Sonny's Crib/Sonny Clark
(Blue Note 1576 jp. reissue)
大きな声では言えないですが、パウエル,モンクどうも敷居が高く感じられて、実はあんまり好きじゃなくソニクラ、ケリー,トミフラ、ガーランドがすっといいと感じ密かに愛聴しているジャズファンは相当数にのぼるのではと推測いたします。さて今日はソニークラークです。前述の4人の中でも西海岸でキャリアを積んでNYに登場した点でも異色ですし、日本での人気は本国以上であることは良く知られている事実です。もはや説明の必要がないブルーノートのアイドル的ピアニストですし,BNのトリオ盤とクールストラッティンはBNきっての人気盤です。一方,他のコンボ盤は駄盤ではないでしょうが,前2枚の影に隠れて過小評価されていると感じるのは自分だけでしょうか?本日はこのコンボ盤から"Sonny's Crib"をアップいたします。
メンバーはDonald Byrd(tp), John Coltrane(ts), Curtis Fuller(tb), Sonny Clark(p), Paul Chambers(b), Art Taylor(ds)のセクステットです。今となっては,超豪華メンバーのキャッチフレーズがつきそうな鉄板メンバーですが,恐らく当時は全員が売れている訳ではなく,ライオンが若手の有望プレイヤーをソニクラの家(cribは自宅の意,実際はスタジオでしょうが)に集結させてセッションを行ったっていう設定かも知れませんね。コルトレーン参加はやはり目玉で持ち前の硬質サウンドはもうすでに十分な個性です。A-2"Speal Low"のテーマからソロに入って行くくだりは圧巻です。カウンターメロディを吹くバード,フラーも好調そのものですね。そしてクラークの艶のある独特サウンドのピアノが絡んできます。ケリーのようなきらびやかな印象はないのですが,自然に揺さぶられるスウィング感はソニクラ独自の才能ですね。やはり"With A song In My Heart", "Come Rain Or Come Shine"とスタンダードが並ぶサイドAが好きですね。
所有盤はキングが出した再発盤です。目立ちませんが,やはり1500番台,駄盤がある筈もなく,真剣に対峙すればまだまだいろんなモノが見えて来る好セッションだと思います。ソニクラ最高!!!