二〇二四年十二月四日(水)。
早朝(午前五時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
朝食(午前八時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
昼食(午後一時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
夕食(午後六時)。ピュリナワン(成猫用)とヒルズ(腸内バイオーム)の混合適量。
夕食後は随分走り回って遊んだねタマ。
うん。今日もお昼はほとんどコロの上でぐっすり眠れたから力が湧いてきた。
まだ夜中はエアコン付けないから朝は冷えるんだけどソファの隅でお利口にしてるし。
そうさ、こじんまりと丸くなるだけでも猫は体温調節の点でかなりエコノミーにできてるんだ。
でも飼い主の部屋にやって来て本棚の前で立ち上がると大きめのイタチくらいの背丈になるなあ。
イタチさんって大きいの?
タイプによるけど前足を持ち上げたまま後ろ足だけで背筋を伸ばして様子を伺う姿がタマに似てる。イタチの専売特許みたいに言われてるけど猫も結構やるよ。
イタチさん、見たことあるの?
あるよ。飼い主の実家はウナギの寝所って言われるような民家だったんだけど、床下が隣接する大寺院の境内と繋がっててね、夜中になるとそこからうちの台所まで残飯を漁りにやって来てたのさ。うっかり目と目が合うとビカッ!って光を放ってね。深夜のイタチの目ってのはほんと人間の意表を突くというか。見てしまった側を一瞬凍らせてしまうほど鋭いのさ。でも環境悪化でほぼいなくなった。小さな箱庭があったんだけどそこでは年に一度くらい蛇の脱皮を見ることもできた。月の光に照らされて実に幻想的な光景だったなあ。
野良さんは?
野良猫は可愛いから家に持って帰る人が結構いた。ちなみに琵琶湖畔へ引っ越してからだけどこの近くにもイタチはいるんだぜ。
ほんと?でも住宅地が増えたって聞いたけど。
と思うだろ?田んぼの数は確かに見るみる減った。でも残ってる田んぼからJRの高架下で延々草ぼうぼうのところまでは歩いて二分とかからない。幾らでも巣は作れる。そこから山際までは田んぼや水路や神社仏閣で繋がってる。まだ多少なりともイタチが暮らしていけそうな環境が残ってるのさ。
山の上には行かないの?
行かないな。イタチは山中で暮らす鷲とか鷹とかに常に狙われてるからね。琵琶湖と山際の間くらいがちょうどいいみたいだ。野良猫にも狙われるから結構俊敏性が問われる生き方だよね。
タマの立ち方に似てるのかあ。一度イタチさんに会ってみたい気がする。
ちょっと無理だね。夜中じゅう家のドアを開けっぱなしにして残飯を食べに来れるようにしておいてなるべく人気を感じさせない状態を作っておかなきゃ。でもさ、もし本当にイタチがやって来たらタマとばったり遭遇するかもしれない。そのときタマはあの獣の目の光に耐えられるか?ってなるわけだけど、その前にご近所さんが心配して覗いてくれるよ。あの~、もしかしたら空気の入れ換えかも知れませんが、ええと、この寒いのにドア開いてますけど猫さん大丈夫ですか?って。
ご近所さん、タマのこと知ってるの?
ああ、知れ渡ってる。初代からね。
黒猫繋がりの楽曲はノン・ジャンルな世界へ。ジャブー。いわゆるブリストル・サウンド。といってもジャブーの音楽自体が色々変化してきたことからもわかるようにその要素はエレクトロニカ、エクスペリメンタル、オルタナティヴ・ヒップホップ、レゲエ、ダブなど解像度を上げていくときりがなく分解されうる。そういう聴き方よりも今作は今作のポップでいいのではと思える。
今日ももうひとつ。ティルザ。ひたすら安全牌ばかり取ってきた日本の歌謡界がとうとう追い抜かれる日はもうそこまで迫ってきている予感がする。実際に一日分追い抜かれたと気づいて慌てて挽回することにしたとしよう。でも他国のアーティストもみんな一日分やるわけで一度開いた距離がさらに開くことはあっても近づくことはない。