風を紡いで

旅の記録と料理、暮らしの中で感じた事などを綴っています。自然の恵みに感謝しながら…。

彼女のハートマーク!

2005年12月08日 | 2005年コッツウォルズ母娘旅
今年二月、末の娘と欧州を旅した時の事。最初はツアーを考えていたのだが、いろいろ計画を練っていくうちに、ツアーでは収まらなくなってしまった。英国の田舎コッツウォルズの美しい風景の中でゆったりとした時を過ごしたい…、フランス・パリでは本物のフランスパン(バゲットなど)を味わいたい…、そのためにパン屋めぐりもなどと。この二点に焦点を絞り、スケジュールを組んでいくと、個人旅行が一番ということになったのだった。

コッツウォルズの美しい風景に魅了され、英国人の優しさや温かさに感動するシーンが何度もあった。そんな英国を離れ、フランスへ渡る時の事だった。パディントン駅から鉄道で行くことに決めていた。余裕を持って乗車時間を設定していたので時間はたっぷりあった。駅で買い物をしたり、お茶を飲んだりしようということになり…。娘がお菓子ショップに行けば、私は荷物番。娘とチェンジして、私はお土産を探すことにした。

日本でいうキヨスクのような小さな売店での事だった。その時、私は手持ちのコインを使い切ってしまいたかったのだ。値段に見合う文房具を探したが、なかなかちょうどいいのが見つからない。「探す時っていつもそうなのよね」なんてブツブツ言いながら…。気に入ったのがあったかと思うと、値段が合わないのだ。トラベラーズチェックはあるものの、崩したくない。なかば意地になり、キョロキョロ探す私、ちょっぴり変と思いながらも止まらない…。

「あった!」
とうとう見つけたのだ!ハート型の真っ赤なエンピツを!針金細工のように、頭の所がハート型にくるりと曲がった長いエンピツ。すっかり気に入って手に取ると、2セント足りないのだ!!どうしよう?????頭の中は?マークでいっぱい。
「欲しいなあ~」
「でも2セント!足りないよお~」
買うのをやめるるべきか、なんとか買うべきか?悩み抜いた末の結論が出た。
「ディスカウント!!そうよ!出来るかどうか聞くだけ聞いてみよう!」


ちょっと恥ずかしかったが、若く美しいイギリス女性に聞いてみた。
「OK!」
あっさりと答えるではないか!
「え?本当?」
思わず聞き返す私に、微笑み返してくれたのだ。私の顔もにっこりと緩む。日本では考えられないことなので、気持ちはほっこり!!
「たかが2セント、されど2セント」
そんな心境になり、彼女が女神に見えてくるから、不思議。

その真っ赤な「ハート型エンピツ」は、私の宝物になった。本当のところは、長女へのお土産のひとつに考えていたのだが、おしくなった。英国の彼女の優しい笑顔とともに!!「ハート型エンピツ」は私のお気に入りの仲間入りをしたのだった。
コメント (2)
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