富士山がユネスコの世界文化遺産に登録
されたのは今年の6月21日(こちらの記事をご参照方)。それから早くも3ヶ月近く経ってしまいました。
そんな記憶も新しいところで、政府は2015年の登録を目指す候補を決めたとのこと。
読売の記事によれば、
国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に、政府が「明治日本の産業革命遺産」(福岡など8県)を推薦する方針を固めたことが14日、わかった。
政府関係者が明らかにした。9月末までに推薦書の暫定版をユネスコに提出し、2015年の世界遺産委員会で登録の可否が審査される。
「明治日本の産業革命遺産」は、19世紀後半から20世紀初頭、日本の重工業が急速に発展し、産業国家の礎を築いた歴史を伝えるもの。八幡製鉄所(北九州市)や、「軍艦島」と呼ばれる端島炭坑、長崎造船所(ともに長崎市)など九州の5県と、橋野高炉跡(岩手県釜石市)などその他の3県に分散する計28の構成資産(要素)からなる。
だそうです。
「計28の構成資産(要素)」とは、ずいぶんな「団体さん」ですな。
全部書き出してみると(所在地でくくりました)、
萩の産業遺産群 (萩市)
旧集成館, 寺山炭窯跡, 関吉の疎水溝 (鹿児島市)
三重津海軍所跡 (佐賀市)
韮山反射炉 (伊豆の国市)
橋野高炉跡及び関連遺跡 (釜石市)
小菅修船場跡, 長崎造船所第三船渠, 長崎造船所旧木型場, 長崎造船所, ジャイアント・カンチレバークレーン, 長崎造船所占勝閣, 高島炭坑, 端島炭坑, 旧グラバー住宅 (長崎市)
三池炭鉱宮原坑, 三池炭鉱万田坑, 三池炭鉱専用鉄道敷跡, 三池港 (大牟田市、一部は荒尾市)
三角西(旧)港 (宇城市)
八幡製鐵所旧本事務所, 八幡製鐵所修繕工場, 八幡製鐵所旧鍛冶工場 (北九州市)
八幡製鐵所遠賀川水源地ポンプ室(中間市)
おぉ、「行ったぁ~」「見たぁ~
」という「構成資産」が結構あります
高島炭鉱と
端島炭鉱(軍艦島)は今年5月に行ってきたばかりだし(記事はこちらなど)、
長崎造船所のジャイアント・カンチレバークレーンも軍艦島への往復の船上から観たし、
旧グラバー住宅には2007年9月に「MISIA星空のライヴⅣ」の長崎遠征のときに行ってきたし、
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星空のライヴIV CLASSICS +FILM OF MISIA IN KIBERA SLUM [DVD] 価格:¥ 4,200(税込) 発売日:2007-12-05 |
鹿児島の旧集成館には一昨年のGWの南九州旅行の際に見学したし(記事はこちら)、
っっっと、ここでお詫び
この南九州旅行の旅行記、2泊3日の2日目ラストの「南九州旅行記(その14:鹿児島・加治屋町再びの巻)」を最後に「未完」です…
今さら書き続ける気は失せておりますので、その償いというか何というか、もう一枚、旧集成館のある仙厳園での写真を載せておきます。
ところで、「明治日本の産業革命遺産」の推薦にはちょっと気になるいきさつがあるようで、もう一度読売の記事を引用しますと、
今回の推薦を巡っては、これまで文化遺産候補の選出を担ってきた文化庁の文化審議会に加え、現在稼働中の工場や港湾などの「稼働資産」を含む産業遺産を専門に選ぶ有識者会議が内閣官房に新設された。8月に文化審議会が「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本県)、内閣官房の会議が「産業革命遺産」をそれぞれ推薦候補としたが、世界遺産委の審査は1国1件に限られており、政府がどちらに決めるか注目されていた。
ということで、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」との取捨選択の末の推薦だった由。
長崎市民の皆さんにとっては、かなり複雑な気分
にならざるを得ない「選択」だろうと推察します。
こちらの毎日の記事によれば、
端島に19歳まで住んでいた元住民で、NPO「軍艦島を世界遺産にする会」の坂本道徳理事長(59)は「夢に近づいたのはうれしいが、今の状態では教会群とどちらが勝っても遺恨が残る。なぜ双方が2015年の登録にこだわるのか。行政主導で、市民不在の戦いになっている」と複雑な心境を語った。
確かに…
しかも、来年2014年の世界文化遺産の候補には、「富岡製糸場と絹産業遺産群」が推薦されていて、近々、ユネスコの諮問機関の国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が現地調査するのだとか(こちらの毎日の記事を参照方)。
もし、めでたく、「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界文化遺産に登録されれば、「明治日本の産業革命遺産」とかぶりそうな気がするのですけれど…
産業遺産大好きな私ではありますが、2015年登録の候補としては、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の方が良かったような気がします。
さて、どうなりますことやら。