さあ、エリクソンが黄金律とやり取りについて、どういうことを教えてくれるのか、実に楽しみですね。
p219 本文冒頭から。
1つの講義が発表されるとき、その表題が、内容を良く伝えているとは期待しないのが普通です。でもね、表題が、この講義の招待状の表題くらい、ハッキリしないのは珍しいでしょう。というのも、新しい気付きがもたらされ、新しい気付きが黄金律という古い行動原理に新たな光を当てる分野が、表題にハッキリ書いてないからです。皆さんがこの講義にいらっしゃる方に賭け、いま、私が精神分析家として紹介されたところですから、皆さんは二重の賭けをしてしまったと感じておられるはずです。
エリクソンは、ユーモアの分かる人だった、ということが、こんなところからも分かりますよね。 「どういう分野の話なのか、表題から分からず、来てみたら、話すのがエリクソンかよ⁉」という、聴講者の反応を、自分を笑い飛ばす感じで、言葉にして見せているのですから。
そのユーモアは、多分、エリクソンが、今眼の前にいる聴講者の皆さんと、文字通り、「先生と生徒」のような上下関係ではなくて、≪やり取りのある関係≫になりたい、という、話の中身とも関わり、エリクソンが日ごろから心掛けている関わりにも通じることを、自分を笑い飛ばすことで、実現しようとする、極めて臨床的な導入だ、と私は強い印象を覚えますね。
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