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ポール・プウジョーに。
まだ醒めきらぬ睡眠を齎(もた)してゐた
鬱陶しい混乱が、いま 太陽の
薔薇色の出現の姿に たちまち
散り散りに 消えて失くなる。
自信の翼を一杯に拡げて、俺は
自分の霊魂(たましひ)の中に踏み込む。
これが 最初の祈りなのだ。
流沙の地を抜け出ると、すぐ
わが理性の歩調に合せて
素晴らしい歩みを、俺は運んでゆく。
おはやう。雙生兒(ふたご)のやうに似た微笑(ほほえみ)を
浮かべて なほまだ寝込んだままの、
女の友達、相似形よ、
単語の間で、きらきらと燦いてゐる。
(以下略)
詩集「魅惑(即ち 詩篇)…CHARMES」より。
新年にふさわしい詩はないものか?
そんな思いで昨年末から探していましたが、これに決定。
今更ながら、先達詩人とその翻訳者に敬意を表する。
この詩篇のなかには「雙生兒(ふたご)」「相似形」という言葉がありますが、
これは詩の素材としてふさわしい単語が生まれ、脚韻として響き合うことを言っているようです。
こうした詩法は古いものではなく、むしろ挑戦してみたいものだ。
停滞している自身のために送る。