エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

タッチが足りない!

2016-04-04 07:10:22 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
オッカムの剃刀で、あなたもスッキリ
  オッカムに代表される唯名論は、名前には意味はあるけれども、実態はない、と考えたわけですね。実在論との、かの有名な普遍論争は、教科書的に申し上げれば、中世の代表...
 

 

 現代社会は、命と命の繋がりという根源的な繋がりを見失っていることが、あらゆる社会病理の根っこをなしているんでしょう。その繋がりを見失っているために、不安で不安でたまんない私たちです。 

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」のp.235、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 私がすべての答えを知っている、などというつもりはありませんけれども、現在行われている子どもを育てるやり方は、私どもの子ども達を傷つけている場合が多い、ということは承知しています。たとえば、キャリフォルニアでは、3歳から5歳までの大規模な子育てセンターでは、スタッフは子ども達に触れることが許されていません。子どもたちはハグされたい、抱っこしてほしいと願えば、大人たちは子ども達を「あっちに行ってなさい」と突き放します。これは、一見正しく見える考え、子ども達を性犯罪から守りたいという考えが、重大な否定的な結果をもたらしうる、古典的な実例です。今まで見てきましたように、赤ちゃんたちは、触れ合いがなければ、文字通り死んでしまいます。触れ合うことが私ども人間の生態の一部なのですから。

 

 

 

 

 

 今のニッポンの子ども達も、猛烈に触れ合いを求めていますからね。遊びのオジサンが子どもたちと遊んでいる時に、1人を抱っこしようものなら、2人、3人とおんぶしてもらおうと、肩に上ってきますからね。それは「異常」、「異様」なことですよね。こんなにも、触れ合うという根源的なことが欠けている子育てが、多い、ということが、「異常」であり、「異様」なんですよ。子どもが十分に抱っこされたり、ハグされてされていたりすれば、どこの学校に行っても、あんだけたくさんの子ども等がタッチを求めてくることはないはずでしょ。

 

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