愛着障害と≪陽気で楽しい≫プレイフル≪陽気で楽しい≫。それは子どもが愉しそうに遊んでいる時の気持ちです。しかも、これはエリクソンが、臨床で最も大事にした態度、playful プレイフル を私が翻訳した言葉......
今宵も、加藤周一さんの言葉に学びたいと思います。今日は、『加藤周一セレクション 5 現代日本の文化と社会』(平凡社)から。
日本の近代化・民主主義化を、西洋の手本から離れて、我々自身の道の上に追究するための条件は、日本の現実そのもののなかに与えられている。戦争以来、目立たない変化が、大衆の広い層の中に与えられている。知識階級は、そのことを感じる必要があるだろうと思う。
近代化即西洋化というものの考え方は、単に考えの問題ではない。考え方を支えているものは、感じ方であり、その感じ方は、個人的なものではなく、時代の背景からつくりあげられる社会的なものである。そこでたとえば、日本に対しての根本的な感じ方を変えるために、アジアを旅行するのも、必要な1つの方法であろう。…われわれは、我々自身のなかにある大衆的な意識を拡大する必要があり、それを洗練し、それに表現を与える必要がある。それが日本の全体に向かって我々の世界を拡げるということになるだろう。
そういう意味はむろん学問や、芸術の大衆化ということではない。大衆的な学問というものはない、あるのは学問とその通俗的解説である。…どうしたら日本の学問、日本の芸術が育つか、ということを、いわば心構えの問題として論じているだけだ。その手がかりは大衆であり、我々の意識を大衆的な拡がりの中で育てることが、唯一の道だろうと言うのが私の考えである。
ここは極めて実践哲学の趣がある所だと思いますね。学問は、裸では、大衆には高尚なものであっても、実感のあるものではありません。リアリティは感じにくい。あくまで大学かカルチャーセンターで「お勉強するもの」であっても、自分の生活とは無関係。知識階級、インテリゲンチャは、大学やカルチャーセンターの講師になることも可能ですが、それでは、学問は「象牙の塔」のものであって、社会的なもの、生活の中で生きるものになりません。私はそういう学問には関心がありません。
私が関心があるのは、人々、特に弱い立場の人が幸せ、悦びを感じていただく様な学問です。発達トラウマ障害(DTD)≒愛着障害の学問的成果は、子どもとの関係に心を痛めている親や教員や地域の人たちに、相当説得力があります。加藤周一さんの言葉でいえば、発達トラウマ障害(DTD)≒愛着障害の学問的成果の通俗的解説がかなりうまくいっています。
それは、人びとの考え方と、その根っこにある感じ方を変えることに役立っているということですね。そして、それは、次の段階に入っています。
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