発達トラウマ障害(DTD)という診断名は、臨床的にも非常に役立つ子どもたちの復元力と≪人間皆兄弟≫ 日本の子どもたちは、ベトナム戦争にも擬えてもいいくらいの「戦争」の毎日を過ごしています。昨日のブログ......
今宵,NNNドキュメント17「少年A~神戸児童連続殺傷事件 被害者と加害者の20年~」を拝見しました。22年前1995年の1月に神戸大震災があり,その2年後,1997年に3月に,この神戸児童連続事件,酒鬼薔薇聖人事件がありました。2人の子どもが殺され,1人の子どもが大けがを負わされた事件です。
これを見て,やっぱりと思いました。この少年は当時は「行為障害」だといわれていましたが,私は「なるほど」とは到底思えませんでした。今回この番組を見て,「性的サディズム,行為障害,愛着障害」の3つの診断がされていることを知って,なるほどと思いましたね。DSMの場合,本来は一つしか診断できないはずのものですが,いくつも診断名がつく心の病気といわれて,何か思い出すものもはありませんか?
発達トラウマ障害(DTD)ですね。臨床像を伺いますと,激しい怒りに大きく傾いた 脱抑制性の発達トラウマ障害(DTD)とやるのがいいでしょう。そうすると,この残忍な殺し方,強い独善性,新聞社に手紙を出すほどの強烈な関心引付欲求などの臨床像が説明できると考えます。
神戸のこの事件が20年前でしょ。すでにその時から,労働環境を人間らしいものとする労働政策の実施,知識の詰め込みを,教師・生徒の上下関係を使って行う調教を主とする学校制度をやめて,本来の人格教育政策を復活させることを,この少年は殺人事件という事件を通して,訴えかけていたことに思い至りましたね。
こう考えてきますと,20年間腑に落ちなかった,酒鬼薔薇聖人事件が腑に落ちてよかったと思いました。
ここんところ,いろんなことが思いがけず明確になることが重なりまして,その一つを本日ご報告いたしました。
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