「MISIAのアルバムをふり返る (前編)」のつづきは、予告どおりNew Album「Life is going on and on」に特化して書きます。
前編で書いたことと若干被るんですが、アルバムを構成する曲/編曲がバラエティに富んでいて、また、その並びがまたイイ
まずは無難に、最新ヒット曲の「アイノカタチ feat.HIDE (GReeeeN)」と「君のそばにいるよ」で聴く人たちにご挨拶。
ここで「Interlude」が乱入して空気を変えると、曲間を空けずに「Sparks!!」が、ほらほらとリスナーの手足を動かしにきます。
いかにもSAKOSHINらしいアゲアゲチューン炸裂で、古くからのMISIAファンにとっては、待ってましたぁ~ って感じでしょう。
SAKOSHINの曲がもう1曲あってもいいんじゃないか? と思うところですが、「来るぞスリリング」からクロタクのアレンジによるSOUL JAZZセクションに入ります。
「LADY FUNKY」はクロタクver.もいいけれど、わたし的には、明男ちゃんのSaxが大々的にフィーチャーされた「★X」ver.の方がよりfunkyでお好み
このアルバムに収録されている米倉さんのコーラス付きも良いけれど、★Xで聴けるMISIAのソロも相当にイイ「恋人失格[fea.米倉利紀]」につづくのは、私がこのアルバムで一番のデキだと思っている「変わりゆくこの街で」。
ASCENSION (2007年)に収録されている「TYO」が、夢と大きな不安を持って上京した当時を歌った歌だとすれば、この「変わりゆくこの街で」は20年経った今のMISIAの思いを歌った歌。それだけで20周年を迎えたMISIAのアルバムには象徴的なのですが、このアレンジがまたカッコイイ 「カッコイイ」にはいろいろな格好良さがありますが、この「変わりゆくこの街で」は超COOL
加えて、MISIAの歌声がとりわけこの曲で冴え渡っています。
アルバム発売前、12月18日放送の「MISIA星空のラジオ」でこの曲がかかったとき、既にベッドの上で寝落ち寸前だった私がガバァっと起き上がりましたもの…。
曲自体は、去年7月のブルーノートでのライヴで聴いていました(イントロで大林さんがピアノに手ミュートをかけてた)けど、「変わりゆくこの街で」のAlbum ver.は、ほんんんんんんっっっとにイイ
Soul Jazzセクションの次は、お待ちかねの人も多いであろうバラード・セクション。
去年6月の「★X」金沢公演の感想(記事はこちら)で、ネタバレを避けつつ、
新曲はドラマや映画の主題歌に合いそう
と書いたのは、「LOVED」と「SERENDIPITY」の2曲のことでした。
どちらの曲も、catchyですんなり耳に入ってきます。
ちなみに「LOVED」は米倉さんの作詞・作曲、「SERENDIPITY」は作詞がMISIAで作曲は「名曲ライター」こと松本俊明さんです。
残る2曲は、冒頭の2曲と同様にタイアップ曲で、NHK「ダーウィンが来た!」の来年度(今年4月~)以降のEDテーマ曲になっている「AMAZING LIFE」と、リオ五輪へ向けた“卓球日本代表公式応援ソング”になり、そして、リオ五輪での日本卓球チーム大躍進の原動力になったとかならなかったとか言われたとか言われなかったとか の「SUPER RAINBOW」。
「AMAZING LIFE」について、MISIAが「MISIA星空のラジオ」で語ったところによれば、この曲をもらったとき、作曲の内池秀和さんは病床にあって、曲づくりについて相談しようにもできない病状だったのだとか。Wikipediaによれば、内池さん、元々NHKの職員として番組用の曲づくりに携わられていて、「ダーウィンが来た!」では、ずっとOP曲とED曲を担当されています(現在のED曲 平原綾香「スマイル スマイル」も)。そして、この「AMAZING LIFE」の完成を待たずに、内池さんは去年8月、51歳の若さで亡くなられています
ところで、「AMAZING LIFE」は、4月のTV版での採用に先立って、1月8日公開の劇場版「ダーウィンが来た! アフリカ新伝説」でも採用されています。
先週、映画「ボヘミアン・ラプソディ」を観に行ったとき(記事はこちら)、の予告編も流れたのですが、予告編ではMISIA「AMAZING LIFE」は流れませんでした。
まぁ、もともと「ダーウィンが来た!」が好きで、ほぼ毎週、楽しんでいる私、劇場版「ダーウィンが来た!」も観に行くつもりですから良しとしましょ。
それはさておき、カリンバの音とアフリカンなコーラスで始まる「AMAZING LIFE」は、劇場版「ダーウィンが来た! アフリカ新伝説」でも使われることを念頭に置いて作られたのかも知れません。
NHK「ダーウィンが来た!」で、「AMAZING LIFE」の収録風景が流れましたが、サウンドはともかくも、ロンドンという場所といい、鷺巣さんやLondon Gospel Choirの皆さんの登場といい、モノクロ映像といい、WMに収録されている20年前の「THE GLORY DAY」の収録風景と被る、被る…。
こうなったら、「MISIA平成武道館」では、Royal Mirroball Ochestra (cond. 鷺巣詩郎)にも登場いただいて、「AMAZING LIFE」と「THE GLORY DAY」を演っていただきたいものです
「SUPER RAINBOW」は、CD初収録とはいえ、Net配信されたのは2016年7月ですから、今さら? の感も漂います。
ところで、「SUPER RAINBOW」を聴くたびに連想するのが、リオ五輪の卓球日本代表から漏れ、サポート役としてチームに帯同した平野美宇さんのこと。
ため息より深呼吸して水たまりもひとっとび
雨上がりに虹が見えるものでしょう
下を向いて歩いてちゃ見つけられない
向かい風を受けて鳥は飛んでいく 羽ばたいて
物語はいつも全ていま起こっていく
という歌詞が、五輪代表落選などの挫折から立ち上がり、最年少でのワールドカップと全日本選手権の優勝、日本人選手として21年ぶりのアジア選手権優勝という輝かしい実績を重ねている美宇さんのキャリアとオーバラップするのですよ
それはともかく、こんな前向きな詞は、アルバムタイトルの「Life is going on and on」に合致していますし、最近のライヴでは欠かせない曲になっていることからも、「SUPER RAINBOW」は、アルバムを締めくくるのにふさわしいと思います。
ということで総括しますと、MISIAのNew Album「Life is going on and on」は、MISIAの20年のキャリアを、現在目線から俯瞰して、そして、今のMISIAの音楽を十二分に楽しめ、満喫できる素晴らしいアルバムだということ。
この総括、簡単すぎますか?