, reissue)

 ジャズではギターは決してメジャーな楽器であるとは言い難いですが,日本においては小振りで移動が楽だったり、楽器として習得するには身近なことが影響しているのか世界的レベルのプレイヤーまで多く輩出している背景がありますよね。多くのプレイヤーはロックギターやクラシックギターを対象としてこの楽器に触れ,その延長線上にジャズギターって言うのが存在しているように思います。本日アップの渡辺香津美もフュージョンエラになった時代に名前が売れて来たギタリストであり,今や本邦を代表するトッププレイヤーと言っても過言ではないでしょう。こうして名声を得る前の若くしてピュアなジャズギターを弾く香津美のギターにスポットを当ててみます。本日のアップは74年録音のRCA盤”Monday Blues"です。

 この録音時,まだ20才を過ぎたばかりの若造ですが中低音を生かした香津美のプレイは既に卓越した個性を感じます。メンバーは五重奏団編成で渡辺香津美(g)、土岐英史(as, ss)、板橋文夫(p),岡田勉(b)、日野元彦(ds)の5人です。自作曲2曲,サックスの土岐のオリジナルが1曲、スタンダード3曲のバランスが取れた選曲も良いですね。何と言っても、A-1タイトル曲の”Monday Blues"のソウルフルなフレージング,中低音を生かしたプレイが印象的です。"Child Is Born", "Round Midnight", "Here's That Rainy Day"のバラードプレイのリリカルな味わいも捨て難いですね。サイドメンでは,昨日の辛島同様,モーダルでマッコイ的なプレイを聴かせる板橋のピアノが光りますね。

 所有盤は再発廉価盤です。ギタリストと言えば,細く長い指が有利のように想像しますが,香津美の指を見ると,ジャケ写のように決して美しい指ではなく,むしろ武骨で短く太い指です。この指からくり出される迫力あるフレーズこそ香津美の真骨調ですね。