「今年最初の関西旅行記 #3-5」のつづきです。
京都河原町駅で地上に出た私は、初めての「錦市場」へと向かいました。
四条通からひょいっと北に入った(あがった) この小路、「新京極」ですって?
「新京極」といえば、高校の修学旅行で京都の旅館に泊まったとき、夜の外出でそぞろ歩いた商店街ではありませんか
その時以来の新京極を歩く間、ウン十年前のこと、例えばここで生まれて初めて「シェーキ」なるものを飲んだことなどを思い出しました
そして、念願の「錦市場」
おぉ、賑わってる
そしてバナーは、ご当地出身の有名人伊藤若冲の作品がモチーフになっています
それにしても、なんという外国人観光客の多さ
今や、観光地の多くで外国人比率が高まっていることは身をもって体験しているけれど、錦市場での外国人比率の高さはハンパありません
そして驚いたのは、予想に反した飲食店の多さでした。
しかも、明らかに外国人観光客を狙っている和風(?)ファストフードの店だらけです。
とりわけ多かったのが、エビの串焼きを供する店でした。
日本人なら、「なんでわざわざ京都まで来てエビの串焼きを食べるのだ? 」と思うけれど、外国人には関係のないことなんだろな
この辺りで昼食を食べようと考えていた私ですが(時刻は12:40)、錦市場で昼食を摂るのは無理だと判断しました
そして錦市場の散策をあきらめて四条通に出ました。
四条通の歩道の上からぶら下がっているのは、洛中洛外図から切り出した人々かな?
こりゃイイねぇ
でも、四条通沿いにはファストフード店はあっても、まともな昼食を摂れそうな店は見つかりませんでした
そのとき見つけたのは、錦市場の手前にあった焼肉店でした。
値段も手頃そうだったので、ここで昼食
そこは旅行中ですから、オーダーしたのは、ちょっと奮発して、こちらの焼肉定食です。
いかにも旨そうな牛肉と牛タンですが、実際、美味しかった
これで 2,500円(税込) なら大満足
です
食後、「ところで伊藤若冲の生家跡はどの辺なんだ?」(←これが錦市場にやってきた理由) と、スマホで調べると、、、
ありゃぁ~~、この焼肉店の至近
ではありませんか
こんなことってありますか?
確かに伊藤若冲のプロフィールで「高倉通」という地名を見た記憶がかすかにありますが、まさか、たまたま昼食に入った店が高倉通にあったとは
正直、「私は持っている」と思いました。
そして、焼肉店でお支払いして、「伊藤若冲生家跡」に行きました。
ゆっくり歩いても1分ほどで「現場」に到着。
この案内板はコの字形に設置されていまして、錦市場に面した側(北面)にはいろいろと説明文が書かれているのですが、この角には中華系とおぼしきグループがたむろしていて写真が撮れません
それでも、「以心伝心」でちょいとどいてもらい、撮影に成功
伊藤若冲が京都錦の青物問屋の生まれという事実は広く知られている。若冲の描く絵画の仲には蕪、大根、レンコン、茄子、カボチャなどが描かれ、菜蟲譜という巻物には、野菜だけでなく柘榴や蜜柑、桃といった果物までが描かれている。(中略)
若冲は、次弟に家督を譲って、錦で絵画三昧の生活を送っていたとされていた、
しかし、近年、新たな史料が発見されたことにより、錦市場における若冲のイメージが一変した。その史料とは「京都錦市場青物市場記録」というもので、明和8年(1771)から安永3年(1774)までの錦市場の動向を伝える史料である。これによると、若冲は、錦市場の営業認可をめぐって、じつに細やかに、かつ、積極的に調整活動を行っている。その結果、錦市場は窮状を脱することになるのだが、若冲のこのような実務的な側面は、これまでまったく知られていなかった。
若冲は、文字通り青物問屋の主人として錦市場にいきていたのである。
ほぉ、なかなか興味深い話です
こうして錦市場にやってきた目的を果たした時点で、時刻は13:30
帰りの新幹線の発車時刻まで1時間
しかありませんので、オプションにしていた建仁寺の拝観はまたの機会に、ということで、四条駅から地下鉄
に乗って京都駅に戻りました。
建仁寺を拝観するには時間が足りないけれど、京都駅では時間を持て余すわけで、駅ナカにあるお茶の販売店で抹茶ソフトを買い、店の片隅の縁台に腰掛けてイートインしました。
この抹茶ソフトが、抹茶の香り高く、美味しかった
ここで抹茶を大量に購入していく外国人観光客
を目撃
しました。
友知人へのお土産で買っていたのだろうけれど、これをもらった人たちはどうやって飲むのでしょうか?
日本人だって、とつぜん抹茶をもらったら困る人が多いと思うのだけれど…
抹茶のパッケージの中には、茶筅が無くてもお茶を点てられるよう「取説」が入っているのかな?
そのうちに新幹線の発車時刻が近づいてきましたので、コインロッカー
から荷物を取りだし、、、とコインロッカーは満杯だ
京都駅から新幹線に乗って帰るときには、新幹線改札口近くの551蓬莱で熱々の豚まんを買って帰ることが多いのですが、この日は、朝の新大阪駅でチルドの豚まんを購入済みでしたので、そのまま新幹線改札口を通過しました。
帰りの新幹線でも、往路同様、富士山は雲の中でした
でも、心配していた雨は降らなかったので良し
としましょう。
途中、ビルの隙間から見えた横浜アリーナに「来週来ます
」とご挨拶。
東京駅で夕食用に駅弁を購入して、電車を乗り継いで自宅最寄り駅に着くと、夕焼けがきれいでした
ここでも富士山は笠雲をかぶっていて、山頂付近は見えませんでした。
こうして、富士山とは縁が無かったものの、今年最初の関西旅行は無事に終了したのでありました。
めでたしめでたし…。