エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

今も役立つ、幼稚園時代のテーマ

2015-06-30 06:52:08 | エリクソンの発達臨床心理

 

 創造性の源は、遊びです。

 The life cycle cpmpleted 『人生の巡り合わせ、完成版』、p51の第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 遊ぶ年頃のいくつものテーマは、実にいろいろありますね。自分は「ダメだァ~」と感じる気持ちから、自分の気持ちが出せなくなるというテーマ、空想をいろんなおもちゃを使って眼に見える形にするというテーマ、遊びの場を、気持ちの上でも、空間的にも、人と分かち合うというテーマ、エディプスの冒険物語のテーマはすべて、どれを考えても、もう1つの一番個人的な舞台でもあり、スクリーンでもあるものを思い出します。つまり、夢です。夢を言葉にすることと分析することから、計り知れないくらい多くのものを学んできたのですが、心理社会的な説明においては、夢を捨象しなくてはなりません。ただし、ご指摘しておきたいのは、夢は、これまで「潜在的に」隠された中身に関してまず研究してきましたが、夢の「眼に見える」体の使い方や感覚の使い方をにおいては、今後役立つかもしれない、ということです(エリクソン 1977 Toys and Reasons 『おもちゃと叡智』)。

 

 

 

 

 

 遊ぶ年代、3才~5才の子どものテーマとして、エリクソンがここに明示した4つのテーマは、どのテーマも、今の日本でも、常日頃、問題になるテーマです。30年以上前に描かれた文書なのに、今も非常に臨床的、実践的なわけですね。

 たとえば、「自分は「ダメだァ~」と感じる気持ちから、自分の気持ちが出せなくなるというテーマ」で苦しんでいる子どもたちは、抑制的 インヒビティド 愛着障害の子どもたちの課題です。 

 エリクソンのライフサイクルの理論がいかに臨床的かが分かりますね。

 

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