二〇二四年十二月九日(月)。
早朝(午前五時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
朝食(午前八時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
昼食(午後一時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
夕食(午後六時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
コーヒーカップでコーヒー飲むのかと思ったらなんか食べてたの、タマ見たよ。
うん。プリンだね。
タマ始めて見た。美味しいの?
まあまあかな。買ってきたプリンじゃなくて家のオーブンで焼いて冷ましておいたんだ。そう言やタマは始めて見たはず。
プリンっておうちで出来るんだ。
というのはこの物価高続きだろ?ストレスの蓄積度も尋常じゃないわけで元々甘いものはあんまり好みでなくても甘いものが食べたくなる。でもそうしょっちゅう買ってばかりじゃやっていけない。でもシンプルなプリンとかなら家にある材料で賄ったほうが長期的に考えてエコノミーだからね。上手く行ってよかった。
甘そうだけど何だかちょっぴり香ばしいんだね。でも猫が食べるもんじゃないってのもわかった。だから気になったんだ。とはいえね、一番気になったのは何だと思う?
さあ、何だろう。
えへん。コーヒーカップが出てきたからといって必ずしもコーヒーを飲むとは限らないってこと。
そう。よく気が付くようになってきたねタマ。ほめてあげよう。ほうら、頭すりすり。
ん?それって何か誤魔化されてるような。でも気持ちいいや。
ちなみに抹茶茶碗が出てきたとして、だからといって必ずしも抹茶を頂くとは限らない。
ということでしょ?
その昔かなり名品の抹茶茶碗でミルクを飲んでると高笑いを気取ってた日本有数の大批評家がいたんだけど、タマ、誰のことだかわかるかい?
わかんないに決まってるじゃん。
そりゃもう昭和の逸話ってのはひどいもんでね、駄法螺吹いてお金稼いでる人々が星の数ほどもいたんだ。
で抹茶茶碗でミルク飲んでるって豪語したのは誰なの?
小林秀雄っていう人なんだけど、そこそこまともなこと言ってたのは昭和五年から太平洋戦争が始まる前くらいの時期かな。まあかなり有名で時々鋭い批評をものにしてたのは確かだ。でも持ってる抹茶茶碗の価値まで見抜く幅広い鑑識眼や洞察力があったかどうかははっきり言って疑わしい。
どういうことなの?一芸に秀でる者は多芸に通じるとかって聞くけど。
そりゃ簡単なことさ。どんな分野でもまずは基本の繰り返しから念入りに始めれば誰にでもできるようになるっていう当たり前の話。ところが小林秀雄が重宝した茶碗は子供の頃から骨董好きだった青山二郎が太鼓判を押した品だからまず間違いないだろうと思って弄んでただけのことでね、小林の骨董自慢は青山二郎の受け売りに過ぎん。
はあ、そんなもんですか。
黒猫繋がりの楽曲はノン・ジャンルな世界へ。ジャブー。いわゆるブリストル・サウンド。といってもジャブーの音楽自体が色々変化してきたことからもわかるようにその要素はエレクトロニカ、エクスペリメンタル、オルタナティヴ・ヒップホップ、レゲエ、ダブなど解像度を上げていくときりがなく分解されうる。そういう聴き方よりも今作は今作のポップでいいのではと思える。
今日ももうひとつ。ティルザ。ひたすら安全牌ばかり取ってきた日本の歌謡界がとうとう追い抜かれる日はもうそこまで迫ってきている予感がする。実際に一日分追い抜かれたと気づいて慌てて挽回することにしたとしよう。でも他国のアーティストもみんな一日分やるわけで一度開いた距離がさらに開くことはあっても近づくことはない。