Facebookで、はるか遊さんが、浜矩子さん、柳澤協二さん、内橋克人さんの『民主主義をあきらめない』(岩波ブックレット937)の一読を薦めておられたので、Amazonに注文しました。今日がやっとAmazonから届きました。この本は、「鎌倉・九条の会」の結成十年を記念して、この5月に行われた講演会を文書にしたもののようです。お三人の講演が、掲載されています。
私はまず最後の内橋克人さんのご講演の部分を読みました。この内橋克人さんの講演を手掛かりに、今の日本を考えてみたいと考えました。今晩は、2点を取り上げます。
1つは、コンフォーミズム。内橋克人さんによれば、「丸山眞男の”コンフォーミズム”を哲学者の久野収は「頂上同調主義」と呼びました。常にてっぺんの顔色を窺いながら自分の行動を決める。”コンフォーミズム”が権力者によっていつも利用されてきた。安倍政権またしかり、です」(p.64)。これは日本人の行動様式を見事に言い表していますよね。学校で言えば、校長の顔色、◎◎課であれば、課長の顔色、が気になって、その意を汲む様な行動が、一番大事になっちゃうことですね。これは、校長が何10000000円もの学校のお金を、海外旅行や化粧品に流用しているのに、それに対して「何も言えなかった」西武学園、東芝の粉飾決済でも、社長が10000000000円単位の利益を出すように言えば、在庫操作と会計操作で、10000000000円単位に利益が出たようにウソとゴマカシをやって、「そういうやり方はだめですよ」、ということを社長にパレーシアに「言うことはできなかった」。これは、あの日本軍での行動様式と全く変わりがありません。上官の命令は、頂上の天皇の命令だとされたので、その命令に「異を唱えることは出来なかった」。しかし、それは「出来ない」と思いこんだ人が「出来なかった」だけのことで、渡辺良三さんのように、文字通り、命がけで異を唱えることが「出来た」人もいたわけですね。今も同じです。しかし、「出来ない」と人に思わせて、奴隷に様に隷従させるのが、権力のやり方であることを、民主化を願うすべての人は、覚えておいた方が良いでしょう。
もう1つは、「3つのM」。すなわち、media メディア, money マネー, mind マインド。権力はこの「3つのM」を支配しようとする、と内橋克人さんはおっしゃいます。メディアは「忖度(そんたく)報道」をしている。忖度報道の2種類。1つは、権力に都合の良いことを報道する。たとえば、あの夜に、参議院の委員会で、議事録もない形で、強硬採決が行われ、本会議で可決された戦争法案は、NHKのニュースで、「~法案が可決されました」と繰り返されたのが、この例ですね。もう1つは、権力に都合の悪いことは、言わないこと。一番の好例は、東北から関東の放射能汚染の実態、太平洋の放射能汚染の実態を全く報道しないことですね。放射能汚染の実態を報道することかあれば「風評被害」と言ってしまう。それで、ますます、放射能汚染の実態を隠ぺいする方向にメディアを誘導しています。マネー。年金基金の何10000000000000円、何十兆円のお金を突っ込んで、株価を釣り上げている。それは、「景気の良さ」を演出、ウソとゴマカシをやるためです。そして、マインド。ウソとゴマカシの「景気のよさ」の便乗させられて、株に手を出していく…。私どもは、メディアとマネーはアンダーコントロールされても、マインドだけはアンダーコントロールされてはなりません。すなわち、自分を売ってはいけませんね。
民主化は、いつでも、自分の頭で考えて、立場の異なる人と誠実に粘り強く話し合う中から、育っていくものだ、という基本を大事に生きたいものです。
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