ふくろう日記・別室

日々の備忘録です。

百人一首我流解釈 (11~13)

2023-05-06 13:47:17 | Poem

11

わたの原八十島かけてこぎ出でぬと

人には告げよ海人(あま)のつりふね   (参議 篁・ 八〇二~八五二)

 

「八十」とは数が多いこと。沢山の島を巡って流されてゆく身を、

海人たちよ、都に残された人に伝えてほしい。残酷な時代だなあ。

 

12

天つ風雲のかよひ路吹きとぢよ

乙女の姿しばしとどめぬ  ( 僧正遍昭 ・そうじょうへんじょう・八一六~八九〇)

 

舞姫たちの美しい姿をもっと見ていたいから、雲を引き寄せて

天の通り道を塞いでおくれ。

 

13

筑波嶺の峰より落つるみなの川

恋ぞつもりて淵となりぬる (陽成院・八六八~九四九)

筑波の峰は「男体」「女体」という二つの峰から、滴る水が合流して「皆野川」になると言う。あなたへの思いも、そのように深い淵となってしまいました。