上野駅の公園口に通じるコンコースには、日本各地(なぜ?)のお土産品を売るワゴンっつうか、屋台に近いお店が並んでいます。
出勤の遅い私がこのコンコースを通る時間帯は、これらのお店が開店準備に励む真っ最中のタイミングでして、なにげにその様子が目に止まります。
そんな中、ちょいと変な看板があるのに気づきました。
それがこちら。
これでは良く判りませんな。
そこで、ボケボケ覚悟で拡大してみますと、右の写真のとおりです。
「この印籠が目に入らぬかぁ~」で多くの日本人にとってお馴染みの「三つ葉葵」、徳川将軍家の紋のようです。
ただ、もっぱら目にする「三つ葉葵」はこちらのはず。
どうして、日光銘菓「きぬにしき」の売店に掲げられた「三つ葉葵」は上下逆さまなのでしょうか。
これは私の 推測ですが、いくら徳川将軍家と縁の深い日光の菓子店とはいえ、将軍家の紋をそのまま使うことには躊躇があったのではないでしょうか。あくまでも推測ですよ。
紋章といえば、と、思い出した話。
出張でロンドンに行ったとき、テムズ川河畔(グローブ座の対岸辺り)に、College of Armsと書かれた建物を見つけました。
「arms」は腕とか武器を意味しますので、軍関係の教育機関かと思いました。
ところが、日本に帰ってきて調べてみると、全然違う College of Armsとは、日本語に訳せば「イングランド紋章院」、紋章の管理や裁判、王室の公式行事を司る国の機関なんだとか。これは意外でした。
日本の「家紋」が、その名のとおり、「家」を象徴するシンボル・マークであるのに対して、ヨーロッパでは、個人がそれぞれの「紋章」を持っていることは知っていました。
森護さんが書かれたこの本を読んでいたもので…。
シェイクスピアの紋章学 価格:¥ 1,890(税込) 発売日:1987-11 |
でも、紋章を管理している国家機関があって、その名前がCollege of Armsだなんて、この本には書かれていたのかもしれませんが、私の頭にはカケラもありませんでした。
もっとも、個人がそれぞれ紋章を持つとなれば、「オレが先だ」「うるせぇ、マネすんな
」なんて紛争は避けがたいことでしょう。
ちなみに、シェイクスピアの紋章(飾り付きの大紋章)はこんなのです。
この意匠のうち、狭義の「紋章」は真ん中のちょい下にある「盾型」の部分で、回りの兜とか鳥とかヨモギの葉っぱのようなヒラヒラ(ちぎれたマントを表しているらしい)とか、下にある文章(モットー)が書かれたリボンは飾りです。
シェイクスピア=Shake(振り回す)+speare(spear:槍)で、槍があしらわれているのが面白いです。
こうしてみると、日本の家紋はシンプルです。基本的に単色だし。
日本の家紋については、こちらの本が参考になります。面白い本ですよ。
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家紋の話―上絵師が語る紋章の美 (新潮選書) 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:1997-11 |
家紋の話は、まだ書き足りないのですが、とりとめもなくなりそうですので、今日はこの辺でお開きとさせていただきます。