今晩は、ユングの第7夜。ユングはとっても深いですね。
今日は、ユング著作第8巻(The structure and dynamic of the psyche 『魂の構造と魂の爆発的な力』:The collected Works of C.G.Jung, Vol.8, pp.319-337)Spirit and Life「魂と命」から。spirit スピリット、「魂」のある人生を考えたいと思います。
ユングは、このスピリットは、ギリシャ語のπνευμα プネウマ、ラテン語のspiritus スピリタス、の意味だと言います。スピリットがプネウマだとすれば、もともとは、「動いている(空)気」のことですから、「勇気、イキイキした活気、精神、あるいは、オバケ、または、アルコール」という意味があるという訳ですね。
でも、ユングはこの「魂」や「命」を、哲学的に考える訳じゃあないらしい。臨床家ですから、empirical approach 経験的に考えると言います。そんなユングは次のように言います。
「心理学の立場からみたら、魂という現象は、無意識に踊らされる体験の塊同様に、自我の意図を超越した、あるいは、少なくとも、自我の意図と一緒に、無意識の意図があります」とね。
ですから、ユングは、魂を❝higher❞ consciousness「高い意識」と呼びます。また、「魂は、単なる格言とか、定式化された考えでは、必ずしもなくて、最も強く、最も直接的な意味で、独立した生き方と感じられる独特の人生となって現れます」といいます。スピリットのある人生は、独立した生き方になるという訳ですね。
ところが、この「高い意識」は厄介だ、いいえ、正確には、「危険な性質がある」とも、ユングは言う訳ですね。なぜならば、「高い意識は、普通の意識から見たら、必ずしも高くはないし、みんなが認める理想と鋭く対立する場合がよくある」からです。
それにもかかわらず、ユングは大切な教えを教えてくれています。
「魂は、人生になくてはならないものなんですね。というのも、単に自我だけが頼りの人生が、私どもみんなが分かっているように、到底納得する人生でもなければ、到底満足できる人生ではないから。ある種の魂のある人生だけが、生きるに値する人生です。…人生を全うすることは、自我だけでは歯が立ちません。人生を全うするには、魂が必要です。つまりそれは、独立した、値打ちに気付いた体験の塊です。魂だけが、自我意識が及ぶ範囲を遥かに超えて、魂の可能性に、イキイキ、ピチピチした意味をくれるもののようですよ」
魂のある人生
魂,スピリットのある人生を紹介しているのが,エリクソンのライフサイクルです。
日本の心理学の教科書には載っていません。
日本のエリクソン研究者全てが,実は,エリクソンのことが,少しもわかってないからです。レベルが低すぎです。
エリクソンに学んで,スピリットのある人生を歩みましょう。
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