エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

高い高い、性のエートス

2015-05-13 07:50:35 | エリクソンの発達臨床心理

 

 女が弱みにつけ込まれるのは、文化状況の故ですね。その際には、女は男に頼らざるを得ない社会状況が背景をなします。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p39のブランクの上12行目途中から。

 

 

 

 

 

他方、男の場合、退行的な依存を求めるニーズ、あるいは、実際に、自分の母親に慈しみ深く一体感を持つことは、同じ文化状況においては、戦闘的に過剰に補償されることになりかねません。それは、「無理矢理に入る」感じで追究する方向に行きます。たとえば、狩猟、戦争、競争、あるいは、搾取です。ですから、男も女も、反対のやり方は、比較研究すると良いんですが、こんな類のあらゆる理論的な結論が、鋭い価値の対立になる時代にあっては、最も用心してやらなくてもなりません。大事な点は、今日の社会的実験と、手に入る洞察によれば、男の子も女の子も、自由になった大人たちと共に、自分が確信を得られる、ひとつの性のエートスに、結局は導かれることになるはずだ、ということです。

 

 

 

 

 1つの性のエートスを手に入れるってきっとすごい困難、猛烈な葛藤の末に手にはいるものだと感じますよ。社会的な実験、いろんな人間関係で試したことから得る洞察が必要だと、エリクソンはサラッというだけですが、私が申し上げたことを経験しないと、実際にはこのエートス、倫理は手に入りません。

 

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