
人間の体に左右があって、手足が2本あることがあたりまえですが、
この当たり前が、欠落してしまうこともある。
夫は左手と左足の麻痺のリハビリ中。
それでもなんとか右手だけで本を読みたい。
小林秀雄のCDだけでは足りない。
いろいろと考えている。
ページをめくって抑えるのに、大きな洗濯バサミを使う。
本が倒れないように、胸の上にブックスタンドを置く。
ハードカバーよりもソフトカバーの単行本がいい。
単行本でも重い。文庫本がいい。
そうやってやっと「小林秀雄」の文庫本一冊読了。
「今度は、『古井由吉の詩への小路』を持ってきてほしい。」
「単行本は重いからダメだと言っていたでしょ。」
「いや、読めるような気がする。」
「じゃぁ、古井由吉の単行本と、小林秀雄の文庫本『直観を磨くもの』を持ってきます。」
さてさて、どうなるか?
看護婦さんと、理学療法士さんの報告では「疲れて眠ってしまうこともありますが、
熱心に読んでいますよ。」とのこと。
リハビリも真面目に頑張っている。