ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

されど われらが日々 柴田翔

2010-12-30 22:19:30 | Book


映画「ノルウェイの森」を娘と観たあとで、その村上春樹の原作をいつ読んだのか?という話題になった。
原作「ノルウェイの森」は1987年9月、講談社から書き下ろし作品として上下巻が刊行されていますが、
娘は高校生の時に読んで「こんな辛い大学生活があるのかしら?」と考えたそうです。

わたくしは、村上ファンの友人から薦められて、多分8年前に読んだと思います。

その娘の答えを聞いた母親のわたくしは、自分が高校生の時に、今は亡き大学生だった姉が送ってくれた本が、
単行本になる前の、文芸雑誌に掲載された柴田翔の「されど われらが日々」だったことをふいに思い出しました。
その後単行本になったのは1964年8月、文藝春秋刊でした。
それを読んで、姉を含めてその時代の大学生の生き方、考え方、愛と性のことなどを考えたものでした。
この不思議な繋がりをとても嬉しく思いました。

この2冊の小説の共通項は、その時代のある一握りの大学生の生き方を書いているということ。
そしてその背景にあるものは「学生運動」です。
この2つの物語の登場人物は、この運動の外で生きる若者ではありましたが、
全く影響を受けていないとも言えない時代でもあったのでしょう。

こんな青春もあったのでしたねぇ。単なるメモです。すみませぬ。

ノルウェイの森

2010-12-30 00:34:04 | Movie


ノルウェイの森・オフィシャルサイト

監督:トラン・アン・ユン
撮影:マーク・リー・ピンビン
音楽:ジョニー・グリーンウッド

《キャスト》
ワタナベ:松山ケンイチ
直子:菊地凛子
緑:水原希子
大学教授(哲学):糸井重里(ワンシーンのみ。学生運動家の授業中断要求に、さりげなく応じる。)


年末の忙しい時期に映画ばかり観ていていいのか?……と、自分につっこみを入れています。
近所に「MOVIX」がありますので、ついつい…。

もちろん、この映画は村上春樹原作の映画化です。
大分以前に読みましたので、記憶があいまいというか希薄というか?
いや、違うなぁ。この小説は強烈な印象を受けるものではなかったのです。
村上春樹の大学時代と同時代の大学生の恋愛と性を描いたもので、
特別変わった若者は登場せず、懐かしい思いがするような小説でした。

実際、映画を観ながら、ふと懐かしさに涙がこぼれました。

出会い、愛し合い(もちろん精神も肉体も。)傷つき、淋しく、それでも愛する。
そして「別れ」や「死」までも招く青春。そしてまた出会う。愛し合う。
そうして青春は過ぎてゆく。何が残る?それは「思い出」なのか?「喪失」なのか?
誰でもが通過した道だったのではないか?
これを懐かしむ時を持つことができるのは、わたくしなのかもしれない。