二〇二四年十二月十六日(月)。
早朝(午前五時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
朝食(午前八時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
昼食(午後一時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
夕食(午後六時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
それなんて言うの?タマ始めての香りだ。
ピラフだね。
この前に作ってたチャーハンとは違うの?
ちょっと違う。チャーハンも作りたてをすぐ食べると胃にしっくりくるしよく火を通しておくとお腹が温まるいいメニューだね。
飼い主の妻って精神的に難しい病気を患ってるからタマは時々お布団のそばに寄り添ってあげてるんだけど、その時みたいにうれしそうな顔で食べてた。
ピラフは滋賀県に引っ越してくる前から飼い主がよく作ってたメニューのひとつでね。妻の好物でもあるんだ。京都の長岡京市ってところの賃貸住宅に住んでたんだけどお安く仕上げる工夫を色々してた時期にまあまあのを作れるようになった。それだね。
独特の香りはなんなの?
バジルかい?
タマは初めて。香ばしくていい感じだなあ。
とはいえね、タマの食事には猫が好きないろんな成分が入ってるよ。
だけど人間って猫には理解できないほど大量にたくさん香りをかき集めてあれこれ料理しちゃうんだね。見た目も味も香りもお腹に入った時の感触もなんだかんだ変化がないと飽きちゃうなんてよほど贅沢っていうか不便っていうか。
不便、ね。そうかも知れないなあ。合理化できないし、こればっかりは。
でも戦時中は無理やり合理化したんでしょ?いつだったかテレビでやってたよ。
そうだね。人間集団というのは何年かに一度くらいおかしくなるんだ。例えばギリシア悲劇なんか見てるとそんな例がこれでもかと詰め込んである。近代になるともっとはっきりしてきた。ニーチェが皮肉ってる。
「今では何か戦争が勃発するやいなや、きまっていつも同時に民族の最も高貴な人士の胸中にすら、秘密にされてはいるものの一つの喜びが突然に生ずる。彼らは有頂天になって新しい《死》の危険へと身を投ずる、というのも彼らは祖国への献身のうちに、やっとのことであの永いあいだ求めていた許可をーーー《自分たちの目的を回避する》許可を手に入れたと、信ずるからだ。ーーー戦争は、彼らにとって、自殺への迂路(うろ)である、しかも良心の呵責をともなわぬ迂路である」(ニーチェ「悦ばしき知識・三三八・P.358~359」ちくま学芸文庫 一九九三年)
黒猫繋がりの楽曲はノン・ジャンルな世界へ。ウール&ザ・パンツ。年末年始の大掃除は師走にまとめてじゃなく一年間通して少しずつやっていくスタイルなので十二月に入ったからといってさほど慌てる必要はない。なので多少なりともいつも世の中とずれているわけだが、そうすることでこんな音楽にもゆっくり耳を傾けて体を休める機会が持てるという利点がある。